不動の人気を誇る白タイル。その中でも、小さな六角の形をした愛らしい『ハニカムタイル』を洗面に取り入れてみました。
憧れの真っ白空間に、小物と観葉植物で色味をプラス。こんな空間が理想でした。
主役はシート状のモザイクタイル
モザイクタイルとは5㎝角以下の小さいタイルのことで、紙やネットによってシート状になっているものが多く売られています。
シート状になっているので、一枚一枚貼っていく必要があるタイルと違って一気に貼ることができるのでDIYでもおすすめです。
今回はタイル施工の一番の難関である、タイルカットはなしでDIYしてみました。
最初はガイドを引きます
貼り付けを行った場所は洗面所の壁。といっても、実際に洗面所として使用する場所ではなく、新商品の撮影をする背景作りのため合板の壁に貼り付けを行いました。
周りが汚れないように養生を済ませてから、貼る面にガイドを引きます。ガイドを引かないでタイルを貼りだすと、水平垂直がとれずにゆがみ、きれいに貼りあがらないかもしれないので丁寧にやっていきましょう。
ガイドを引くためにはまず、貼り始めるスタート地点ともなる中心を決め、そこから水平垂直にラインを引いていきます。
上の2枚の写真、何をしてるかわかりますか?画鋲に糸をくくりつけその先端には五円玉。印をつけたい箇所の上部に画鋲をさすことで、五円玉の重みで糸が垂直に垂れます。この糸に沿ってラインを引けばきれいな垂直線を書くことができるのです。
この垂直線を頼りに水平線を引き、その後は同じ要領でシートの大きさに合わせてガイドを引いていきます。
ボンドを塗っていきます
ガイドを引き終えたら次は実際に貼っていくためのタイル用ボンドの準備。
上の養生テープを巻きつけているのはコテ板。ボンドを一定量出しておくための板です。
コテ板に養生テープを貼って覆っておくと、終わった後はテープを剥がしてポイッと捨てるだけでいいので、片付けがとても楽。最初にちょっとの手間をかけておくことが、のちのちの手間を減らすことにつながるのです。
養生が終わったらそのコテ板に、すぐに塗れる分だけのボンドを取り出します。
ボンドが多すぎると持っている腕が重いし、ボンドが乾いてしまうので適量で。
コテを使ってボンドを壁につけていきます。コテは45度くらいの角度で滑らせると、均一にきれいに均すことができます。
その後に「くし目コテ」と呼ばれる、名前の通りくしのようになっているコテを使い、均したボンドにくし目をつけていきます。「この工程必要かな?」と思ってしまうかもしれませんが、重要な工程。
くし目にすることで溝部分から空気や水分が逃げ、ボンドがタイルに均等に馴染むようになります。さらに、引いたガイドがよく見えるようになるので、いざ貼るときに「どこだ?」なんて探す手間がなくなります。
タイル貼りには大事な溝なのです。
シート幅に気をつけてタイルを貼ります
ハニカムタイルは表面に紙がついてある“紙貼り”タイプなので、紙がついた方を表にして、ガイドに沿ってぺたっと貼っていきます。
モザイクタイルには“ネット貼り”タイプもありますが、その場合はネット側が裏なのでネットにボンドがつくように貼り付けましょう。
1枚目が貼り終わったら2枚目3枚目と同じように貼っていきます。シートとシートの間は、タイルの目地幅に合わせて隙間を空けて貼る必要があります。(目地の説明は後ほど。)
ほとんどの場合、シートの大きさぴったりで貼れるなんてことにはならないと思いますが、そのときはタイル同士を繋いでいる紙部分を切ってバラバラにして調整しましょう。タイルをカットするのは大変ですが、紙ならカッターで簡単に切れてしまいます。
モザイクタイルがDIYでもおすすめなのは、タイルが小さいので割り付けの調整がしやすいからです。どうしても生まれる少しの隙間は、目地材で埋めたり、タイルの間の目地幅を見た目にわからない程度に狭めたり広げたりして調整すれば、タイルカットの必要なく貼り付けできてしまいます。
もちろん「きっちりやりたい!」という方は、タイルカットしてきれいに仕上げるのがワンランク上の仕上がりになって良いと思います。
ハニカムタイルはあらかじめ半分にカットされたタイル(半マスタイル)を別売りにて販売しておりますので、必要な場合には、商品ページの半マスタイルのオーダー方法に基づきご注文をいただけますと、端の調整に使えます。
紙を剥がします
全て貼り終え、1日置いてボンドが乾いたら紙を剥がします。剥がし方は、水に濡らしたスポンジで紙を撫でつけて濡らし、紙を引っ張るだけ。
ぺりぺり剥がれて気持ちがいい!
なんて、剥がすのを楽しんでいた私ですが、ここで事件発生。
やばい!
ボンドがしっかりついていない箇所があったようで、紙と一緒に取れてしまうタイルが数カ所で発生。
やってしまったと思いつつ、一つずつボンドをつけて再度接着と乾燥。ボンドをうまくならせていなかったり、タイルをくまなくボンドに圧着できていないと、このようなことが起こります。
後々剥がれるのはさらに困るので、ここで細かく点検しておくことをおすすめします。
ボンド付けすぎも問題
取れたタイルを無事貼り終え、さぁ目地を入れようと思っていたところで、もう一つ問題が発生。
ボンドが付き過ぎてしまっているところがあったようで、まるで目地のように隙間から出てきてしまったのです。
爪楊枝で余分なボンドをほじり出すという方法で対処。とっても地味な作業でした!
目地材を入れていきます
目地材とはタイル同士の継ぎ目に入る材のこと。水がかかるような場所での使用を考え、タイル裏に水がまわらないように設けられたものです。
水がかからない場所であれば目地なしでも使用できないことはありませんが、貼っていくときの隙間を調整するためにタイルカットする必要が生まれてしまったり、タイル同士の隙間に埃がたまってしまうデメリットがあります。
シート状になっているモザイクタイルの場合、あらかじめ目地が設けられているので、そこへ目地材を入れていきます。
今回使ったのはライトグレーの目地材。目地材は粉状で販売しているので、この粉に水を加えてバケツの中で混ぜ合わせ、粘土状にしてから使います。
できあがった目地材を、貼りあげたタイルの上にコテを使い塗り込んでいきます。
タイルの上に目地材がついても大丈夫。後で表面を磨いて取り除きます。全体に目地材をしっかり塗り込んでしばらく放置。
ある程度乾いた段階で濡れたスポンジを使って表面の目地材を拭き取っていきます。このときは2時間ほど放置してから拭き取りました。
最後にタオルで磨きあげれば完成です。
目地材の色はグレーを使い優しげな印象にしましたが、白い目地材を使うとより繊細な雰囲気に。黒ならコントラストの差が生まれて空間全体が引き締まります。つくりたい空間のイメージによって目地材を選んでください。
最後におまけテクニック
異なる色のモザイクタイルを取り入れて、柄を作ってしまうなんて上級テクニックもあります。写真は花のような柄をつくった事例です。
DIYによるタイル貼りは、オリジナリティ溢れ、愛着のもてる空間がつくれると思います。「挑戦してみたい!」という方は、ぜひ上級テクニックにもチャレンジしてみてください。