壁の一部に木でアクセントをつけ、上品な雰囲気に仕上げたいという時にぴったりの『ウッドウォールパネル』をソファーの背面に部分的に貼ってみました。
実は、水平垂直じゃない?貼る壁面の採寸をしよう
今回「ウッドウォールパネル」を貼ったのはこちらの壁。toolboxオフィス内の撮影用スペースで、どこにでもビスが打てるよう、全面に合板を貼って白塗装で仕上げてあります。
ウッドウォールパネルは、届いた時からなるべく平置きで保存してください。立てて保管しておくと、反りが生じるため、施工する前日から平置きして、上から重しを置いておくと反りが抑えられます。
まずは施工面の採寸。壁は水平垂直に見えても、実は微妙に歪んでいることがあります。 何箇所か測ってみましょう。
高いところは、写真のようにコンべックスを曲げて測りましょう。
天井が高い場合は、まず床から1m~1.5mくらいのところで壁に目印をつけて、
今度は天井側からその目印までを測って足し算をする。という方法がオススメです。
パネルを貼りたい場所の高さを数箇所測定して出た数値の差が2mmだったので、一番短いところに基準を合わせてそこからさらに3mm短くにすることにしました。通常は、同じ要領でパネルを貼りたい場所の幅も測っていきます。今回貼る部分の幅は2520mm。W630mmパネル4枚分に合わせました。
「ウッドウォールパネル」は、1枚ごとに木目の入り方も表情も異なる、天然木ならではのランダムさが特徴。まずはパネルを並べてみて、木目の配置バランスを決めてからカットすることをオススメします。
薄い板をカットする時のコツ
さきほど割り出した寸法をもとに、パネルの裏面に下線を引いて、板をカットしていきます。
今回は、のこぎりと、丸ノコ、両方を試してみました。厚さ4mmと薄いパネルなので切るのは簡単!と思えますが、厚い板に比べて薄い板は動きやすいので、ちょっとコツが必要になります。それは、切り落とす側の板も押さえていること。特にもうすぐ切り終わるというところで、切り落とす側をしっかり押さえていないと、重力や勢いで折れて断面がギザギザになってしまうことがあるので、ご注意ください。
丸ノコでカットする場合は、使わない合板などをパネルに重ね、一緒に切ってしまうやり方がうまくいきやすいです。
ちなみに、厚さ4mmだったらカッターでも切れるのでは?とチャレンジしてみましたが、カットの下線に沿ってカッターを走らせることおよそ30回…。切れないことはありませんが、おすすめしません…。
カットが終わったら、一度貼る壁面に当ててみましょう。最初から隙間なくギリギリジャストサイズを狙うと、実際当ててみたときに、あれ、入らない!なんてことも…(今回はもともと3mm分余裕をみたので、大丈夫でした)
切り口は、サンディングペーパーをかけて仕上げます。
裏面に強力両面テープとボンドをつけます
パネル裏のベニヤ面に強力両面テープとボンドを貼っていきます。ボンドは硬化するまでに時間がかかるので、貼った直後は両面テープが効き、その後ボンドが硬化してしっかりと固定するというわけです。端の部分にボンドを塗るときは薄めに塗ってください。厚く塗ると、壁に貼った時にボンドがはみ出してしまう恐れがあるのでご注意を。
ちなみに、意外と難しいのが、こうした副資材と呼ばれる材料選び。ボンドもテープもさまざまなメーカーと種類があり、お値段もそこそこするので、買い間違えて買い直しとなると出費がバカになりません。そこで今回は、ボンドメーカーのコニシ「接着相談室」に、事前に電話で相談をしてみました。
「接着相談室」では、貼る場所や貼りたいものの素材、下地の状況などを説明すると、ボンドの選び方や使い方についてのアドバイスをしてくれます。
私たちが用意していたのはコニシのウレタン樹脂系ボンド「床職人」。これはもともとフローリング貼り用のボンドなので、木と木の接着に使用するのは問題なし。しかし、ボンドそのものが柔らかいので、壁に直接ボンドを塗る場合は、ボンドが垂れてくる恐れがあるとのこと。
今回は、床置きしたパネルのほうにボンドを塗る方法をとったので、特別な装置が要らず手で搾り出すだけで使える「床職人」をそのまま使いました。
いざ!壁に貼り合わせ
ここからは一発勝負。貼る壁の高さの最大値に対してパネルを3mm短くカットしているので、上下どちらかに隙間ができることになります。隙間は床側にあるほうが家具などを置いてしまえば目立たないということで、天井側をぴったり揃えて貼ることにしました。
パネルの先端を天井面にぐっと押し当てて、貼っていきます。パネルの幅は630mmで軽量なので、女性1人でも施工しやすいのですが、角に突き当たる端の部分の施工はちょっと大変でした。
壁面に貼った後は、しっかりとくっつくよう全面を上から手で抑えてください。2枚目以降は、ぴったりパネルの横に貼り合わせていくだけなので簡単です。
「隠し釘」で固定
真っ平らに見える壁でも微妙に凹凸があったりするので、貼ったパネルの端が浮き上がってくる可能性があります。そんな時は、「隠し釘」と呼ばれる釘を打ち込んで押さえましょう。
「隠し釘」とは、端部にキャップが付いた細い釘のこと。ボンドが乾くまでの間、仮固定をするためのアイテムです。一旦このキャップを付けたまま釘を打ち込み、ボンドが乾いた後、キャップごと釘頭を打ち抜いて釘を目立たなくすることができます。
最終的には目立たなくなるので、浮いている部分に釘を打ち込みます。
パネルの浮いている部分にキャップ付きの隠し釘を打ち込んだら、キャップの横に当て木をして、当て木ごとキャップを打ち抜きます。
当て木を添えずに直接玄能でキャップを打ち抜こうとすると、パネルに傷をつけてしまったり、一回で打ち抜くのが難しかったりするので、当て木を添える方法がオススメです。
頭が折れた隠し釘は、このまま埋めこんだままとなります。 プチっと小さく見えますが、本当に小さく気にならないレベルです。
パネルを貼る壁面が石膏ボードの場合でも、ビスと違って隠し釘は効くので大丈夫です。
BRIWAXで着色
無塗装品は、好みの加減に着色して仕上げられるのが魅力です。
今回は、色数豊富なBRIWAXの中から選ぶことに。カットした端材でBRIWAXを試し塗り。今回は、チーク色を採用しました。
BRIWAXは、塗る素材によっても微妙に色味が異なるので、実際に塗る材で試し塗りしてみることをおすすめします。
周囲につかないよう、マスキングテープで養生をしてから塗り始めます。ウエスにワックスをとって、スタート。
溝部分は、ウエスも入りずらくとても塗りずらいので、色々なもので試行錯誤。綿棒、ワックスをつけたウエスを細い棒に被せてなぞるなど、色々試しましたが、最終的に子供用歯ブラシがよかったです。
BRIWAXは、ドライヤーで温風を当てながら塗っていくと、ワックスが溶けて塗りやすくなります。塗ったあと、厚くなっている部分も、ドライヤーを当ててウエスでこすれば問題なし。
完成!
クラシックホテルを思わせる、懐かしい飴色の壁ができました。真鍮ソケットコードがよく似合います。
今回は、パネルを貼るまでは45分程。板を1枚1枚貼っていくタイプに比べて、とても簡単に出来ました。
予想以上に時間がかかったのが、BRIWAXをムラなく塗るところ。木部用のオイルを刷毛で塗る方が、時間は短縮できそうです。
ちなみに、壁紙仕上げの壁に「ウッドウォールパネル」を貼りたい時は、「壁紙を剥がしてから貼る」のが一番丁寧なやり方。壁紙の上から貼ると、壁紙ごとパネルが剥がれてくる恐れがあるためです。壁紙の上から貼る場合は、「ウッドウォールパネル」を貼ったあとにカラーネイル釘/パネル合板用釘という頭が小さくて目立たない釘を打ち込んで、壁紙の下にある下地と固定してください。釘は斜めに打ち込むと、抜けにくくなります。
今回のポイントおさらい
・パネルの反りを抑えるために、パネルは床に平置きして保存しましょう。
反ってしまっている場合は、施工の前日から平置きにして重しをのせて。
・強力両面テープは、ボード用(キッチンパネル用)強力両面テープがオススメ
・ボンドが乾くまでの間、パネルの反り防止には、隠し釘を使いましょう。