ただモノを収めるだけでなく、その場の雰囲気までつくってくれるような棚。
印象的な景色となる棚は、飾ってあるものが心惹かれるだけでなく、その棚のつくり方にも秘密があるはず。
視線を自然と誘導したり、並んだモノを美しく見せてくれたり……ちょっとした工夫がその印象を大きく変えてくれます。
目にする度にワクワクするような棚づくりに役立つアイデアを紹介します。
case1
無作為の美しさを楽しむ。壁面を彩る、増殖する本棚
オフィスの一角にある、スタッフ共有の本棚。
棚板には足場板。それを支えるのは平積みにした本や、ブロック、H鋼……。増えていく資料に合わせて、その場にあるもので組んでいったようなラフさが潔い。
これだけぎっしりモノが並んでいても、雑然とした感じに見えないのは、高さや色のトーンが段ごとに揃えられているから。
背面となる壁は、元々のクロスの上からDIYで漆喰を塗ったそう。陰影のある、ざっくりとした質感が似合っています。
これからも生き物のように増殖を続けていくんだろうなと、想像させてくれる本棚です。
case2
ひと繋がりの壁面収納は、余白をつくって、美しく収める
ダイニングからキッチンまで繋がる壁面収納。
キッチン天板と高さを揃えることで、沢山のモノを収めつつ、整った印象に。
また、ダイニングテーブルに座った時に、目に入る高さの背板を無くし、真ん中ラインを開けて圧迫感がでない工夫も。余白を持たせることで、自然と視線を誘導しています。
しまうスペース・見せて並べるスペースと分けることで、美しい景色をつくっています。
case3
分厚い無垢板と、軽やかに支える棚受けでつくる小さな「見せ場」
躯体現しの柱に、小さな飾り棚を並べた事例。
荒々しさの残る躯体の表情に負けない、分厚い無垢の棚板と、それを控えめに支える棚受けがなんだか愛らしい組み合わせ。棚受けが主張しないことで、正面からみた時に棚板が浮いているよう。
こんな小さな棚なら、小物を上手に飾れそうです。家のあちこちに小さな見せ場があると、目があう度に嬉しい気分になりますね。