長野県の森で育った木曽ヒノキを使った、シンプルなテーブル「ヒノキ卓」。ヒノキというと和風なイメージもありますが、50mmの角材で組んだ構造的なテーブル脚と20mmという薄めの天板で、現代の暮らしに馴染むデザインです。
インパクトドライバーなどの工具を使わない組み立て式。付属の六角レンチとネジだけで、簡単に組み立てられます。
ただ、テーブル脚も全てバラバラに届くうえ、角材の小口が見える特殊なデザインということもあり、難しそうな気も……。実際に組み立ててみて、手順をご紹介します。
ちなみに、ヒノキ卓の組み立ては今回が初めて。家具の組み立ては比較的得意なタイプです。
ヒノキ卓の既成サイズを組み立て!
組み立てていくのは、ヒノキ卓 W1600×D800×H720の既成サイズです。
ヒノキ卓は既成サイズ品とサイズオーダー品があります。サイズオーダー品は、幅、奥行き、高さ全てが1cm単位で指定可能。
今回は撮影のためにオフィスで組み立てていきます。ご自宅で作業されるときは、床を傷つけるおそれがあるため、布や段ボールなどを敷いた状態で作業しましょう。
厚さ20mmの天板と、50mm角の角材9本(D600以下は8本)、ネジと六角レンチが届きます。
天板と脚は別々でも購入可能です。
と、早速問題が。
天板をオフィスの倉庫に立てて1ヶ月ほど保管していたら、反りが発生していました。90mm幅のヒノキをつなぎ合わせた集成材なので、保管状況によっては反りも出てきてしまいます。
届いたら早めに組み立てるか、やむを得ず置いておきたい場合は立てかけず水平に寝かせておくのが吉です。
反りがあっても大丈夫か?ということも含め確認したいため、このまま組み立ててみます。
組み立て説明書も同梱されています。まず脚を組み立ててから、最後に天板をつける流れです。
こちらからPDFでもご覧いただけます。
購入したばかりであれば段ボールを開けた時からヒノキの良い香りがします。香りも楽しみながらリラックスして組み立てに挑戦してください!
組み立て方をシミュレーション
脚の組み方がやや複雑なので、まずは並べてシミュレーション。
天板の面に対して水平な材を「まくいた材」、垂直な材を「脚材」と呼び分けます。説明書では、天板の幅と同じ長さのまくいた材をA、奥行きと同じ長さのまくいた材をB、仕上がりの高さより20mm短い長さの脚材をCと記載しているので、本記事でも同じ記載をします。
D601以上の場合は、幅と同じ長さのまくいた材Aが3本あります。天板を下から支える材です。1本は強度を保つため、天板の真ん中を支えます。(D600以下の場合は2本のみ)
まくいた材Bは2本。天板の両端を下から支えます。
脚材Cは2本が2セットで計4本。穴の位置によってC1とC2の2種類があり、C1とC2の1本ずつで対になっています。
後ほど説明しますが、角材の穴につけられた色でC1とC2を見分けられます。
まくいた材Bを1本と脚材Cを2本組み合わせてつくる、門のような形のフレーム(本記事では、門型フレームと呼びます)が脚になります。これを2つつくります。
組み立てに使うのは、ネジ20本と六角レンチ。D600以下の場合は16本です。
角材には鬼目ナットが仕込んであるので、これだけでしっかりと固定することができます。
ちなみに、オプションでアジャスターをつけることもできます。今回はアジャスターなしのものを使用します。
どれがA〜Cなのかわからなくなってしまいそう、という方は、一度組み立てのシミュレーションをしたら、マスキングテープなどでわかるように印をつけておくと良さそう。幅・奥行き・高さが近いサイズをオーダーした場合は特にわかりにくいと思うので、自分がわかりやすいよう工夫をして進めてみてください。
ヒノキ脚組み立ての原則
ヒノキ卓を組み立てる時の原則が2つあります。
①座ぐりのある穴→座ぐりがない穴→鬼目ナット の順でネジで固定する
②穴についた色が同じ穴にネジを通す
この原則を守れば、間違いがあれば気付けるはず。組み立てが苦手・説明書を読みたくないという方もこれだけは押さえてみてください。
門型フレームを組み立てる
脚になる門型のフレームから組み立てていきます。
まくいた材Bと脚材C2本(色違いのC1、C2)を用意し、まくいた材Bの2箇所にある鬼目ナットの色と脚材Cの穴の色を確認。
穴の色が、青と青、緑と緑になっていることを確認したら、まくいた材Bに脚材Cを重ねて、座ぐりのある穴からネジを通します。
鬼目ナットにネジを合わせて、
六角レンチで軽めに固定します。
まくいた材Bの2箇所に脚材Cを固定したら、門型のフレームが1つできます。
これを2つつくります。
次の工程に行こうと思ったら、ここで問題発生。
次は、この脚をまくいた材Bの下側からまくいた材Aと固定するのですが、門型フレームのうち片方の、Bの向きを間違えてしまいました。これだと、座繰りのない穴からネジを入れることになってしまいます。
門型フレームをつくる際は、穴の色だけでなく、Bの中央にある穴の座ぐりのある方が下になるようにしてください。
でも原則をおさえていれば、間違いに気づけるので大丈夫です。
一度ネジをとって向きを直してつけ直します。
まくいた材Aに門型フレームを取り付ける
まくいた材Aを床に並べます。3本全ての両サイドに座ぐりのある穴と鬼目ナットが並んでついています。
鬼目ナットがある面を上にしたとき、うち2本は側面にも座ぐりのある穴があるので、側面の座ぐりが外側になるように並べます。側面に穴がない残りの1本が、真ん中にくる材です。
門型フレームとまくいた材Aを固定していきます。門型フレームのまくいた材Bの端をまくいた材Aの端にのせたら、原則通りに穴の色と順番を守って、上からネジを締めます。
このときもあまりきつく締め付けないくらいで大丈夫。
両端を固定したら、真ん中のAにBの中央の座ぐりのある穴からネジで固定します。(先ほどのミスはここで気づきました)
次に、まくいた材Aの側面にも座ぐりのある穴があるので、門型フレームの脚材Cの側面の鬼目ナットにネジを通し、固定します。
天板にテーブル脚を固定する
天板の裏(鬼目ナットが埋め込まれている方)を表にして、組み立てたテーブル脚を乗せます。
まくいた材Aの3本に座ぐりのある穴が計6つあるので、天板の鬼目ナットに向けて、全てネジで固定していきます。
このときもネジは緩めにしておくと、他のネジが通しやすいです。
全てにネジを通したか確認しましょう。ここで付属のネジは全て使い切っているはずです。余るようであれば、どこかに固定できていない箇所があるので、確認してください。
全てのネジを締める
全てのネジを通した状態で、最後にきつく締め上げていきます。
全部同じくらいの強さで締めたら、脚にぐらつきがないか確認。問題なければこれで完成です!
大きいサイズなので、2人で表に返します。せーのーで!
完成です!約30分程度で組み立てられました。
立てた後でぐらつきがあれば、しっかりとネジを締め直してください。
組み立て前に気になっていた天板の反りですが、組み立て後では気にならないくらいになっていました。
文字で書いていくと手順がとても多いように感じるのですが、構造が理解できれば、①門型フレームをつくり、②門型フレームを幅の材に取り付けて、③天板に固定する、という3ステップで完成します。
組み立ては慣れるまで少しややこしいかもしれませんが、わからなくなったら原則に立ち返れば大丈夫。
慣れれば30分足らずで組み立てられるので、引っ越しなどでも負担になりません。
穴についた色は組み立ての補足としてつけているものなので、何度もバラしたり組み立てたりすると色が取れてしまうことがあります。バラすときには、同じ色のマスキングテープやポスターカラーなどで目印をつけておくと安心です。
飽きたら色を塗ったり、天板を変えたりと、用途に合わせてアレンジできるのもヒノキ卓の魅力。組み立て方をマスターして、長く付き合ってもらえたら嬉しいです。