トイレは自分の欲望に忠実になれる小宇宙!
はじまりは「インセットホルダー」の商品担当者が漏らした「みんなもっと、トイレづくりを楽しんでいいのに」というひと言でした。
当初は、私自身も家づくり計画の真っ最中。「予算もないし、トイレは全面ベニヤでいっか」と、トイレをおざなりにしていたことに気付かされたのです。
もし自分がこのペーパーホルダーを使うとしたら、何と合わせよう?一度使ってみたかったこのタイルこの面積だけなら予算的にもあり得そう……あれ?ひょっとしてトイレって好きなこと思い切って試せる場所なのかも。
「インセットホルダー」のPR担当になって向き合っていくうちに、どんどん気持ちが盛り上がってきてしまったんです。
なんの気なしに立ち寄ったカフェやバー、そのトイレが店主の偏愛で満たされている空間だったりすると、記憶に残りますよね。そんな風に、みんなが好き好きに冒険しているトイレがひっそりと存在している……そんな絵を想像して一人にんまりしていました。
そこで今回は、思いを巡らすきっかけになった「インセットホルダー」を使って、トイレの設えの妄想を広げてみました。どうぞお付き合いください。
まずは事例から妄想を膨らまそう「トイレギャラリー」
何はともあれ、“家づくりは妄想から”!お手本にしたい事例をみながら、自分らしいトイレづくりのためのエッセンスをもらいます。
「色選び」に技あり!
トイレに色を使った事例は見たことがあるけれど、こんなカラーリングは初めて!
彩度の高い色でも間に白いラインを挟むことで喧嘩せず、爽やかな雰囲気に。下部には無彩色のグレーが入っているので、落ち着いた印象も与えてくれます。濃いグレーの床材との繋がりも自然でいいですね。
好きな色が多くて絞れない……なんて方は、こんなアレンジを検討してみてはいかがでしょう?
「白」を際立たせるダークネイビーで彩った事例。
陶芸家である施主が作った白い陶器のペンダントライトが映える背景になっています。圧迫感が出てしまいそうな暗い色味もトライしやすいのは、トイレという小空間ならでは。
他の空間とコントラストをつけることで、ほっと落ち着ける場所になりそうです。
「やってみたい」を詰め込んだ、デコラティブな空間
壁と天井を、マットなブラックで塗装。ポイントは、壁面に施されたモールディング!
同じ色味でも、壁面に陰影が生まれることで、単調さは感じません。また、床や棚板を明るい色味にすることで、クリーンな印象も。
暗い色味で仕上げたい時に、参考にしたい事例です。
壁だけでなく天井も!柄入りクロスで仕上げたトイレ。
クラシカルな総柄のクロスの両脇には、同じトーンのカラークロスを。また天井には板貼り風のクロスに。一種類だけでなく、複数の柄の組み合わせで、居室のような居心地の良さを実現しています。
収納だけでなく、飾るための棚板を取り付けているのも素敵です。
一面だけでも効果大!タイルを取り入れて
腰高までの高さに『レトロエイジタイル』をぐるりと貼った事例。
ムラのある深いブルーは焼き物ならでは!こうやって一部分に取り入れるだけでも、しっかり表情を楽しむことができます。
汚れやすい部分も掃除しやすく、清潔に保つ効果も期待できそう。
築古ビルのリノベーションで新設したトイレ事例。
外の手洗いとトイレ内部壁一面に「レトロエイジタイル」を貼っています。外側と素材を統一することで、貫くように見せているのがユニーク。
床にはブラウンの補色にあたるブルーグリーンのタイルを合わせて。互いの色味を引き立てあっています。
洗面・脱衣室と一体になった、少し広めのトイレ空間。壁は全面、白いタイルで仕上げています。
トイレや洗面器などの白い陶器、水栓や小物のクロームが、光沢あるタイルとよく似合う!清潔感のある組み合わせです。
ぷっくりとした木枠のミラーや、厚みのある洗面器などボリュームのあるアイテムを取り入れているのもポイント。無機質な印象に寄りすぎず、居心地の良さも感じさせてくれます。
“Edit”してみた!5つのトイレイメージ集
妄想を広げたところで、ここからは実践編!「インセットホルダー」を起点に5つのイメージを組み立ててみました。
妄想の仕方は自由だ!ということで今回はペーパークラフトで“Edit”してみました。一部切り貼りが雑な部分もありますが、工作感をお楽しみください。
case1 大人も子供も楽しいカラフル空間
身につけるものは似合わなくて敬遠してたけど、実はこの色見るだけで元気になってくる……。そんな胸の内に秘めた好きな色、トイレでなら大胆に使ってみるのもアリかもしれません!
ピカピカに輝く「インセットホルダー」は、カラーを使った空間に映えます。特に深みのある色味と好相性!ということで、選んだのは『ベンジャミンムーアペイント』の「Cochineal Red」。
床には『ハニカムタイル』の「マットホワイト」を持ってくることで、重たさを中和。壁とお揃いのカラー目地を使うのも良いですね。パーツ類は白で、照明も温かな素材感のものを。クロームには硬質な素材しか合わない?と思いきや、意外にこんな組み合わせもありでした。
ところでトイレの壁、マグネットがつく仕様だったら子供と一緒にアレンジできて楽しいんじゃないかと思うのですがいかがでしょう?
使っている商品
case2 想像のニューヨーク
ニューヨークにはまだ行ったことがない。だけどこの「インセットホルダー」を見ていたら、あのNYの街角、あのカフェのトイレで使われてそう……なんて勝手に湧いてきた想像だけで設えてみました。
ちょっと安直すぎるかも?と思いつつ、選んだ色の名前は「New York State of Mind」。床も同系色のタイルをセレクト。手洗いやトイレの白がよく映える。名前から選んだけど結果オーライでした。
小物はシルバーで合わせて、スイッチプレートとドアは艶のあるブラックをセレクト。
個人的に「インセットホルダー」ダブル 縦は、都会のイメージ。トイレットペーパーが縦に連なるだけで、なんとなく洗練された存在に見えてくるから不思議です。
使っている商品
case3 高原のレストルーム
他が散らかっていてもここだけは。ひとたび入れば静寂な空気に満たされる。トイレというより「レストルーム」と呼びたくなる空間をイメージ。
マットな白タイルとシナ材の組み合わせ。そこに一点、「インセットホルダー」の輝きをプラス。壁だけでなく、造作棚に埋め込んで一体に見せるのもおすすめの使い方です。
床はライトグレーの『土間タイル』。壁・床に色味を入れない代わりに、素材の質感で変化をつけています。
照明や、タオル掛け、スイッチプレートにつまみなど、パーツは黒でコントラストを効かせて。マットなスモークアッシュの扉を開ければ、気分はもう軽井沢。
使っている商品
case4 骨董ラバーの厠
昭和生まれの「インセットホルダー」は、どこか懐かしいものたちともしっくり馴染んでくれるはず。アンティークよりも、ちょっとレトロな骨董品を愛する人のトイレをイメージしてみました。
壁面は、和の雰囲気も感じる『古窯70角タイル』とラワンの組み合わせ。
小さい頃によく目にした手洗いボウルに、これまた懐かしさを感じる吊り照明を。乳白のシェードは、灯りを灯してない時でも、ラワン壁にしっかり映えます。
フックやラック、スイッチプレートは、あえてアルミの鈍い光沢のものにすることで、「インセットホルダー」の存在を際立たせています。
壁とお揃いのラワンの扉には握り玉を。色味や形だけでなく、生まれた時代に着目してコーディネートするのも楽しい。
使っている商品
case5 マイ・クラシカル
クラシカルなものに心惹かれる。だけど甘さは控えめに……ポイントを押さえた自分なりのクラシカルを考えてみました。
扉を開けた正面の壁には『クラシックリブパネル』の「エッジ」をセレクトしてシャープな印象に。合わせて壁付け照明も角張ったタイプを合わせてみました。
横の壁面には「古窯70角タイル」の「パールホワイト」を。扉のアイボリー色との組み合わせが抜群に似合います。
タオル掛けやスイッチで、真鍮素材を取り入れて。合わせてペーパーホルダーも真鍮のものを選びたくなりますが、そこは匙加減。あえての「インセットホルダー」をセレクトすることで、可愛らしい小物たちを飾っても調和のとれる空間になりました。
使っている商品
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回、コーディネートしてみて発見だったのは、イメージからアイテムをセレクトしていくと、選択肢がありすぎて意外と決めきれない。ひとつのアイテムから「自分だったらどう使おうかな?」と想像を広げていくと、普段の自分らしさの枠をはみ出して考えていけるということ。
「インセットホルダー」が、そんな妄想を広げるきっかけになれば嬉しいです。