子どもに個室をつくる部分リフォームプロジェクト開始!
我が家は、今から5年前、2019年に祖父から受け継いだ3LDKの中古マンションをフルリノベーションしました。夫婦と子ども2人の4人家族で、フルリノベーションをしたのは、兄が6歳、妹が1歳のとき。
間取りは2LDK。個室は一つを子ども部屋、もう一つを夫婦の寝室として使っています。子どもたちが小さいうちは少しでもリビングを広く使いたいと思い、リビングを広めにとって小上がりをつくりました。
小上がりは畳にして、お昼寝したり、遊んだり。娘が歩き始めた頃だったので、掴まり歩きをしていたのも、この小上がりでした。他にも季節のイベントや誕生日のフォトスポットになったりと、畳がある暮らしは心地よく、思い出がたっぷり詰まっています。
畳の下は収納になっていて、この収納力には正直かなり助けられていました。
住み始めてから5年。これまで兄妹で子ども部屋を共有していましたが、息子は小学校高学年に、娘も入学を控えたので、小上がりを撤去し、娘の個室をつくることを決めました。
憧れと現実。悩みに悩んだリフォーム計画
フルリノベーションをしたときから、いずれそれぞれに個室を用意したいと考えていたので、当時の設計の方に相談して、壁を立てられるように小上がり周りの天井に下地を入れてもらっていました。
当初考えていたのは、ガラスの扉でパーテーションをつくること。おしゃれで憧れていたのですが、現実的に考えると、我が家の暮らしには合わないかもしれない……と思うように。
散らかった部屋が丸見えになるとストレスを感じそう……。私は常に中を綺麗に維持できるのか?扉で仕切ってしまうと家具が配置しづらいのでは……と不安要素が次々と出てきます。
娘の部屋にするので、ある程度のプライバシーは確保したいけれど、空気は篭らないようにしたい。いろんなアイデアが出ては不安になり、悩みに悩みました。
結論、やはり、壁を作った方がプライバシーは確保できるし、家具も置きやすく片付けに神経質にならなくて良い。でも壁を立てる上で心配だったのは、部屋の通気性。そして、小上がりがなくなることで収納がかなり減ることも不安でした。
そこで選択肢として出てきたのが室内窓です。壁を立てつつも室内窓を設置して、入り口にドアをつけなければ、通気性を確保できそうだと思いつきました。壁の上部を開けてロフトにしたら、収納も確保できそうです。
室内窓を検討した際、今のインテリアに合う木製で、開閉できるものを探していて、サイズやイメージがぴったりだったのが、toolboxの『木製室内窓』でした。
ロフトを想定する前の段階のものですが、「木製室内窓」を中心にリフォームのイメージを膨らませていったのが、この図です。
妄想を元に、プロに相談
設計・施工会社は、toolboxのサイトで紹介している「pro list(プロリスト)」というページから、「部分リフォーム」を受けてくれるところを探し、「ツバメクリエイツ」さんに依頼することに。
ツバメクリエイツさんは過去にマンションにロフトをつくる事例も経験されていたので、安心感がありました。
現調にきていただくと、我が家は中古マンションにしては天井が少し高いようで、そのおかげで想定していたロフトも実現できるとのことで一安心。
先ほどのイメージをもとに、設計していただき、ロフトの耐久性などを考慮して、現在の片側の壁を天井までつける形になりました。
全体的な色や素材のトーンは、他の内装と合わせて決めていきました。「木製室内窓」は塗装もできるので、既存の建具やウッドブラインドと合うようにウォルナットのオイルで塗装してもらうことにしました。
住みながらのリフォーム、開始!
工期は約3週間。半年以上前に依頼して余裕をもって時期を相談していたということもあり、施工開始日は私たちの予定に合わせて決めていただけてとても助かりました。住みながらのリフォームがスタートします。
LDKの大部分のリフォームだったので、キッチンが使えなくなるのではと思っていましたが、職人さんたちが上手に養生をして空間を間仕切ってくれたので、工事中もキッチンを使うことができました。
他にも、子どもの送迎時間とずらして入室していただいたり、こちらの生活リズムを優先していただいたりと、ストレスなく過ごすことができました。
私はずっと在宅をしていて、「邪魔になっていないかな」と不安だったのですが、職人さんたちがすごく素敵な方たちでありがたかったです。
前回のフルリノベーションの時は、なかなか工事経過を見ることができなかったのですが、住みながらのリフォームでは毎日工事の過程を見られて楽しく過ごせました。
また、都度大工さんが細かい部分を相談してくれたので安心していられました。ロフトにつけたハシゴの一番上は、登る時に力を入れやすいように縦に設置したのですが、それも大工さんがその場で相談してくれて、一緒に話して決めたことです。
お休みを含めて工期は15日。工事自体は実質10日で完了しました!
ついに完成!娘の個室
できあがると、兄妹そろって秘密基地のような空間に大喜び!
実際に暮らしてみて、リビングのエアコンの風がよく入り、心配していた風通しはバッチリでした!
「木製室内窓」の木製ならではの温かみや、柔らかい雰囲気もお気に入りです。室内窓の向こうで遊んでいる娘を窓から覗いたり、娘も気づくとひょこっと顔を覗かせていて、程よい距離感が心地よいなと感じます。
娘は特に、自分の部屋ができてお友達を呼ぶのが嬉しくてしょうがないようで、兄の友達にまでお部屋を細かく案内をしたり、動画を撮ってルームツアーごっこをしたりしています。
小さい空間ですが、工夫して有孔ボードを設置したり、キッズベッドを買い足したりと、親子で部屋づくりを楽しんでいます。
いずれ夫婦の寝床としても使えるサイズにしてもらったので、娘が成長してもっとプライベートな空間で過ごしたいと感じたら、今の寝室と部屋を交換しても良いなと考えています。
わくわく!でも気をつけて。屋根裏的秘密基地
ロフトはまさに秘密基地のような空間に。ロフトが散らかっていても下からは気にならないので、ブロックなど散らかりやすいおもちゃやキーボードを置いてキッズスペースとして使っています。まずは子どもたちのスペースになるので、床材はコルクタイルにしました。
ロフトはそのうち物置きになってもいいと思っていますが、今は屋根裏部屋的空間を、わくわく空間として楽しんでいます。
一方、高さがあるので危ない使い方をすると大きな怪我につながることも。子ども達とは、事前に「必ず親が見ている時に、ゆっくりと上り下りすること」「手すりから体を出さないこと」「飛び降りたりしないこと」などを約束しました。せっかくつくったロフトで悲しいことが起きないよう、大切に使っていこう、と話をしています。
場所や役割を変えて
思い出の小上がりは泣く泣く撤去しましたが、畳は残してもらい、置き畳として今も我が家で使用しています。ラグを敷くより手入れが楽ですし、小上がりの思い出を残せたのもよかったです。
実は、最初にフルリノベーションをした時、小上がりの奥の押入れの建具がリビングに合っていないことを後悔していました。今回の部分リフォームで壁を立てたので、建具の色味が気にならなくなり、それも嬉しいポイントでした。
ちなみに、以前自分たちで小上がりの梁の部分に『アイアンハンガーパイプ』を設置していたのですが、今回の部分リフォームで出窓部分に移設してもらいました。よく陽が当たるので、小さなサンルームのような感覚で、洗濯物を干せる場所になりました。ブラインドをおろすと洗濯物が見えなくなるので、来客時も安心です。
壁を増やすという選択
壁を取っ払って広々暮らすリノベーション事例はたくさんあるけれど、あえて壁を増やしたり、ロフトにする計画は事例もかなり少なくて、今回の部分リフォームは勇気のいる決断でした。でも、小さな我が家にはこれが大正解だったなと思います。
小さな空間で気持ちよく暮らすには工夫が必要ですが、暮らしを豊かにするために少しずつ手を加えアップデートしていくのはとても楽しいです。子どもたちが成長し、夫婦も歳をとる中で不便ができたらまた手を加えて、家族といっしょに成長する家をつくっていきたいです。
「私、昔から“家”オタクでして……」と話してくださったaiさん。子どもの頃は新聞の折込チラシの住宅情報を眺めるのが好きで、小学校の卒業文集に間取り図まで描いたほどだそう。
そのことを聞いたとき、フルリノベをした時から下地を仕込んでいたり、子ども部屋を寝室としても使える広さにしていたりと、未来を見据えた計画には、家について考えることが好きということが大前提としてあったからだと非常に納得しました。
「小学校の時に文集に描いた間取り図は、私の夢の家。その時の想定より小さなお家に住んでいますが、今、自分のお家のことを考えるのが楽しくて仕方ありません。リフォームを通して手を加える中で、理想の、夢のお家をつくっているのかもしれません」とaiさん。
最初から理想通りの完璧な家でなくとも、少し先の生活を想像しながらその時にあった家にアップデートしていく。住んでからのリフォーム、アフターリフォームを繰り返していくことで、今の自分たちにとっての理想の家ができていくのだろうなと思いました。
これからもどんなふうに、手が加えられていくのか楽しみです!aiさん、ご家族の皆さん、ありがとうございました!
ツバメクリエイツ株式会社
東京・さいたまを中心にリノベーションの設計・施工を展開。『古くて新しい』をキーワードに、中古マンション・戸建住宅・ビルなどのリノベーションからインテリアコーディネート、オーダー家具までワンストップで対応しています。