家の中で空間を仕切るために使われる「建具」。場所によっては仕切りつつも、視線をうまくコントロールしながら、家族の気配や光は適度に取り入れたいもの。
設置する場所や用途に合わせて、素材や形状にひと工夫することで、家の中に心地よい繋がりが生まれます。
今回は、そんな「建具」を効果的に使ったアイデアをご紹介します。
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クラフト感もプラスする、杉板の間仕切り 型板ガラスで視界はぼかして
リビングと寝室の間を仕切るのは、杉板と型板ガラスでつくったドアと間仕切り壁。
壁に室内窓をはめるのではなく、右手の玄関へと繋がる扉とも仕上げを揃えることで、インパクトのある一角に。フローリング、飾り柱・梁と、同じ樹種を使うことで統一感も持たせています。
模様の入った型板ガラスは、光をやわらかく採り入れ、視界はぼかしてくれる。過ごす場所が違っても、家族の気配をぼんやり伝え、ちょうど良い距離感を生んでいます。
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軽やかなフレームで“魅せる”間仕切りに
リビングと寝室を仕切るアイアンフレームのガラスパーティション。
アイアンだからこその、スッと伸びる細いフレームがドラマチック!仕切りとしてだけではなく、風景としても美しく、この家を象徴する存在になっています。
ガラスパーテーションは、お部屋に対して斜めに設置することで、奥行きが生まれています。それぞれの場所から視線が抜けるので、面積以上の広がりを感じさせる効果も。
薄手のカーテンを閉めれば、二つの空間に適度な距離感が生まれます。透け感のあるカーテンを通して届く柔らかな光も、空間を印象的に見せてくれていますね。
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デザインがバラバラの古建具に障子を貼って再利用 ユニークなリビング間仕切り
建具で仕切って使うこともできるリビングスペース。
部屋を仕切る建具や欄間は、近所で解体された住宅から出た古建具を再利用したもの。新たに木枠で囲ってプロポーションを揃え、さらに障子を貼って、適度にばらばら感のある見た目に仕上げています。
引戸で隔ててあっちでは仕事、こっちでは食事というシーンでは、光や気配を通しながら、音や匂いは仕切ってくれる。開き方によって、繋がりをコントロールできるのも引戸の良いところですね。
新しいけど懐かしい、家の記憶との繋がりも生んでくれるユニークなアイデアです。