『布框戸』は、木製のフレームの中に布を張って、襖や障子のような感覚で使うことができる引き戸です。
布は、自分で選んだお気に入りのモノを張ることができ、季節や気分に合わせて変えることができます。
あらかじめ白い布が張られた「布張りありタイプ」も販売していますが、今回は、購入後に自分で布を張る「布張りなしタイプ」で、布張りを実際にやってみました。思った以上に簡単に布張りができるので、気軽に模様替えを楽しむことができますよ。
布を裁断する
まずは布をフレームに治めるサイズに裁断します。使うのは付属しているお試し用の布です。自分で用意した好きな布を使う場合、「布框戸」はサイズオーダーができるので、オーダーした「布框戸」のフレームの大きさ以上のサイズのものを用意してください。そのとき注意してほしいのが、布の「厚さ」。薄いとたるみやすく、厚いと張りにくくなります。厚さはお試し用の布を参考に選んでください。
フレームよりもひとまわり小さいサイズで布を切っていきます。
今回はフレームの外側に合わせて切ってしまいました。これが後々、少々やっかいなことに。フレームよりも2cmほど内側になるような大きさで切るのがポイントです。
角は斜めに切り落とします。これで布の裁断は終了です。
ゴム紐を使って布を仮留めします
布框戸に付属している2本のゴム紐のうち1本をハサミで切ってフレームの4辺の長さに合わせます。
長さはフレームにぴったりじゃなくても大丈夫です。
長すぎた場合は余分な部分をはさみで切り、短すぎた場合はゴム紐を伸ばすような意識でもう一度差し込んでいくことで調整ができます。
フレームの内側には溝が入っています。ゴム紐の中央を溝に差し込みます。
次に、対面する辺も同じようにゴム紐の中央を差し込みます。対面するゴム紐を差し込むときは、軽く布を引っ張りながら行います。残った2辺も同じようにしていきます。
すべての辺の中央にゴム紐を差し込んだら、中央以外の部分のゴム紐も、手で軽く溝に差し込んでいきます。4本とも差し込んだら、仮留めは完了です。
ローラーを使って布をピンと張る
いよいよローラーの登場です。
付属のローラーを溝に差し込んだゴム紐に当てて、前後に転がしながら布を溝に深く押し込んでいきます。
布がピンと張られるにつれて、お試し用の布についていた折りじわが消えていきました。
ゴム紐を押し込みながら、同時にはみでた布も溝の中に押し込んでいきましょう。きれいに押し込む必要はありません。ローラーをシャカシャカ転がしていると自然と布が吸い込まれていくので、とにかく前後に動かしてください。
角の部分は少し力とコツが必要です。角のところは布が集まって押し込む量が多いのです。布をカットするときに角を斜めに切り落としたのは、布の量を減らすためだったのです。角はローラーの反対側を使って、溝の奥へと布を押し込んでいきましょう。
と、ここで問題発生。力を入れてグイグイ押し込んでも布が入りきらないという事態に。
そうなんです。布の角を斜めにカットしたのは良かったのですが、裁断するときにフレームの外側に合わせて切ってしまったので、布が大きすぎたのです。
余分な布の量が多くなり、溝に入りきらないとという事態になってしまいました。
そんなときは、せっかく押し込んでいたゴム紐ですが、一度抜き取って、余分な布を少しカットします。これで溝に入るようになりました。
ちなみに布の裁断の段階でフレームの内側ぎりぎりの大きさにしてしまうと、布を手で引っ張りながら張るのが難しくなります。溝に布を押し込んだときに、反対側の布が足りなくなることを避けるために、布を裁断するときはフレームの内側よりも大きいサイズで切るように注意してください。それから、引き戸として使い始めた後に、なにかがぶつかって布が外れてしまったときにも、布の余りがあると直しやすいので、少し余分目に布を切るようにしましょう。
もう1本のゴム紐で仕上げる
もう1本付属しているゴム紐をフレームの内側に沿わすようにして長さを決めます。始める位置は戸を立てて設置しときにゴムの切れ目が目立ちにくい、フレームの上の中央がお勧めです。
今度は4本バラバラにせずに1本でぐるっと一周つなげましょう。今回も長さはぴったりじゃなくても大丈夫です。
溝に蓋をするようなイメージで、1本目のゴム紐のときに押し込んだ布を隠していきます。
コロコロ転がしてゴム紐が溝からはみ出て見えないように差し込みます。角も1本目と同じ要領でローラーの反対側を使って押し込みましょう。
これで完成!
出来上がりはこんな感じです。
使っていると布が緩んでくることがありますが、そんなときは2本目のゴム紐が溝から少しはみ出ているはずなので、指でぎゅっぎゅっと押し込めば、すぐにもとのピンと張った状態に戻ります。
出来上がると、アイロンをかけたように布がピンと張って気持ちが良いです!
お試し用の布張りを習得したら、今度はぜひ自分のお気に入りの布で試してみてください。インテリアががらりと変化して楽しいですよ。