ごちゃごちゃ詰め込んでなお、様になる
本にしても服にしても、物というのはどうしてこうも溢れ出るのでしょう。
Tシャツを押し込んだ引出しははみ出て閉まらないし、本はいろんなとこに平積みされてるし、テレビのまわりはお土産やらDVDやらで無法地帯と化している。やむなく、衣装ケースと本棚を買ってみるも気付けばいろんな箱が部屋中に転がっている。
はい、正直片付けは苦手です。
ところがこちらの壁はなかなかの優れものです。棚がカチャッとワンタッチで付け替え可能なので、入れたいものの高さに合わせて好きにアレンジできるのです。で、不思議なことに溢れ出たものをとにかく何 でもドカドカと詰め込んでいっただけなんですが、なんだか素敵なんです。自分のなんでもない物たちが自慢のコレクションに見えてくる。
型くずれが心配な帽子は、一番高いところに並べておく。脱ぎ捨てた上着はとりあえず掛けておく。タンスから溢れた服は布で隠しておく。テレビもオーディオもはみ出させない。そのうち読まなきゃいけない本は一番目立つところに飾るように。
これ、棚の高さを変えられることで、物それぞれにちゃんと居場所を決めてあげれるからなんだと思います。逆に言うと物の定位置が決まることで、きちっと整理もしたくなる。ぴたっと納まっていくから、読みかけの本を適当に置いても、様になってしまうんです。
スタンドプレー
とにかくシンプルにつくったせいか、こんな使い方も思いついてしまいました。
僕も実践しているのですが、ノートPCって部屋の中で場所が定まらないものだと思いませんか。テーブルの上だと場所をとりすぎるけど、リビングにはいてほしい。オーディオの操作とか、メールチェック、 ちょっと検索程度なら、棚に置いたままスタンドプレーをしてみましょう。あと、ちょっとしたアイロンも面倒じゃないですか。まず、たまにしか使わないのに アイロンをさがすのが面倒です。なんでも納まるこの棚にとりあえず置いておいて、ちょっとしたものならこの上でアイロンがけしてしまいしょう。立ったまま のスタンドプレーおすすめです。
色壁の仕業
ある程度の重量に耐えられる棚にするには、下地の補強が必要なんですが、実はこの色のついた壁がミソ。この壁板が補強下地合板を隠してくれています。さらにレールも壁の面と合わせてピタッと納まっている。おかげで棚の奥に隙間ができません。
と、 ここまではディテールののこだわりの中でデザインされていたことなんですが、出来上がってみて気付いたのは、実は色があるおかげで、ごちゃごちゃと置 かれたものたちにまとまりが出るということなんです。棚が動くから物がぴったり納まるのですが、壁に色があることで収納ゾーンをつくってくれて、どんな物達も一つにまとめあげてくれている。隠れたところで、この色壁はなかなか良い脇役っぷりをしているのです。
開発パートナー:ANGULO 石岡鉄平
(開発担当:荒川)