木部用オイルの定番、英国生まれの赤い缶
プロからDIYユーザーまで幅広い層に支持されている、赤い缶が目印のワトコオイル。
木材表面に被膜をつくらず、木の内部へとオイルが浸透。木本来の木目や質感を保ちながら好みの色味に変化させることができる、植物油ベースの木部用オイルです。
無塗装のフローリングや建具などの仕上げにはもちろんのこと、ツーバイ材、ラワンやシナの合板も、オイル塗装のひと手間を加えると、見栄えがグッと変わります。
混色のススメ
ワトコオイルは、異なる色同士を混ぜて簡単にオリジナルカラーをつくれるのが魅力のひとつ。
toolboxスタッフの間で人気なのは、私たちが勝手に「ラワン色」と呼んでいる「ミディアムウォルナット」と「チェリー」を1対1で混ぜたカラー。
使い方によって、大人っぽくも、レトロな雰囲気にもなる赤茶のラワンのイメージです。赤茶のラワンは、コンクリート躯体、スチールの金物や古家具との相性もよいアイテムですが、最近は、白ラワンと呼ばれている白っぽいラワン材しか手に入らないことも多いので、そんな時は、この配合で着色しています。
ちなみに、元のラワン色に合わせて目視で「マホガニー」を足していくのが、手間はかかるけど一番ラワン色らしくなる! という人もいたり。とにかく正解はありません。色々トライして、皆さんのおすすめの混色レシピが公開されていくと面白いなと思ってます。
最初から異なるオイルを混ぜて塗る方法もありますが、一度塗りと二度塗りで使うカラーを変えて、色の重なりによって複雑な色をつくり出すこともできます。
最初に塗った色の方が木に染み込みやすいので、強く出したいカラーを最初に塗るのがおすすめ。難しく考えすぎず、水彩絵の具のような感覚で、様子を見ながら手を加えましょう。
「ナチュラル」は、濃すぎた時の薄め役
色味は変えずクリアの保護材として使うイメージの強い「ナチュラル」を薄める色として使うのも面白いのでぜひお試しを。
絵の具を使う時、そのままだと色が濃すぎる場合は、水で薄めますよね。それと同じで、「水」の役割を「ナチュラル」が担ってくれるんです。
例えば『ラスオークフローリング』や『黒木フローリング』のような、表面を粗めに仕上げている材はオイルが染み込みやすく、色が強く出やすい。そんな時は「ナチュラル」で薄めるテクニックを覚えておけば安心です。
「塗る」だけじゃない
塗り方は、刷毛でスーッと塗る感じ。
しばらく放置した後、木に染み込みきらず表面に残ったオイルを、ウエス(着なくなった綿のTシャツとかがおすすめ)で、木に刷り込むように拭き取っていきます。
ワトコオイルでの塗装の仕方は、下記のコラムでもご紹介しています。
そして、ワンランク上の仕上がりを求める、こだわり派の方におすすめしたいのが「ウェット研磨」。
二度塗り後の表面のオイルが乾ききる前の濡れた状態で、耐水サンドペーパーで研磨します。すると、木肌が整えられながら、細かい部分にもオイルが入り込み、しっとりすべすべの仕上がりに。このひと手間が、塗装した木材を愛着のあるものに変えてくれます。手すりや天板など、常に手に触れる部分におすすめです。
オイルを塗装した後の木材は、長く使っていく中で自然にオイルが抜けていきます。「少し表面がかさかさしてきたな」と思ったら、ウエスにオイルを染み込ませて拭きあげるメインテナンスをしてあげてください。
ワトコオイルにはUVカット剤が入っていないので、日焼けによる褪色もあります。でもそれは、木本来の経年変化を楽しんでもらうため。
再びオイルでメンテナンスすればまた色が戻るので、自分なりの味わいを追求できます。
7色のカラーバリエーション
ワトコオイルのカラー名は、実際にある木の色味が由来になっています。とはいえ、塗る材によって仕上がりの色味は変わってきます。
全7色。塗る材によって色味は異なります。参考にご覧ください
カラー名は参考程度に留め、本番塗りの前に塗る材の端材や目立たない箇所などに塗って、色味を確認してみることをおすすめします。
同じ木材や樹種を使っても、そこは木という自然のもの。イメージしていたものと違ったり、木材の色味が揃っていなかったりすることもあります。そんな時も、木材の色味を整えることができるワトコオイルは強い味方。
理想の木の色は、自分で叶えることができる。
ワトコオイルで、自分だけの色を極めてみませんか?