カーテンはあればいい
建築家の建てた家の撮影はカーテンが写っていない事が多い。それはカーテンが建築の邪魔をするということなのでしょうか。そんな存在というのは悲しい。父親が大工で、ご自身も建築の仕事をされていた開発者のリオさんは、空間全体でのカーテンの立ち位置を語ります。いわゆるカーテン屋さんの目線とは違うかもしれません。
「カーテン屋が言うのも変だけど、カーテンはあればいい。でも邪魔しちゃ困る。がんばりすぎたらだめ。光が入ってきて、目線が遮れて、風が優しく感じられる。それだけでいい。たとえば、友達の家に行って帰ってきたら、どんなカーテンだったかは思い出せないけど、気持ちのよい空間だったと印象づけるような、そんな存在であることが理想。」とリオさんは話します。
壁紙やフローリング同様、広い面積を占めるものは印象を左右しがちです。
お気に入りの部屋に、とりあえずと選んだカーテンを吊るのは如何なものか。
カーテンをインテリアの主役にするのも良いでしょう。だけど、何が流行っているかではなく、あなたの生活に合ったもの、一緒に育って、愛着のあるものが良いと、わたしは考えます。
生きている生地
天然素材のカーテンは、湿気が多いと伸び、乾燥すると縮みます。
ガーゼカーテンは特に顕著で、毎日の生活の中で収縮やしわの変化に気づくほど。
一日の中でも、キッチンでお湯を沸かしていると伸びたり、ストーブをつけて空気が乾燥すると縮んだり、まるで本当に生き物のようです。
例えば梅雨時期と冬の乾燥時で2〜3cm伸縮します。生活に支障のない程度ですのでご安心を。
天然の湿度計のようにカーテンが教えてくれるので、ちょっと丈が短いなと気づいたら乾燥のサイン。加湿器の代わりにお水を霧吹きでかけてください。リネンウォーターやミントウォーターで香りを楽しむのもおすすめです。
生きているが故に、日焼けしたり、色あせたりもします。洗濯に少しだけ気をつかってあげないといけません。それでも、天然素材の気持ち良さ、素材感の魅力、ふわっと風をはらんで揺れる美しさは、化学繊維のカーテンとは比べものになりません。
天然素材は、お子様が戯れたり舐めてしまっても安心です。
日々の変化が目に見えるほうが楽しいので、厚地カーテンに隠れてしまうのはもったいない。フロントレースと言って、厚地の手前(お部屋側)にレースを吊るのもおすすめです。
リノベーションに似合うカーテンを
実はリオさんは、もともとtoolboxのお客様。リノベーションをした部屋に似合うカーテンがなかなか無いという私たちの悩みに共感し、このたび販売に至りました。
見た目ふんわりしていて、ガーゼのような優しい印象のリオさんですが、話してみるとかなりの強者。このカーテンの開発には彼女の並々ならぬ努力のストーリーがあります。
試行錯誤のうえ、半年かけてやっとの想いで理想のカーテンをつくりました。開発までのストーリーは下記のコラムをご覧ください。
デメリットこそメリット
年月が経っても飽きない、気持ちの良いカーテン。日々の伸び縮みや、日焼け色あせは、一般的にはデメリットと言われます。
ツルツルピカピカで傷の無い住宅が好きな人には確かに不向きかもしれません。傷や経年変化が味と思える人に、暮らしの中での変化を楽しんでいただきたい。toolboxのお客さまにこそおすすめしたいカーテンです。
このガーゼカーテンは“縫製してから洗いにかける”という方法で作っていますが、通常のカーテン業界では珍しく、数年前までカーテン業界で働いていた私も驚きでした。
縫製が難しい生地ですが、腕のある職人さんの手によって、ひとつひとつ、とても丁寧に仕上げています。
スタイルは1.5倍ひだが一般的ですが、toolboxではひだがきれいに出て女性らしいギャザーと、男部屋にも合うニュートラルなフラットの2種類をご用意。どちらのスタイルもお値段は変わりません。
暖かな日差しや、心地よい風、季節や毎日の変化をお楽しみください。
開発パートナー:interior rio