脱・既製品!
雰囲気のある築古物件。
時間の経過を感じさせる、その独特な雰囲気を作り出している要素として、好きな人も多い素材の一つが、鉄・スチールではないでしょうか。
例えば、窓のスチールサッシ。武骨で、線の細い、その静かなるたたずまい。ぐっときます。ただ、「軽い、安い、性能いい」という観点から、日本では昭和40年代以降につくられる物件のほとんどがアルミのサッシ。床に古材を貼ったり、いくら、リノベして室内の雰囲気をよくしても、窓だけはいじれないから……、とあきらめてしまってはいませんか?
ドイツから輸入されてきたこの塗料。
ヨーロッパでは、ロートアイアンと呼ばれる鍛鉄した、オリジナルな装飾を施した門扉などが有名ですが、この塗料はもともとそうしたロートアイアンの、補修用の塗料なのです。鉄はもちろん、アルミ、木、プラスチックにも使用できます。
サッシ以外にも、玄関扉ポストや門扉、テーブル脚など、既製品でなかなか特徴をだしずらいアイテムたちに一味プラスしてみてはどうでしょう。屋外用塗料なので、直接雨のかかる外部空間にもOKです。
「自分で塗る」という方の事前確認
まず、最初にお断りを。
この塗料、一般的な水性塗料よりは扱いづらいラッカー系の特殊な塗料で、ニオイはかなりきつめです。それでもセルフでトライしたいという方。この先をお読みください。
また、分譲マンションにお住まいの方、外部に面した玄関扉や窓サッシの内側は、ご自分の資産区分であれば、塗ってOK。ただし、物件によって管理規約が異なります。まずはご確認の上、施工してください。
気合いをいれて塗ってみました
塗るための準備。塗る面をきれいにして、塗る必要のないところやはみだしそうなところなどはマスキングテープなどでカバーします。垂直面に塗る時は、塗料が垂れることがあるので床も養生します。軍手などして肌につかないようにしましょう。
塗料は、かなりドロッとしています。専用のうすめ液(ラッカーシンナー)で、塗りやすい濃度に薄めて使います。
刷毛は、コシのある豚毛がお勧め。窓サッシなどの細さなら、幅4cm程度、扉など面が広い場合は、幅7.5cmくらいのものがいいでしょう。下地塗りは必要ありません。アルミサッシなど、直接塗ってOK。2度塗りで完成です。
一度目の塗りは薄めにいきましょう。少しくらい下地が見えても気にしないくらいで。ただし、塗る前に、刷毛についたネタ(塗料)をしごきすぎないよう注意しましょう。初めての方は、塗る前に、ついつい、缶の縁で何度も刷毛をしごいてしまいがちですが、ボテッと塗る面に載せてのばすくらいでいいそうです。
しっかりと乾いてから二度塗りして乾けば完成です。しっかり乾かないうちに二度塗りをすると、表面は乾いても中が数週間たっても乾かず、上にモノを載せると、跡がついてしまった等の失敗談も寄せられていますので、十分お気をつけください。
プロの塗装職人さんでもはじめはとまどうほど扱いづらい塗料です。必ず薄く薄く塗り重ねることを意識しましょう。
お好みに応じて、仕上げに#150~240の細かいやすりで表面を軽くやすり掛けしてみてください。表面がなめらかになり、手触りがよくなります。また、ブラックの場合のみうっすらとキラキラした凹凸が出てきます。
上級編としては、刷毛をあえて、素材に垂直にして、軽くたたくようにボテボテ厚みとムラが出るように塗り、上記のようにやすり掛けをしてみましょう。より凹凸が目立ち、味のある風合いがでます。また、色を混ぜてオリジナルの色をつくることも可能です。
施工記事もありますので、そちらも参考にチャレンジしてみてください。