開けることで空間が一体となり閉めると繋がりながらも遮断される。(撮影:HATTA)

木製ガラス引戸がつなぐ生活

日本家屋でよく見る木製のガラス引戸。アルミサッシが一般的な現代だからこそ、より魅力的に感じますね。

これを、室内の間仕切りや収納扉として使ってみてはどうか?そんな発想を元にリノベーションしたのが、1枚目の写真のKさんご夫妻のお宅でした。

家を真っ二つに分けていた壁を取払い、そこに9枚の木製ガラス引戸を設置。部屋同士を分けるだけでなく、つかず離れずの距離を作り出す仕切りになったり、開き方ひとつで全体の間取りが変わる動く壁として、家の中に様々なシーンがあらわれました。

あっちでは仕事をしていて、こっちでは食事をしている。お互いの姿が見えるけれど、目には見えない音や匂いは仕切る。同じ空間にいることを感じながら、お互いの時間を過ごす。

1つの部屋に集まっているときでも、照明や冷暖房は無駄なく空間の広がりはそのままに。左右の部屋同士をつなげる、新しいこの家の顔が生まれました。

端正なディテール。フレームの細さが美しい。

日本の家との深い関係

昔から、日本の住宅では引戸が多用されてきました。逆にヨーロッパでは引戸が使われることは少なく、開き戸や回転扉が主流でした。それは自然に対する意識の違い、または日本が島国のため防衛の意識が希薄で、ヨーロッパでは防衛上最も適した内開きの開口が広まった等、色々な理由がありますが、広くない家の中でも、開け閉めするための面積を取らない引戸は、非常に効率的だったため広く普及しました。

引戸は少しだけ開けて風を通したり、全開にして外にある庭や自然と一体になったり、開き加減で色々な出来事を作り出せる、とても優れた建具です。

そんな引戸の素晴らしさを改めて見直して、現代の私たちの暮らしに合わせた、室内用の木製ガラス引戸をつくりました。

奥は打ち合わせスペース。空間は広く見せながら音を遮る。

カスタマイズできる建具

素材にはホワイトアッシュの無垢材を使い、しっかりとした仕上がりになっています。

木枠の寸法は、45×45角で一般的な木製建具よりも、シャープで独特の存在感があります。サイズはオーダーが可能で、引き戸1本あたりの幅×高さが1.8平米未満とそれ以上の2種類の価格になります。また、ガラスが上下2枚入っていますが、収納用扉など見せたくない場所に使う場合のために、シナ合板やチェッカーガラスに変更することができます。

サイズや組み合わせで、自分好みの建具に仕上げてみてください。

設置には枠の形状を建具に合わせる必要があります。既存の枠には適合しませんので、新築中・リノベーション中のかたにお勧めです。

上部はシナ合板。下部はチェッカーガラス。仕切り具合をコントロールすることができます。(撮影:HATTA)

洗濯機もキッチンの冷蔵庫もパントリーもすっぽり「収納」。(写真提供:株式会社シームレス/撮影:akihideMISHIMA)

開発パートナー:Camp Design inc. 藤田雄介

木製ガラス引き戸の全1商品

担当:荒川
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