自分だけのディスプレイを極める
リビングやオフィスの壁一面を好きなもので飾り立てて、毎日愛でたい。お気に入りの本や雑貨、コレクションしている古いカメラに、グリーンたち。
絵になるディスプレイを成立させるための条件は、飾るものを引き立てつつ、物を置かない余白の部分も美しい、空間に圧迫感を与えない。それでいて、棚自体がカッコイイものであること。
そんな条件を満たす棚を考えて、質感にこだわって素材を探し、飾るものに合わせてカスタマイズできる機能性を追求した、オリジナルの可動棚パーツが完成しました。
棚柱パーツを壁に取り付けて、そこに棚受けパーツをセット。好きな棚板を取り付ければ、自分だけのディスプレイシェルフの出来上がり。
置き家具では得られない壁付けならではの足元の軽やかさ、そして側板のない構成は空間をすっきりと見せ、広がりをもたらします。
壁全体を使って、自分らしさを自由にディスプレイしませんか。
「生地の鉄」の表情に惚れる
控えめな鈍い光沢感。少しムラがあるグレーの渋い表情。
素材探しの旅の過程で出会ったのは、「サンセン材」と呼ばれる鉄材。メッキや塗装がのりやすくなるように酸で洗った、生地の状態の鉄でした。
よく思い浮かぶ黒い鉄(黒皮鉄)の被膜を落としたものです。
サンセン材は、そのままの姿で表舞台に出てくることがほとんどない素材。見慣れていたはずの鉄に、まだ知らない、こんな表情があったなんて。ステンレスと黒皮鉄のちょうど中間のようなこのサンセン材の表情に、すっかり魅了されてしまったのです。
棚板との組み合わせ次第で、きれいめシックな仕上がりにも、インダストリアルな雰囲気にも馴染みそうなサンセン材の振り幅の広さも魅力でした。
錆対策として、その質感を失わないレベルの艶なしクリア塗装を表面に施し、この新しい鉄で棚づくりをすることになりました。
素材を活かすカタチを求めて
ブラケットは、その素材感を生かす形状にこだわりました。
細い長方形の「レクタ」、直角三角形のように先端にかけて細くした「テーパー」、240mmの高さで棚を縦に仕切る「スクエア」の3種類は、どれも厚さ3mmの鉄板から切り出したままのような佇まいです。
棚柱ツールに引っ掛ける箇所や棚板と固定するためのビス穴の部分も、溶接ではなく曲げ加工することで成型し、「板」感を残しています。
サンセン材の質感を面として見せながら、棚を側面から見たときのバランスも考えました。
「レクタ」は、強度をしっかりと保てる美しいバランスを求め、高さ43mmというプロポーションに行きつきました。「テーパー」は、そこから先端に向け高さ10mmまで細くし、さらにすっきりと。
正面から見たときは、奥に細い棚柱が見えるのみ。その存在を主張することなく、棚板とそこに飾るものを引き立てます。
側面から見たときは、棚受けツールの連続美が空間のアクセントになります。
棚板や壁との組み合わせを楽しむ
組み合わせる棚板の素材によって、いろいろな表情をつくり出せることもこのウォールディスプレイパーツの魅力。
『足場板』を組み合わせれば、ラフでワイルドな仕上がり。ラワン合板と組み合わせれば、ちょっと落ち着いた大人っぽい雰囲気に。シナ合板や『フリーカット集成材』『フリーカット無垢材』などの、明るい色味の棚板と合わせれば、ナチュラルでさわやかな印象に。
真っ白な白ポリ合板を合わせても良いし、あえて木口現しにして木の色を見せてみると、シンプルながらやわらかな印象に仕上げることができます。
棚の背景となる壁面の素材や色によっても、印象が変わります。『ベンジャミンムーアペイント』でアクセントカラーをつけたり、コンクリートの躯体につけても絵になります。
飾り方に合わせて棚板は入れ替え自在
棚柱となるレールは、シングルとダブルをご用意しています。
長さは、900mm(シングルのみ)、1200mm、1820mm。
25mmピッチでブラケットのフックを引っ掛けるための穴が空いており、好きな高さに棚板を取り付けることが可能。オプションでカットオーダーも受け付けています。
「レクタ」「テーパー」は、奥行き150mmと250mmの2サイズ。置きたいものに合わせてお選びください。「スクエア」は奥行き250mm、高さ240mmの1サイズ展開です。
下の段の棚は奥行き深め、上の段の棚は奥行き浅め、というふうに、2サイズのブラケットを組み合わせて使うのもおすすめ。
空間に奥行きが生まれ、どこの棚に何を置くかというルールも自然に決まりやすくなります。
レールは、壁にビスで取り付けて固定します。棚板にはブラケットをビスで固定して、ブラケットの凸型になった部分をレールの穴にはめればセット完了。
電動工具を用いてDIYでレールを取り付ける場合は、水平、垂直をきちんととって、下地にビスを打って固定してください。
棚板の高さを簡単に変えることができるので、置きたいものに合わせてアレンジしたり、棚板の素材を変えて模様替え、なんて楽しみ方も。
こだわりを詰め込んだ「マイウォール」で、暮らしに「見せ場」をつくってみませんか。