コスモスイニシアとtoolboxが取り組んでいる企画型リノベーションマンションプロジェクトのご紹介です。
このプロジェクトの特徴は、住む人が自身の生活スタイルに合わせて間取りを調整できるということ。部屋に生活スタイルを合わせるのではなく、生活スタイルに部屋を合わせることができるという面白い試みです。
そんな空間をtoolboxのアイテムを使ってどうつくっていったのか、そのアイデアをご紹介します。
部屋を足すも足さぬも、自分次第
4作目の物件は、過去最大の80平米。
築45年、個性的なレリーフの外観を持つ14階建てのビンテージマンションの最上階です。
最上階だけあって、バルコニーからの眺望がすばらしい。この景色を存分に楽しめるよう、LDKはどーんと広い43平米。足を踏み入れた瞬間、開放感が広がります。
開放的なビューに面した横に長いLDKは、ダイニングスペース、ソファコーナーに加え、リビングと繋がったマルチスペースが設けられるようにしました。子供を遊ばせるスペースにしたり、書斎として使ったり、さまざまなことに広く使える場所として重宝しそう。
1LDKの間取りですが、この物件は購入後に間取りを変えることもできるので、「個室がもうひとつほしいな」と思ったら、このマルチスペースを仕切るように間仕切りをつくって、個室にしてしまうことも可能です。自分の好みに合わせて間取りを微調整できるんです。
見晴らしのいい、気持ちいいキッチン
キッチンは、バルコニー向きに設置。リビングから丸見えの配置になるので、空間の抜けを邪魔しない「フラットレンジフード」を採用しています。
街並みや青空を眺めながら、気持ちよく家事ができるキッチンが出来ました。
面材のシナ合板を透け感のあるグレーに塗装する仕様は、このプロジェクトのオリジナル。上品でありながら親しみやすい雰囲気がでるのが特長です。
窓際にはカウンターデスクを設置。朝食を食べるためのちょっとしたテーブルとして使ったり、子供の勉強机として使ったり、読書するなど趣味のスペースとして使ったり・・・・天板をキッチンの高さに合わせているので、カウンターまで含めキッチン感覚で広く使うことができるので、子供と一緒に楽しみながら料理をするのも良さそうです。
シンプルだけど心地よい、ちょうどいい空間
このプロジェクトの内装は、「主張しないけれども素材のあたたかさや使うほどに愛着の増すパーツで、誰にとっても心地よい空間」がコンセプト。
リビングの壁には「ウッドウォールパネル」で質感を。このパネル、天然木の木目の色をそのまま楽しむためにクリア塗装で仕上げることが多いのですが、今回はウッド感を抑えキッチンと同じ透明感のあるグレイッシュカラーで塗装しました。木目の温もりを生かしつつ、落ち着いた雰囲気に仕上げています。
床材に選んだのは、板幅の狭い55mm幅のフローリングです。ちなみに標準的なフローリングの幅は70〜90mm程度。幅の狭いフローリングを使うことでLDKの長さが強調され、より奥行きの広がりを感じられる空間に。
幅の広いフローリングのほうが木目の印象が出やすく好まれる傾向にありますが、幅狭のフローリングはクラシカルな雰囲気も出るので、使う場所や組み合わせ次第で、味がでてかっこよく仕上がります。
暮らしに愛着を生み出すtoolboxのパーツたち
寝室の収納に使ったのは、「アイアンハンガーパイプ」。鋳物塗装のマットな質感のパイプは、見せる収納にもってこいのアイテム。収納の一部をオープンにできるので、空間を広く見せることが出来ます。
「アイアンハンガーパイプ」は設置する場所によって形状が選べるので、空間を無駄なく使えます。今回使ったのは「水平T型タイプ」。
リビングのスイッチは「トグルスイッチ」。手しごとならではの質感とカチッという手応えがたまらない一品。工業的な風合いのスイッチですが、背景の上品なパネルにも違和感なく溶け込みます。
朝日が差し込む、木の天板がやさしい雰囲気の洗面には、レトロ感のある「ハニカムタイル」、「ラワンの洗面ミラー」という親しみやすいアイテムを合わせ「アメリカンスイッチ」、「ハンガーバー」というインダストリアルなパーツでアクセントを添えて。
上品な素材とラフなアイテムの関係でいうと、キッチンの天井もそう。清潔感ある内装で仕上げられた空間に、露出した排気ダクトが張り巡らされている様子がおもしろい。
さて、この部屋にどのような人が住み、どのような暮らしが作り上げられていくのか。
この部屋を作った私たち自身が「こんなふうに暮らしたい」「こんな感じに暮らせそう」と想像しながらつくった部屋。
この部屋に住む人が、同じように楽しみながら自分らしい住まいをつくっていってくれればいいなと願っています。