本記事で使用しているブリックタイルは旧仕様品です。施工方法は変わりませんが、現行品の方が骨材が細かいため、カットしやすくなっています。
みんな憧れのブリックタイルの壁。古いレンガ風の均一ではないテクスチャーが魅力ですよね。今回はtoolboxの常連かつDIY上級者のお客さん宅で、toolboxのブリックタイルを貼ってきました。タイル貼りは初めてとの事で、今回はDIYサポートを併せてのご利用です。
一度はチャレンジしてみたいタイル貼り、結論から言いますと、特にブリックタイルはDIYではかなりの根気と時間が必要です…。
タイルを貼る前に
今回使用するブリックタイル(写真下)は通常のタイル(写真上)と比べてご覧の通り直線ではありません。従って、水平垂直を設定しづらいという点がまずブリックタイルの施工難易度が高い所以です。
今回はこちらの壁一面に貼っていきますが、ドアや小窓の枠が絡むので、そこもちょっと難しい点になります。予めタイル自体の厚さと、ドア枠の出寸法をチェックし、またスイッチやコンセントの有無も確認しておきましょう。
なお、今回対象となる壁は塗装用の下地クロスが貼られたプラスターボードの壁。
割り付け作業
汚れないように床を養生したら、まずは「割り付け」と呼ばれる作業。
基本的にタイルを貼る際は、どこかに中心を決めて水平・垂直方向に基準線を引き、それをガイドに貼っていきます。タイルの寸法と貼る面の上下左右の寸法を考慮し、予めガイドラインを引きます。
ちなみに今回は一番目を引くドアの中心から割り振りをしたので、ほらこの通り、ドア枠の両サイドでバランス良く貼れましたよ。
ボンドを塗ります
割り付けを終えてスタートする位置を決めたら壁にボンドを塗っていきます。ボンドは乾きが早いので、貼るスピードを想定してある程度の範囲で抑えました。
まずは普通のコテである範囲をざっとヌリヌリ。
次はくし目コテという溝の付いたコテでボンドを波状に仕上げていきます。こうするとタイルにボンドが乗りやすくなるんですね。
ようやく貼る工程!
お待たせいたしました。ようやく貼りましょう。
基準の線を目安にまず1枚。うーん、意外とあっさりくっついた。壁に圧着するようにグッと押し付けながら、ボンドの感触を確かめながらの作業です。
ちなみに通常タイルには目地を詰めるため目地幅を空けて貼るののですが、時間も手間も労力もかかるため、今回は目地無しで所謂「突き付け」という貼り方をしました。
また、馬貼りというタイルを半枚づつずらした貼り方をしています。縦と横のガイドラインと感覚だけを頼りに貼り進めます。
繰り返しますが、タイルが直線ではないため少し隙間を空けたり空けなかったり、ラインが通っているかを確認しながら貼り進めます。
タイルを切る
意外かもしれませんが、この切る作業が一番の難関かつ一番時間のかかる作業です。
貼る時間よりもこの切る時間の方が長い!
通常の磁器製タイルであれば、タイルカッターと呼ばれるタイル専用のカッターである程度簡単に切れるのですが、ブリックタイルはセメント製なので、ノコギリでレンガを頑張って切る、というより削り落とすに等しい作業です。レンガ用のノコギリで、ギコギコというよりガリガリ。
半分程溝ができたら体重をかけてエイっとやると、ボキっと折れます。
折れた断面は凸凹しているので、ニッパーやペンチである程度ガリガリやって真っすぐにします。
ちなみにプロはグラインダーと呼ばれる電動のカッターを持っているので切断は手動よりは簡単ですが、これはこれで信じられないくらい粉塵が舞います。部屋中にいる全員が真っ白になること間違いありません。
という事で、大半の方がこの切るという作業のところで断念されることでしょう。根性のある方のみ前に進めます。
細かな部分
大きな面は何の加工も必要なく、それこそ鼻歌混じりでフンフン貼り進められますが、窓枠やコンセント、壁際や天井と床の際等はカットが必要になります。
うわー、これも窓枠が邪魔してちょーっとの事でもカットしないとですね。
逐一寸法を測り、その寸法でカットする他ありません。頑張りましょう。
何度も言ってしまいますが、貼る作業よりもカットの作業により時間を費やします。窓枠や壁の端等の絡みが多ければ多い程カット数は多くなります。強い心と覚悟が必要になります。
貼り終わり
さぁようやく最後になりました、壁際です。切り口断面の見える見えないを気にして貼りましょう。
お、終わった!
ついに完成!おしゃれ店舗みたいな壁が完成しました!
こうしてサポーター2人+お客さん1人の2日間に及ぶ壮絶な戦いが幕を閉じました。
完成した瞬間の感動といったら、そりゃみんなで飲みにでも行っちゃいますよね!(実際には行きませんでした)
苦労をともにしたメンバーは既に戦友。記念写真もパシャり。素人がやるもんじゃない、との感想をいただきましたがこれで絶対に愛着と思い入れのある壁になったはずです。