ショールームの展示台にワトコオイルを塗り、艶々しっとりの、色気さえ感じられるような天板に仕上げました!思っていた物より数段いい感じに仕上がって、ちょっとテンションが上がっています。
塗る前の状態は下の写真のような無塗装のチェリー。
チェリー特有のほんのりピンクで、触るとサラサラという質感。これはこれでラフに使うにはいい感じでしたが、塗った後の天板には大満足。本当塗ってよかった。
ということで、どのように仕上げていったかを紹介していきます。
木繊維を「荒らす」ためのサンディング
基本的なワトコオイルの塗り方は「ワトコオイルをガラス引き戸に塗ってみた」でも紹介しているのでそちらをご覧ください。今回は天板ということもあり、仕上がりの質感にこだわり「ウェット研磨」という行程をプラスしながら塗ったので、その行程をメインに紹介していきます。
ちなみに、今回塗装を行なったメンバーは、前職がペインターの佐古というスタッフ。「塗る」ということに詳しいので、私もいろいろ教わりながら撮影しました。
まず、塗り始める前にヤスリをかけます。佐古いわく、ここでは“綺麗”にするためではなく、木の繊維を“荒らす”ためにやすりをかけているんだとか。
意外でしたが、木の繊維が荒れることで、塗料がよく浸透するようになるそうです。
撮影した時期がちょうど夏休み時期だったこともあり、自由研究気分で顕微鏡を購入。木繊維を覗いてみることに。
確かに繊維が荒れてる気がします!(余談ですが、顕微鏡覗くのが面白過ぎてここで思わぬ時間を食いました。)
ちなみに、この時に使うペーパーの粗さを番号で表しますが、荒らすことが目的なのでここでは240番の粗めのタイプを使いました。
ヤスった後は木屑がかなり出るので、しっかり拭いてから次の工程に。
1度めはささっと塗装
表面の木屑が取れたらサラーっと塗っていきます。ちなみに、塗った色は「チェリー」です。
ここで気付いたのは養生し忘れたこと。「おっと…。」
でも塗ってる本人は「私なら塗れる!」と言い張るので、1度塗りは諦めてこのまま塗ることに。
若干はみ出ましたが、この程度なら気にしないことに。とはいえ、みなさんが塗る時には養生することをおすすめします。
(2度塗り前には結局養生しました。)
2度目で「ウェット研磨」
さて、2度塗り目からが最も重要なポイント。
いい感じにウェットです。
ここで「耐水のヤスリ」を使い、表面の塗料が浸透する前に、端から端までヤスって行きます。
使った番号は360番。最初に使ったペーパーよりも目が細かいタイプになります。
乾いていないままヤスることで、繊維の隙間に塗料が染み込んだ木屑が入り込み、滑らかでしっとりした質感を生み出すんだそう。
液体のままヤスるということに驚きはしたものの、意味を説明されるとなるほどという気分に。
せっかくなので、ここでも本当なのかどうか顕微鏡で覗いてみることに。
これは1度塗り目の様子。塗料が染みているのはわかりますが、白いところは塗料が入っていないところかな?という感じ。
ウェット研磨後の様子。
1度目より白いところが減って、密度が濃くなっているような気がします。
すごい!ウェット研磨。
愛おしいほどの天板が完成
最初と同じように、木屑が残らないように最後はウエスで拭き取って乾かしたら完成。
この滑らかしっとりの感触が伝えられないことがとっても残念ですが、本当にいい感じにしっとりした質感に仕上がりました。
佐古も感動でこんな感じ。
突板でもここまでいい感じに仕上がるなんて驚きでした。小口も塗るか、『箔シート』を貼ったりして仕上げたら、また雰囲気が変わるかな。なんて妄想は広がってます。