新年あけましておめでとうございます。
昨年は、「ものづくりへの思い」を継承する商品をお届けできた一年でした。
惜しまれつつ廃盤となっていた「工業系レセップ」などの人気商品の復刻、建築家のアイデアを商品化するSPIN-OFFプロジェクト第1弾として「天井スリットファン」の発売が実現しました。
また、東京・目白のショールームは5周年。大阪・中津のショールームは1周年を迎えることができました。その2拠点を中心にリアルにみなさまと繋がれるイベントにも挑戦。色々な出会いがありました。
改めてこの一年を駆け足で振り返りつつ、最後に今年の「妄想の道具」を発表します。しばしおつきあいください。
ものづくりを通した「思いの継承」
2024年に発売した新商品最大の目玉は、なんといっても、惜しまれながら事業撤退された、笠松電機製作所の照明たちの復刻版のリリースが出来たこと。笠松電機製作所は、主に工場用照明を手がけていた1917年創業の東大阪の町工場。その無骨でどこか懐かしい雰囲気も感じられる照明たちは、唯一無二の存在でした。2月に第1弾として「工業系レセップ」を復刻。12月に「レトロブラケットライト」「ボールアームライト」「ガラスボール照明」「レトロペンダントライト」と、人気の4種類を復刻することが出来ました。
復刻に当たっては、オリジナルの商品のファンだったプロ、一般の皆様からも多くの声を寄せていただき、笠松電機の関係者の皆様にもその思いを届けることができました。開発の過程を含め、創業100年を越す笠松電機さんの偉大さを改めて痛感するとともに、この名作たちを世の中に継承することが出来たことは、我々にとっても、大きなステップとなりました。
また、SPIN-OFFプロジェクト第1弾として、建築家のアイデアをより多くのみなさまに届けたいと、大阪を拠点に活躍する設計事務所ホリベアソシエイツと共同開発した「天井スリットファン」をリリース。その斬新なアイデアは、プロの皆様を中心にSNSでも反響が大きく、さっそく、面白く家に取り込んでくださった事例写真が届きはじめています。
理想の家づくりを叶えるために、これからも、みなさまがワクワクするような商品をお届けしていきたい。製作に携わってくださる開発パートナー、製造元のみなさん、ものづくりのプロフェッショナルたちの思いをもっともっとお届けしていきたいと思っています。
イベントを通し、新しい出会いも沢山ありました
リアルなイベントでも新しいチャレンジが続きました。大阪ショールームでは、夏にsuicaのペンギンでおなじみ、さかざきちはるさんの、ぺンギンアパートメント大阪『鳥たちと小さなアート展』を開催。
ショールーム内に約1ヶ月の間、100羽の鳥たちの小さなアートを飾り、お客様をお迎えしました。
はじめてショールームを訪れる、さかざきさんのファンの方はもちろんのこと、ショールームに商品を見に来たお客様も偶然のアートとの出会いを楽しんでくださり、嬉しい化学反応が起きる瞬間を何度も見ることができ、新しい可能性を感じられました。
また、7月に大阪ショールームで行った「リノベご縁日」というイベントでは、大阪のリノベ会社のみなさまとともに、縁日のように楽しみながら自分に相性のよい家づくりのパートナー探しを体験するイベントを開催。プロの皆さんのそれぞれの得意なところをご紹介したりと、プロと一般のお客さま、双方にご利用いただく、toolboxだから出来るイベントとなりました。この企画は今年も継続して続けていく予定ですので、お楽しみに!
各地でお会いできた皆様も、ありがとうございました。
各地でのイベントの思い出
東京ビックサイトでの「リフォーム産業フェア2024」
香港の「HOW Furniture」にてポップアップストア
目白ショールーム地下でタイルワークショップ
高岡での「クラフトフェア ツギノテ」
目白のお店があつまった「MY FAVORITE PLACE MEJIRO」
大阪ショールーム1周年。東京と同時開催の周年イベントでした。
広島CITY SCAPE「猫屋町ビルヂング」にて公開DIY
「ReMAKE」な取り組み、評価いただきました
ちょうど一年前に、新しい取り組みスタートのお知らせをした、ツールボックス工事班による、実験プロジェクト「studyroom #1」も無事完成。「ReMake(再構築)」をテーマに、フルスケルトンからのリノベーションありきでなく、既存の内装を素材と見立て、極力壊さずに、2次的に手を加えることで空間の質を変えるチャレンジを行いました。テーマに共感し、ともにアイデアを出し合い、数々のトライアルを行ってくれた職人さんとの、その試行錯誤の全プロセスを「工事班の現場通信」として全10編の連載にまとめ、発信してきました。
新建築社が発行する「住宅特集」2024年6月号で取り上げていただいたり、12月末に開催されたリノベーション協議会が開催する「リノベーショノ・オブ・ザ・イヤー2024」では、なんと総合グランプリに選んでいただきました。
各メディアの編集長が名を連ねる審査員の方たちに、その年を代表する作品に送られる賞として、「ReMAKE」の取り組みを選んでいただいたのは、循環型社会を目指すサーキュラー・エコノミーの考え方に呼応した点や、業界の未来への希望と期待の現れだと受け止めています。
「フローリングを塗装でリメイクしてみた」のアイデアは、さっそくスタッフの家づくりでも再現されています。やんちゃ盛りな1歳男児のいるお家。気になる剥がれ具合の経過報告など、また追っていけたらと思っています。
不動産価格も建設費も高騰し続け、何事も効率化やコスパが重視される世の中ではありますが、2025年も、アイデアや技を駆使して、理想の家づくりを楽しんでいきましょう。
今年の「妄想の道具」は、効率化ではない小さな幸せ
思いが溢れすぎ、長くなりましたが、お待たせしました!
新年の書き初めならぬ、妄想始め。2025年の「妄想の道具」を発表します。
toolboxスタッフが全員参加で行う、自分が欲しい道具を妄想して発表しあう企画から生まれた「妄想の道具」第6弾が、こちらです!
妄想の道具#6 コモレビアンブレラ
ギラギラ眩しい太陽光を一変させる、木漏れ日発生装置。陽の光を遮るつもりが、気づけば光に包まれる心地よい空間が広がっていた。そうか、私たちに足りていないのは木漏れ日だったのだ…。
今年のtoolboxカタログ2024-2025の表紙で描いた、砂漠の世界の延長にあるようなビル群の上でくるくる回る「コモレビアンブレラ」。カタログと同じく、舞木和哉さんが我々の妄想を描いてくれました。
冬に入っても温暖化の影響を感じずにはいられない昨今ですが、一年を通し、その日の太陽高度に応じて、自動で傘が開き、一定時間くるくる回って木漏れ日を届けてくれます。
日常の中のあらゆるシーンで、いかに合理的に課題を解決するかの思考になりがちですが、物理的に暑さをどう緩和するかよりも、単純に「木漏れ日、気持ちいいな」と思えるような道具に行き着くのが、我々toolboxっぽいなぁと。ここ数年の妄想の道具は、現場での困り事の解決、ドローン的なアイデアが続いたのですが、ローテクな方向に戻ってきました。こんなアンブレラ付きのビルなら、ご近所の方も、ほほ笑ましく受け止めてくれそうです。
ディベロッパーの皆様、共同開発のお誘いお待ちしております(笑)。
今年は、新しい発信にもトライしたいと思っています
2020年にオープンしたtoolboxのWEBサイトも、2025年10月で15年目を迎えます。新商品やアイデアの発信に加え、今年は私たちtoolboxの中の人のことを知ってもらう機会も増やしていけたらなと構想中です。
全国各地の方と繋がれるオンラインの良さと、直接リアルで会って話せるショールームやイベントの良さ。どちらも大事にしながら、モノをつくり、空間でカタチにしていく人、それを使って暮らす人、双方で共創していく理想の家づくりを応援していけたらと思っています。本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。