自分の性格って、一言で表すならなんでしょうか?
実直、素直、頑張り屋、天邪鬼、怒りん坊…いろんなタイプがある中で、なかなか自己分析も難しいものですが、自分の空間を作るときに、どう進めていくのが向いているか、どんなことに居心地の良さを感じて何にストレスを感じるのか。知っておくのは大事なことの一つですよね。
でも、自分だけじゃない、一緒に住む家族のことはどこまで理解しているでしょう。
二人の凸と凹
今回お話を伺ったのは、世田谷区にある築47年の低層マンションに暮らす姉妹。
姉のヒロミさんはテキパキとした性格で、「インテリアとかには興味がなくて、家づくりではどっちかというとローンのこととか、そっちが得意でしたね」とサッパリと言います。
妹のヒロヨさんは、「人と同じものは嫌で」と自分の好きなものを物心ついた時から集めて飾り、インテリアに興味があったそう。ゆったりした話しぶりの中にも、お家づくり中に譲れなかったことをしっかりと語ってくださり、好きなものへの芯を感じます。
それぞれの興味や得意なことは反対なようですが、家づくりではこれがうまくハマったようです。
東京、姉妹暮らし
ご実家は東北地方のお二人、妹のヒロヨさんはお仕事の関係で20代の頃から東京で一人暮らしをしていました。
そこにお姉さんが加わったきっかけは、2011年の東日本大震災。ご両親からも地元での生活から切り替えてみてはと言われ、東京にいる妹さんを頼れば上京は難しくないだろうと一緒に住み始めました。
元々は今の物件があるのと同じエリアの賃貸戸建てに住んでいましたが、その物件の定期借家の期限もせまり、次の住処を探し始めます。
心が動いたら“即決”する
一人暮らし時代は、いろんな街に興味があって引っ越しも多かったという妹のヒロヨさん。インテリアや、物件を探すのも好きで、toolboxのグループサイトでもある「東京R不動産」のサイトも良く見ていたそうです。
ヒロミさん:
「物件探しに関しては、妹が選んだ物件なら間違いないかなって思っていました。私は東京に来てからこの辺にしか住んだことがなくて、エリアも広げると目移りして決められないでしょ?」
と、物件探しは引っ越し経験の多い妹さんに委ね、ご自身はお金周りのジャッジを担当。物件探しは賃貸含め良い物件ありきで探していましたが、お二人は年齢的にも購入することも考えて探し始めます。
そして、R不動産のサイトでこの物件に出会います。
ヒロヨさん:
「外階段から駐車場に抜ける視界の開口がアーチになっていたり、低層住宅地域だったことから窓からの景色が良くて、この先もこの見通しの良さがあると聞けたのもポイントです」
そしてR不動産の担当者から、ビビっときたら「中古は即決した方がいい」と言われ、心が動きました。
それぞれから見た、パッケージリノベーション
物件を購入する際に、そのままでも住めそうではあったけれど、床の微妙な段差を無くしたい箇所がいくつかありました。それを実現しようとすると、床全体を上げる必要があるので、いっその事フルリノベーションで更新してしまうのが良いかもしれないと思ったそうなのですが、この時点では一体いくらかかるのか検討もついていなかったそうです。
もたもたしていると物件が売れてしまうというのもあり、決断までの短い時間の中でどのリノベーションをしていくのかざざっと調べて選択していきました。
ヒロミさん:
「ASSYとの出会いはR不動産の担当さんが紹介してくれて。
妹にいちから任せたらこだわって大変なことになるなって思ったし(笑)、買ったのは私だし。と思ったんです。でも、こうしたいとかの欲はない。それに色々見ちゃうと目移りして決められないから、ある程度決まった中から自分で選ぶことのできるASSYはちょうど良いって思えたんです」
ヒロヨさん:
「私も、買ったのは姉だし、ASSYなら間違いないってわかっていました」
3個から選ぶのは良いけれど、5個から選ぶのだと迷ってしまう。ある程度決められた選択肢から選ぶという空間づくりの仕方が合っていたそうです。
また、好きなサイトの信頼できる担当さんが紹介するなら、それにのっかろうかなという気持ちも大きかったようです。
そして、もうひとつの決め手は工事前に金額がわかる定額制だったこと。
他の物件申し込み希望者と競りながら、工事費用を含めたローン審査を乗り越えるのにはスピードが必要です。
自称、優柔不断だというお姉さん。「私でも選んで間違いない」と思えたことと、定額で金額の見通しがつきやすいことからASSYを選びました。
親しき中にも、プライベートあり
姉妹で暮らすにあたり、一番優先で考えたのはリビングや水回りを中心として姉妹の部屋が真逆に位置する間取りでした。
お姉さんが東京に出てきて妹さんと住んだ最初の家は、二人の部屋の間に水回りが集約された縦長の間取りでした。その時の経験から、しっかり間取りを考えれば、それぞれのプライベートと二人の共通の時間や空間の両立も可能だと知っていました。
そしてもう一つ面白いのが、洗濯機の位置。
ヒロヨさん:
「もう一つの条件は、洗濯機が両隣の住戸に接さないようにということ。お隣さんに気兼ねなく回せるようにと考えたんです。下の階は分からないんですけどね…(笑)。洗濯機を真ん中にって言った時は設計士さんも『エッ』てなってたかもしれないです」
以前までは戸建てだったこともあり気にしていなかったようですが、「気にしいだから」と笑うヒロヨさん。夜でも回せるようにとこの配置に。
住んでみると生活音はお隣さんからもほとんど聞こえず気にしすぎだったかなとも振り返りますが、洗濯機を真ん中へ出したことで結果的に洗面・風呂スペースが広がり、アクセスも良く使い勝手が良かったそうです。
委ねる、という思い切り。
「どんな組み合わせでもASSYなら大丈夫」と信じてプランニングは進みますが、不安はなかったのでしょうか?
ヒロミさん:
「いやいや、不安はもちろんありました。動くお金も大きいし、世の中に失敗談みたいなのも溢れてるじゃないですか。でも、できる前に色々言ってもしょうがないと思ったんです。望みすぎちゃうと不満もそりゃ出るし、他がよければそれでいいじゃない。完璧ってないし、不満があれば直せばいいし、って」
打ち合わせの中では、1回目の図面も、2回目の図面もそれぞれ「良いじゃん!」となったと言います。専門家が出してくれるものだから、そこは委ねる。自分で中途半端に調べて失敗するより、潔くプロにお任せしようとゆったりした気持ちでいたことが、この居心地の良い空間を結果的につくり出したのかもしれません。
そして良い提案をしてくれるのは、妹のヒロヨさんも同じ。
ヒロヨさん:
「でしゃばれるところはでしゃばりました。いろんなところに住んできたのでこうした方がいい!と思った間取りには口出ししたり。姉が素直に受け入れてくれるので、させてもらったって感じです」
お姉さんがヒロヨさんの提案を素直に受け入れられるのは、ヒロヨさんの今まで集めてきた物のセンスやインテリアへの興味に信頼を置いているから。
リビングの採光を取るために、ご自身の部屋を削り、2面から光が差し込みます。また、そのことによってL字形のリビングになり、奥行きがでて広さを感じます。そして曲がった先のスペースには、シェルフが置かれヒロヨさんの仕事道具が収納されています。
好きだけど、自信がない?
20代の頃にインテリアやファッションに精通する人たちのネットワークに身を置いていたことがあるというヒロヨさん、実はその時にデザイナーさんから「中途半端なセンス」「感性が一貫していない」と言われたことがあるらしく、今でも思い出してしまうそう。だからリノベーションすることになった時も、「正直、もし一から全て決めるとなると自信がなかった」と教えてくださいました。
それでも、無理せずに自分の好きなものに囲まれる事が心地良よいと思ったというヒロヨさん。それからは、「好きなものだけで行かせてもらいます!」とテイストや雰囲気に縛られず、自分が良いと思ったものたちで空間を飾ることを貫いているそうです。
また、ASSYでは仕様が決まっている分、フルスケルトンから間取りを考えられるので「自分の感性に自信がなかった」というヒロヨさんも、姉妹で居心地の良い間取りを考えることに注力できたのが、「自分達の家を作っている感じがした」とも語ってくれました。
このおうちでいろんなテイストが混じり合いながらも融和しているのは、ASSYという背景と、ヒロヨさんの貫ききった「私が好き」が一本通っているからなのかもしれません。
理解と距離感
姉妹で暮らすお二人を見て、なんだかその関係が羨ましくなってしまった私。一緒に暮らし続けるのはなぜなのでしょうか。
ヒロミさん:
「購入にともない、それぞれ一人暮らしすることも当初は考えていましたが、今の家を探し当てた時、妹はこの物件をとっても気に入って、私さえ良ければ一緒に住まわせてくれと言ってきました。
彼女の願いもそうですし部屋の作りをしっかり考えればいい歳の姉妹でも一緒に住める、住みやすい家は作れると思ってたので、そうしましょうとなりました。
離れて暮らす家族のことを相談するのも、一緒に住んでると話が早い。いいことだらけですよ。婚期が遅れがちになってしまうことはなきにしもあらずですが」
と、とても率直に教えてくださいました。
ヒロヨさん:
「親友やパートナーとはまた別の安心感があります。妹という立場もあり、絶対的な味方でいてくれる姉が一緒にいてくれることで、一人暮らしの頃と比べ心も安定していると思います。
小さい頃や、同居する事になるまでは、姉とあまり一緒に過ごせていなかったので、その分今とても楽しいんです」
お二人に取材する間に感じたのは、「姉は現状満足型だよねー、というか真面目だよね!」「私って天邪鬼?というか偏屈かも?」「この家のインテリアは妹が選んでるからこそ、うちっぽい」と、お互いの性格を掴んだり、受け入れて認め合って一緒に暮らされていること。
家を作るにあたって、自分だけでなく一緒に住む相手がどうしたら心地よく過ごせるのかは重要ですよね。空間のテイストや使う素材だけでなく、間取りでもその実感はグッと変わるのだなと感じさせていただいたお家でした。
そして、好きな人やものを信じて、自信がないところは任せる。
その一つにASSYを選択していただけて、とても嬉しい取材でした。
ありがとうございました。
(サコ)
ASSYでリノベーションした他の家についてもコラムで紹介しています。是非のぞいてみてください。
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フルリノベーションではなく、部分的にASSYを取り入れたいというご相談も受けつけております。部分リフォームを検討している方もお問い合わせください。