たくさんの方にお集まりいただきました。ありがとうございました。
去る11月6日都内で行われた「リノベーションEXPO JAPAN 2011」リノベーション学校の特別授業の1コマとして、toolboxセミナーを行いました。
馬場正尊モデレートの中、toolbox荒川、職人ゲスト2名をむかえ、当初40分予定の講座でしたが、時間を延長して普段きけない深い話しを聞くことができました。
建具がかわいい会場入口
今回のテーマは、「DIY」の中でも、はじめての方がトライしやすい「塗装」について。職人さんも、塗装を語るにふさわしい二名をお呼びしました。
「時を×(かける)塗装」の特殊塗装職人なかむらしゅうへいさん。普段は、建築家・デザイナーに依頼をうけ、商業空間などでオンリーワンの塗装仕上げの壁やプロダクトを作り上げる機会の多い方。R不動産リノベーションサービスの事例「あきらめない1Room賃貸の可能性」では、入居者が引き継いでいけるような新しい塗装のあり方を模索してくれています。
「DIY珪藻土」の開発者であるデッセンス山本和豊さんは、埼玉を拠点に活動し、オフィスの1Fでインテリアショップを運営。デザイナーでありながら、自分がつくりたい空間を施工してくれるところがなかったからと、施工も行うようになり、さらには塗りやすい珪藻土が欲しいと、なんと珪藻土の開発までしてしまったマルチプレイヤーです。
最初からクロス仕上げが施され、なかなか気軽に「この壁気分転換に塗装しちゃおう!」という具合になりずらい日本の住宅事情。今回はそんなゲストのおニ人に、クロスの上から出来るオススメ塗装サンプル用意してもらいました。トーク中は、会場のみなさんにもサンプルを回し、その質感を確かめてもらいながら、塗装についてのこだわりなど、事例を交えての話しを伺いました。
今回のために作ってきた塗装サンプルをもとに、説明中
トークの中で、特に印象に残った言葉を2つご紹介します。
一つめはしゅうへいさんの「素人の方が丁寧に何度も塗り重ねて出来た壁にはかなわない」という言葉。
プロの職人は、ある意味、効率良く短時間で一定のクオリティで仕上げていくのが仕事。でも、素人の方、自分の家に愛着を持ち、長い年月をかけ、丁寧に何度も何度も塗り重ねた壁には、ムラがあったり、多少色味が違ったりしても、全体として色に深み、奥行きも出てきて、それが一番いい表情をしているというもの。
また、もう一つは、山本さんの「自分が塗りやすいと思うもの(珪藻土)をつくった」という言葉。
ホームセンターにいっても、種類が無数にある珪藻土。あまりに種類がありすぎて、正直どれがいいのか選びポイントが分からない。けれど、いつも現場に立ち、いい表情の仕上がりを求めるデザイナーでもある人が開発してたものなのだから、これは間違いないだろうと安心して使えるのです。わたし自身、自分でも塗ってみたり、とあるご家族が自宅を施工する現場に立ち合いもしましたが、あの作業中のわくわくした高揚感・夢中になっていく感じは、経験した人でないと分からない楽しみです。
今回のセミナー中、一番多く出たキーワードは、「愛着がわく」という言葉だったのではないでしょうか。
自分の部屋に、自分で手を加える、またある部分は、職人さんに相談してつくってもらう、そうやって自分で編集して空間をつくっていくと、賃貸/分譲という形態に関わらず、自分の暮らす日常の場にどんどん愛着が増してくるんです。
toolboxでは、これからも、DIYできる商品はもちろん、職人さんたちとのコミュニケーションをとる窓口として、いろいろな商品・情報をお届けしていて、こうした楽しみをしる機会を増やしていこうと思います。お楽しみに!