リクルートの住宅情報サイト「SUUMO」の編集長として、全国や海外の住宅事情・まちづくり事情を発信している池本洋一(いけもとよういち)さん。現場を自身の目で見て情報を届けるために、出張の多い日々を過ごしています。
ご自宅は埼玉にあるため、仕事場を兼ねたセカンドハウスとして、新幹線と空港にアクセスの良い場所にある中古マンションを購入。toolboxの定額制パッケージリノベーション「ASSY」でリノベーションをしました。
これまでに何度かの家づくり経験をしてきた池本さんですが、パッケージリノベーションによる家づくりは初めて。パッケージリノベーションの合理性と「ASSY」のデザインテイストが気に入って選んだものの、「打ち合わせは3回」という「ASSY」のプロセスについて、「本当に3回でできるのか」という不安もあったそう。今回は、「ソロリビング」というユニークなテーマをもとに出来上がった池本邸の全貌レポートをこのコラムで、物件探しから3回の打ち合わせで住まいが完成するまでのプロセスを後編コラム「限られた時間、決められた仕様。だから、自分の理想を詰め込めた」で、ご紹介していきます。
家族といても、ソロ=一人でくつろげるリビングって?
都心にある44.7㎡のマンション。ここは、池本さんにとって出張・旅行前後に利用する家であり、サブオフィス的な場所でもあります。
池本さんは、将来は売却、もしくは人に貸すことも想定し、広さと立地から、DINKSターゲットの家ということを意識した上で、自分の思いを形にしていきました。
「いろいろな住まいのインタビューをしてきましたが、最近の家庭では、リビングで家族みんなが同じテレビ番組をみて、わーっと盛り上がるようなシーンって実はあまりなくて。それぞれが同じ空間の中にいながら、スマホやタブレットを使ってパーソナルな時間を過ごしてることが圧倒的に多いなと思ったんです。
だとしたらこれからの住まいは、どーんと広いリビングがあるよりも、家族それぞれにこじんまりとした自分用のリビングがあるという考えの方がいいんじゃないかと」
「寝室は囲われた空間で、2つのベッドをゆったり置きたいという希望がありました。ただ、そうすると、リビングを広くとることができなくなるので、そこには少し不安がありました。
でも、“ソロリビング”というテーマに辿り着いたことで、それぞれの居場所がこんな狭くていいのかな?という不安が払拭され、納得感も持って進めることできました」
トレンドを読み取り、「ソロリビング」というキャッチーなワードに落とし込むあたりが、さすがSUUMO編集長!「自らの体験もすべて発信する情報のネタになっている」と笑う池本さんに、編集者魂を感じました。
こうしてできた池本さんの家は、居場所を点在させることで複数人が同時に思い思いの時間を過ごせるように。
家族が同時にオンライン会議・授業をしても、気を遣わずこもれる場所がある。昨今の家族の課題を解決してくれるプランになっています。
家具で居場所の性質を決める
床・壁・天井の仕上げから、建具や照明器具、ハンガーパイプなどのパーツまで、厳選した素材による内装をパッケージ化している「ASSY」。ラワンの木質とラフな躯体コンクリート現しをキーマテリアルに、素材感があって長く使えるものをセットアップしています。
今回の池本邸は、床はオークの無垢材、天井と壁は白塗装ですっきり仕上げ、建具や棚板にラワンの木を使いました。
「素材感を大切にした空間にしたい」という想いも、「ASSY」を選んだ理由のひとつだったという池本さん。「この空間に、フェイク素材は似合わない」と、仲の良い家具職人に相談して、古い家具をリメイクするなど素材感を大切にして空間の雰囲気を整えていきました。
その場所ごとの過ごし方を決める家具のサイズ感も今回は大事なポイントに。
ごはんを食べる時や、打ち合わせをする時に使いやすいように、ダイニングテーブルは大きめサイズをオーダー。
「ソロリビング」のテーマに従い、2〜3人掛けのソファと大きなテレビは置かず、ゆったり座れる一人掛けのソファを分散して配置しました。
ダイニングに続く窓辺の土間コーナーは、緑に囲まれたリラックススペース。食後にくつろぎながら、ダイニングにいる人と会話をするのにも適した距離感です。ここには、電動のリクライニングチェアを。
ダイニングから死角になった3畳ほどの細長いコーナーは、池本さんお気に入りの一人掛けソファを置いたおこもりスペース。考えごとをしたり、ゆっくり本を読む時には、この場所にいることが多いのだとか。
私も取材時に座らせてもらいましたが、本当にちょうどよいおこもり感で、日当たりも抜群。窓の外にはレインボーブリッジが見える眺望も魅力的で、とっておきのスペースでした。
カウンターデスクを各所に設けて仕事ができる場所を分散
こちらは、玄関横に設けられたユーティリティスペースに続く通路。
お向かいにあるトイレの扉、廊下の飾り棚も、「ASSY」のキー素材の一つ、「ラワン」で仕上げられています。
ユーティリティースペースは、カウンターデスクを設けて、こもって仕事ができる場所に。
象徴的なこのアーチ型の入口は扉なしのオープンな形ですが、リビングと廊下を仕切る扉があるので、リビング側へ音が漏れることを防ぐことができます。
アーチ型のデザインはオプションです。ここをアーチ型にすることは、設計側からの提案。元々は他より床が一段上がって、在来工法のバスルームがあった場所。集中できるデスクスペースになりそうだけど、入口の高さは取れず、くぐって入るような感じになってしまう……だったら、それを逆手にとってアーチ型にしたらいいんじゃないか!という経緯だったそう。
「提案されて、つい採用しちゃった(笑)。やってみて思ったけど、曲線を一ヶ所取りいれるだけで、通常のマンションにまったくないデザインになるんですよね。新築マンションのオプションでもこれはない。リノベならではだと思います」
現場を進める中で出てくる問題をうまくアイデアで解決していくのが、リノベーションならではの醍醐味ですね。アーチ型の開口にするのはもちろん手間がかかりますが、大量生産、効率重視とは逆行する、職人さんの手仕事が感じられる要素でもあります。景色もドラマティックに切り取られ、いい雰囲気でした。
池本さんは、仕事や勉強で家族の生活時間がバラバラになっても快適に休めるよう、寝室はベッドを2台置き、通路幅もきちんと取ることにこだわりました。ここは天井をラワン貼りにして、落ち着いた雰囲気に。
ベッドの脇には、カウンターデスクを取り付けました。ミラーを置けばドレッサーになり、PCを広げれば、書斎代わりにもなります。
最後に水回りのご紹介。
ユニットバス、洗面台、洗濯機置き場を一ヶ所にまとめました。水回りも「ASSY」のデザインテイストを統一したつくりになっています。
「ASSY」の特徴の一つが、面積に応じた定額制ながら自由設計で好きな間取りがつくれること。44.7㎡という広さの中に池本さんの要望を詰め込んだ、「ソロリビング」が特徴的な空間が出来上がっていました。使っている素材など、要素は「ASSY」ならではなのに、出来上がった空間に住まい手の個性が現れてくるのが魅力ですね。
後編コラム「限られた時間、決められた仕様。だから、自分の理想を詰め込めた」では、池本邸の家づくり過程をレポート。不動産ポータルサイトの編集長はどうやって物件を選んだのか、「3回」の打ち合わせでどのようにプランニングを進めていったのかをお届けします。
YouTubeトークライブ「パッケージリノベーションを深堀り」
ASSYには標準仕様以外にオプションで選べるアイテムもあるため詳細はお問い合わせください。
ASSYでリノベーションした他の家についてもコラムで紹介しています。是非のぞいてみてください。
ASSYの仕様や詳細をご覧になりたい方はASSYの特設ページや、カタログをご覧ください。カタログは無料で請求が可能です。
フルリノベーションではなく、部分的にASSYを取り入れたいというご相談も受けつけております。部分リフォームを検討している方もお問い合わせください。