色々なDIYを経験してきた方でも、丸ノコはまだ使ったことがないという方も多いはず。“切る電動工具”なので、どうしても危険なイメージがありますよね。DIY経験者でも丸ノコがなくても困らないシーンの方が多いと思いますが、もう一段階上のものづくりに挑戦したいのなら、今が丸ノコに向き合うタイミングなのかもしれません。

今回は、ツールボックス工事班のメンバーに、「丸ノコは必要なのか?」という問いから、丸ノコの種類や選び方、安全に使うためのポイント・手順を詳しく聞いてみました。

ツールボックス工事班|TBK

森村慧(通称、モリソン)

toolboxの設計施工チーム、TBK(ツールボックス工事班)のチームリーダー。

丸ノコ、いるの?いらないの?

この記事に辿り着いてくださった方は、この問いに向き合っているのかもしれません。サイズオーダーができる木材が多く出回っていたり、ホームセンターでも木材カットのサービスがあったりと、便利な世の中。現にtoolboxでもmm単位でサイズオーダー可能な無垢材・集成材を取り扱っています。

数年に一度しかDIYをしなかったり、近くにホームセンターがあり負担なくカットサービスを使用できる状況であれば、わざわざ丸ノコを買う必要はないのかなというのが正直なところ。数枚の小さな板を切る程度であれば、手持ちのノコギリ(手ノコ)で十分でしょう。

手ノコやカットサービスでは手が届かないときや、自分でこだわりたい!というときが、丸ノコの出番なんだと思います。

丸ノコの活躍シーンを考えてみました。例えば、

・手ノコでは切れないほどの硬い木材をカットしたい
・合板を切り出して収納ボックスや棚をつくりたい
・フローリングや壁パネルを貼りたい(端まで綺麗に納めたい)
・角材を使って壁を立てたい

どれも手ノコでもできないことはありませんが、大量の材を切るときや大きな/長い材を切るとき(卓上丸ノコは30cm程度までが限度。後述します)は電動工具である丸ノコが効率的です。toolboxのようなWEBショップで購入した材はホームセンターのカットセービスでは受け付けていないことが多いので、一台持っておくと便利でしょう。

toolboxスタッフはどう使ってる?
面材、板材、角材をカット!

合板や壁パネル、天板などの面材、フローリングや棚板などの板材、角材をカットするのに使います。現場で合板から棚板を切り出したり、ショールームで使う合板の収納ボックスをつくったり。壁の下地になる角材を切ったりしています。

ホームセンターでは数ミリの誤差がある場合があるので、ぴったりに納めたい時はプライベートでも自分で切りますね。

木製家具などを処分する際に、小さくカットして家庭ごみとして捨てているというスタッフも。

丸ノコってどんな工具?

電動工具の代表格の一つ「丸ノコ」。円形のノコ刃を回転させて材を切断する電動工具です。ノコ刃は交換が可能なので、刃を変えれば、石膏ボードや金属(ただし薄板程度)だって切れてしまうんです。

丸ノコが得意なこと

手ノコよりも断然効率が良く、木材を素早くまっすぐ切るのが得意で、連続的な作業に向いています。手持ちタイプの丸ノコは、取り回しがしやすいので縦にも横にも切れたり、フローリングや壁材などの長尺の材を長手方向に切ることも。小口を斜めにカットすることも可能です。

丸ノコが苦手なこと

曲線を切断することや、切り込みなど、細かい作業は苦手です。中央に穴を開けるような窓抜きはできません。角を直角に切り欠きたい時は手ノコを併用する必要があります。

他に木を切る電動工具はどんなものがあるの?

曲線を切るのが得意な「ジグソー」や、切り込みや窓抜きなどが得意な「マルチツール」などがあります。どちらも振動運動によって切断する電動工具なので、細かな作業は得意な一方、どうしても時間がかかります。“まっすぐ”“素早く”切るなら「丸ノコ」の得意分野です。

回転工具を使うなら知っておきたい「キックバック」って?
丸ノコが手前に飛んでくる、とても危ない現象です。

回転している刃が材料に引っかかったり、強力な反発力が生じて、丸ノコや材料が進行方向と逆方向に飛んでくることを「キックバック」といいます。

材とベースがしっかりと密着していない不安定な状態のままカットすると起こりやすいです。刃が進まない時に無理に丸ノコを動かそうとしたり、ノコ刃が材料に挟まれたりすることもキックバックの要因。

キックバックは大怪我につながりかねません。丸ノコを使う際の注意点として挙げられるものの多くが、このキックバックを起こらないようにするためものです。

まずは、刃が進まない時は無理に動かそうとせず、まずは刃の動きを止めることを覚えておきましょう。

はじめての丸ノコ。おすすめのモデルは?

一言に丸ノコと言っても様々な種類があります。種類をご紹介しつつ、丸ノコ初心者におすすめの機種をご紹介します。

据え置きタイプか、手持ちタイプか

丸ノコは大きく分けると、作業台に設置して使う「卓上丸ノコ」と持ち運べる「携帯用丸ノコ」があります。

据え置きタイプは卓上丸ノコと呼ばれ、卓上に設置して作業するため安定感があり、板材や角材を正確にカットするのに向いています。一方で、30cmくらいが限度なので長尺のフローリングや壁材を長手方向に切るといったことには向いていません。

一般的に、(携帯用)丸ノコと呼ばれるのが手持ちタイプ。丸ノコ用ガイド定規(丸ノコガイド)を使って直線でカットします。持ち運んで作業でき、コンパクトなので収納場所をとりません。長めの丸ノコガイドや丸ノコ用T型定規を使用すれば、長尺のカットも可能。取り回しがしやすい一方、卓上ほどの安定感はなく、スキルによって仕上がりに差が出やすいです。キックバックによる怪我のリスクも高いですが、長尺が切れたり、コンパクトで手頃な価格なため、DIYでは手持ちタイプが使われることが多いです。

卓上丸ノコ。安定感がありますが30cmを超えるような長尺のカットはできません。

バッテリー式か、コード式か

充電した電力で動くバッテリー式か、コンセントをつなぐコード式があります。

バッテリー式は、バッテリーさえあればコンセントがなくても使えるので、場所を選ばず使えて取り回しが楽。インパクトドライバーなどの充電式の工具と同じく、ボルト数で強さが異なります。バッテリーの重量が加わるので重かったり、バッテリー残量によってパワーにムラがある場合も。

コード式は、コンセントから電力をとっているので、パワーが強く、電力のムラがなく安定して使うことができます。コードが巻き込まれると危険だったり、作業する際はコンセントが必須ですが、軽く、価格も安いものが多いです。決まった場所で作業するようであればコード式で十分かもしれません。

バッテリー式の丸ノコ(集じん機能付き)。取り回しがしやすく木くずが舞うのも抑えてくれるプロ向けの丸ノコ。

サイズ

丸ノコは刃のサイズでどれくらいの厚みまで切断できるか決まるので、サイズは重要なポイントです。メーカーによりますが、主に85mm、125mm、145mm〜147mm、165mm、185mm〜190mmなどの規格サイズで展開されています。

サイズによって「最大切り込み深さ」が異なります。商品の仕様に記載があるので、切りたい材の厚みまで切れるサイズを選びましょう。

おすすめは145mm〜147mm。最大切り込み深さは47mm程度なので、2x(ツーバイ)材などDIYでよく利用する材を切断することができ、小さすぎず大きすぎないサイズ感だと思います。

丸ノコのサイズや仕様によって、適合する刃の大きさも異なるので、ノコ刃を追加で買う時は注意しましょう。

大きい方がなんでも切れてお得?
DIYなら145〜147mmがあれば十分。

もちろん大は小を兼ねるのですが、大きいと重くて扱いにくかったり値段も張ります。せっかく買っても上手く扱えないとならないように用途に応じたサイズを選ぶことをおすすめします。DIYであれば145〜147mmがあれば問題ないと思います。

おすすめは「コード式の147mm」

はじめての丸ノコにおすすめなモデルは、「基本の道具工具 丸ノコ」です。147mmとDIYには十分なサイズ感でパワフル。コンパクトで軽量なので、小柄な方でも比較的扱いやすいと思います。

そして機能がシンプルな分、価格がお手頃なので、試しに使ってみたいという方には特におすすめです。バッテリー式や集じんタイプの丸ノコは便利ですが、値が張るうえ初心者にはオーバースペックかもしれません。

本記事では、こちらの丸ノコを使って解説していきます。

DM-TO003-02-G170
¥10,400
集じん丸ノコって?
粉じんを集める機能がついた丸ノコです。

木材を切断すると木くずがでます。そういった切断時に出る粉じんを集めながら使える丸ノコを「集じん丸ノコ」といいます。

ロボット掃除機のようにダストボックスが本体に付属しているタイプや、ホースを接続して集じん機に接続するタイプがありますが、やや価格が高めです。先述のおすすめの丸ノコには集じん機能はありませんが、集じんノズルと集じんホースを使えば、集じん機に接続できます。

丸ノコ以外は何が必要?

丸ノコ本体以外にも道具が必要です。お持ちでない場合は一緒に手に入れておきましょう。

丸ノコガイド

丸ノコでまっすぐ切るために必須の道具です。丸ノコに当てて、直角になるように押さえて使います。丸ノコガイドを使わないと、墨出しした通りに切っても歪んでしまうことがあり、仕上がりに影響がでます。切断線が歪んでしまうとキックバックの原因にもなります。丸ノコを安全に使うために必ず用意しましょう。

角度をつけられるガイドや長尺を切るための丸ノコ用T定規もあります。

安定した作業台

もう一つ必須なのが作業台です。作業を行う十分な面積と、ぐらつきのない強度、立って使用できる高さの台を用意しましょう。狭かったりぐらつきがあると、作業中の思わぬ事故につながりかねません。

作業台がない場合は、ホームセンターでも手に入れられるペケ台やソーホースブラケットと2x(ツーバイ)材などでつくる簡易的な台を用意すると良いでしょう。

ソーホースブラケットでつくった作業台の一部にスタイロフォームを敷いています。

切断する時にノコ刃は材を貫きます。作業台の端から切り落とせるくらいの幅をカットするなら良いのですが、大きな材を中央で切断するなど、作業台の上で切断する場合は台の天板も切れてしまいます。材と作業台の間に、切れても良いスタイロフォームという断熱材や合板などを敷いて作業しましょう。作業台と同じくらいのサイズのスタイロフォームをホームセンターで入手しておくと安心です。

安定していないのに無理に切り落とそうとするとキックバックが起きて危険です。要注意。

注意!
材はなるべく面で支えよう!

面で材を支えるのではなく、点で材を支える置き方で作業する場合は要注意です。切断しても材が安定する置き方なら良いのですが、切断した材が刃を挟んでしまう置き方だとキックバックが起きてしまい、大変危険です。切断した材がずり落ちてこないように支える点を複数確保しておくか、スタイロフォームなどで面で支えるようにしましょう。

どこで作業したらいい?
周囲への配慮は忘れずに。

丸ノコで板を切る音はかなり響くので周囲の環境には要注意。特に集合住宅のベランダで作業するといった場合は管理人さんや近隣の方に確認をとってみたり、時間帯に十分配慮しましょう。

集じん機能がある丸ノコを使っても粉じんは舞ってしまうので、ガレージや土間などの掃除がしやすいスペースや周りに迷惑がかからない屋外で使用するようにしましょう。

少しの時間でも一時的に作業を止めて放置する場合は必ずコンセントを抜きましょう。特に床置きしている場合や複数人で作業をするときに事故が起こりやすいです。

その他必要な道具

墨出しをするためのコンベックスや鉛筆があると良いです。

他には、材を固定をするクランプ、角度定規、手ノコなどが、作業の内容や環境によっては用意があると良いでしょう(詳しくはVol.4でご紹介します)。

軍手はNG!巻き込まれない服装を

丸ノコは回転しながら切断する道具なので、身につけているものや髪の毛が巻き込まれると大変危険です。軍手など遊びのある手袋はつけず、素手か遊びのない、作業グローブなどを使いましょう。裾や袖が長い服装は避け、髪が長い方はまとめましょう。

足元は木くずで滑りやすくなります。滑りにくい靴を履き、こまめに掃除をしながら作業しましょう。

コード式はコードが巻き込まれてしまう場合があるので、必ずコードを体の後ろに回すことを徹底しましょう。

丸ノコの基本的な使い方

部位別解説

①ハンドル・・・持ち手部分。小柄な方は細い方が使いやすいと思います。

②ロックボタン・・・トリガースイッチを押していなくても回転を続けられるようにするスイッチです。反射的に回転を止められないので使用する場合は要注意。

③トリガースイッチ・・・回転スイッチです。コンセントをつないでからは不用意に押さないように注意。指を離すと回転が止まります。

④角度調整用ネジ・・・ネジを回して刃の角度を調整します。調整後は刃がぐらつかないようしっかりと締めましょう。

⑤ベース・・・切断するときに材にぴったりと当ててスライドします。

⑥丸ノコ用T型定規・・・長尺を切断するときに平行を保ってスライドさせるための定規です。(Vol.4で詳しく説明します)

⑦安全カバー・・・刃の露出を防ぐカバーです。切断しながら必要な分だけ刃が出るようになっているので、きちんと動くか確認しましょう。カバーを固定して使うのはNGです。

⑧ノコ刃・・・用途に応じた刃を選んで使います。本体と刃に書かれている矢印の向きがあっているか、曲がったり欠けたりしていないか要チェック。キックバックした後は刃を交換することをおすすめします。

⑨固定ボルト・・・ノコ刃を本体に固定します。付属の六角レンチでしっかりきつく締めます。

⑩深さ調整用ネジ・・・ネジを回して切り込み深さを調整します。調整後はきつく締めます。

基本的な丸ノコの使い方

安全確認

コンセントをつなぐ前に、必ず安全確認を行いましょう。丸ノコや環境に問題があると危険です。

丸ノコ本体
・刃こぼれはないか(欠けていたり、折れているノコ刃は使用しない)
・刃が正しい向きでまっすぐ固定できているか
・安全カバーは正しく動くか
・トリガースイッチは押せるか
・材の厚みに合わせて刃の位置は設定できているか(後ほど説明)
・ネジに緩みはないか

周囲
・作業台にぐらつきはないか
・すぐに避けられる体制、周囲の余白はあるか
・服装、コードなど巻き込まれるものは周囲にないか

墨出し

コンベックスなどで切りたい長さを測り、点をうち、線でつなぎます。数箇所点を打つだけでもOKですが、なれないうちは線を引いておくと精度が上がります。

ぴったりに合わせたい場合は正しい長さは線の内側なのか外側なのかを確認しましょう。

切りしろに注意!
切り出したいサイズより一回り大きい材を用意しよう。

切断すると、刃の厚み分(2〜3mm)が削られてしまうことを覚えておきましょう。例えば1000mmnの材を2等分すると、499mmと499mmといった具合になります。切り出したいサイズより一回り大きい材を用意し、ぴったりに墨出しした場合は線の外側を切るなどと、削られてしまうぶんを考慮した計画が必要です。

刃の位置を設定

まず、切り込みの深さを設定します。深さは、深さ調整用ネジを回せば、ベースが動くので深さを変えられます。

深さは「切る材の厚み+3〜5mm」。10mmの合板を切るなら15mm程度、2x(ツーバイ)材(38mm)なら42mm程度です。差金を当てて測りましょう。

小口を斜めに切りたい場合は、角度調整ネジを回して位置を合わせ、しっかりとネジを締めます(Vol.4で詳しく解説します)。

ここまで完了してから、コンセントを刺します(バッテリーを装着します)。コンセントを刺したら、安全なところでスイッチを押して、異音がしないか、正しく回転しているかを確認しましょう。

注意!
コンセントはこまめに抜く!

使用しない瞬間やその場を離れるときは、必ずコンセントを抜くようにしましょう。床に放置しているときや複数人で作業しているときの事故が多いです。

ガイドを当てる

材は作業台の手前ギリギリに合わせます。切断する際、丸ノコの回転が安定してから材に刃を当てるので、台に刃が当たらないような位置に設定すると良いです。

丸ノコガイドの突き当て部分を材にあて、左手で押さえます。ベースの左側を丸ノコガイドにあてて、刃を線に合うように位置を決めます。

ベースにも刃の位置を示す箇所がありますが、厳密に合わせたい場合は刃の位置を確認して位置を調整しましょう。

墨出しした正しい長さ(線の外側か内側か)の位置に刃を合わせましょう。

切断する

位置がずれないように、ガイドを左手でしっかりと押さえ、ベースの前方を材に垂直に当てます。このとき、ベースが材にしっかりと密着しているか、浮いていないかを確認。

刃の真後ろには立たないようにします。左手はガイドの左側を押さえ、刃の延長線上に体がこないように気をつけましょう。

刃が材にあたる少し前の位置から丸ノコのスイッチを押します。丸ノコの回転スピードが上がってから材に当てて、ガイドに合わせて丸ノコをスライドさせていきます。材に刃を当てた状態で回転をスタートすると、キックバックする恐れがあるので要注意。

切り終わったらトリガーを離します。ノコ刃の回転が止まるまでは油断せず、周囲のものを巻き込まないように注意しましょう。

まっすぐ切るコツは?
イメージはアイロンがけ。

アイロンをかけるようにベースの面を材に垂直に当てて、浮かないようにすーっと動かすこと。丸ノコにグッと体重をかける必要はありません。電動で刃を回転しているので、本体を押さえていれば切断していきます。

ただし、押さえる力が弱かったり、前に押す力が強くなってしまうと丸ノコが前に走ってしまって危険です。垂直に均等に力をかけましょう。

まっすぐ切ろうとして丸ノコのガイド側(ベースの左側)にばかり力をかけてしまうと、まっすぐは切れているものの奥にいくにつれて切り込みが浅くなってしまうという失敗も。

ガイドは動かないようにしっかり押さえ、丸ノコをアイロンのように滑らせていくことを意識してみてください。

注意!

刃の回転方向以外に丸ノコを動かさないようにしましょう。引いたり、ギコギコと手ノコのように動かすのは絶対にNG。キックバックの恐れがあるので絶対にやめましょう。

ノコ刃の種類と交換方法

ノコ刃はこまめに点検して、欠けや折れ、歪みがあれば交換してください。

以下の場合は、刃に問題がある可能性が高いです。違和感があったらまずは止めてノコ刃を引き抜き、コンセントを抜いてから、刃の異常を確認してください。

・作業中に異音がする
・切り始めても進まない
・切断面が真っ直ぐじゃない

キックバックした後はノコ刃を確認して、問題があれば必ず交換しましょう。

ノコ刃の種類

様々なノコ刃がありますが、木材の切断には、刃の先端に超硬チップがつけられている「チップソー」と呼ばれるノコ刃が一般的です。

金属用、石膏ボード用など、切るものによっていろんな刃が出回っています。丸ノコの取扱説明書を読んだ上で、丸ノコのサイズと用途にあったものを選びましょう。

木材だけでなく、金属やFRP、キッチンパネルなど、色々なものを切れるノコ刃があります。

刃の数も幅があります。刃の数が多いほど、切断面が綺麗に仕上がりますが抵抗が大きく時間がかかります。逆に刃の数が少ないと切断面は荒くなりますが、素早く切断できます。丸ノコに付属してくるのは、30〜50Pくらい(刃の数はPで表されます)なので、まずは付属品を使ってみて、それを基準に必要に応じて用途にあったノコ刃を用意しましょう。

左から木工・石膏ボード用、ポリカ・FRP用、鉄・ステンレス用。刃の形状や数が用途によって異なります。

ノコ刃の交換の仕方

必ずコンセントを抜いてから作業します。

ノコ刃に空いている穴にドライバーを刺して、刃が回らないように固定したら、固定ボルトを六角レンチで回します。ノコ刃に穴がない場合はスパナでフランジを固定して固定ボルトを回します。

丸ノコによっては、ロックボタンで刃を固定して交換できるものもあります。

固定ボルトを外したら、刃先に触れないように刃を交換します。本体とノコ刃に矢印が書いてあるので、必ず向きを合わせます。刃を変えたら同じように六角レンチでしっかりと固定して完了です。

初心者でも挑戦できる!でも油断絶対禁物

丸ノコを1人で使うのはどうしても怖いかもしれません。できることなら経験者と一緒に練習できると良いですが、正しく使えば大丈夫。構造を理解して、何をしたら危ないのか、反対にどうすれば危なくないのかをきちんと理解すれば、扱える工具です。

とはいえ、たくさんお伝えしてきた通り、回転工具なのでコントロールできない力がかかる道具であることは間違いありません。手元だけに注意が向きがちですが、コードや服の巻き込み、コンセント差しっぱなしなどが起こらないよう、作業場を俯瞰してみながら作業を行いましょう。そして、少しできたからと油断せず、常に細心の注意を払うことを徹底してください。

また、本記事でご紹介した内容のほか、丸ノコの取扱説明書をよく読んで使用するようにしましょう。

丸ノコが使えるようになれば、自分でつくれるもの、叶えられる空間の幅が広がるかもしれません。疲れたときや集中できないときは無理せず、余裕のあるときに挑戦してもらえたら嬉しいです。

Vol.4では、フローリングを切ったり、斜めに切ってみたりと、実践的な使い方をご紹介します。(7月下旬に公開予定!)

紹介している商品

DM-TO003-02-G170
¥10,400
テキスト:庄司