本記事で使用している塗装のキッチンパネルは旧カラーです。施工方法は変わりませんのでご了承ください。
キッチンの使いやすさや見た目にも大きく関わる、キッチンの壁の仕上げ材選び。
水にも火にも強くて掃除も楽ちん。それでいて、周りの素材とも相性が良さそうな質感で仕上げたい。そんな時にぴったりなのが『塗装のキッチンパネル』。その名の通り、塗装して仕上げたようなマットな質感が特徴のキッチンパネルです。
今回は「塗装のキッチンパネル」のマットグレーを、キッチンリフォームの現場でプロに取り付けてもらいました。基本的な施工手順はもちろん、プロによる、細かな部分にまで気を配った丁寧な貼り方をご紹介します。
「今の家のキッチンの壁が気に入ってないんだよなぁ。自分でキッチンパネル貼れるかな?」と、考えている人も、プロの手順を見て、自分でできそうか参考にしてみてください。
「塗装のキッチンパネル」には「マットグレー」以外にも、上品なイメージの「チタンシルバー」と、背景として使いやすい「マットホワイト」も用意しています。
貼る前の下準備&確認
まずは、「塗装のキッチンパネル」を貼りつける場所の確認から。
ザ・現場。
工事途中の様子が伺えますが、この写真では、もともとついていたキッチンを外して石膏ボードが新設された状態です。今回は、この石膏ボードの上から「塗装のキッチンパネル」を貼っていきます。
「塗装のキッチンパネル」のサイズは長さ違いの3種類で用意しています。
W910×L1200/1820/2420mm
このサイズがぴったりハマれば良いですが、もちろんそんな奇跡的な現場はないと思うので、適宜カットしながら必要枚数を貼り付けていくことになります。
今回の現場では、一番大きいW910×L2420mmサイズのものを合計5枚使い、レンジフードの下端と窓枠を基準にパネルの貼り付け位置を決め、壁にガイドとなる印をつけていきました。
こちらはプロの現場でよく登場する「レーザー墨出し器」。水平や垂直の基準線を出すための道具です。レーザーを照射し、そのレーザーを拠り所に線を引いていきます。
見た目もカッコよく、使いこなせなくとも何となく持っていたくなるアイテムではありますが、なかなか持っている人もいないですよね。
プロの現場のように水平垂直にピッタリ綺麗!を求めないのであれば、床・壁からの長さを測ったり水平器を駆使すればガイドを引くことはできます。
ガイドが全て引けたら、主役の確認も。
W910×L2420mmの「塗装のキッチンパネル」マットグレー。
「ウラ」はこんな感じ。
「ウラの主張強いな!」って最初思いましたが、いざ貼る時にはこの文字があることで、裏表間違える心配がなくてかなり安心できました。
貼る前の注意事項として、運搬方法と保管方法にも気をつけた方が良いこともあるので紹介しておきます。
1.塗装のキッチンパネルを持ち運ぶ際は、水平に持ち上げないようにして垂直にたてて運ぶようにしてください。水平に持ち上げると重心が中央に集まり割れる危険性があります。
2.立てかけての保管は厳禁です。必ず平置きしてください。立てかけたままにするとパネルが反る可能性があります。
商品の施工マニュアルも用意がありますので、詳しく確認したいという方はマニュアルも合わせてご覧ください。
貼る場所の形に合わせてカット
事前準備が完了したら、ここからは「塗装のキッチンパネル」をカットしていきます。
先程のガイドを引く工程で既にお気づきだと思いますが、今回の壁には小窓もついているため、複雑なカットが必要そうです。
壁に引いたガイドと同じサイズで「塗装のキッチンパネル」にも印をつけて、その印にそってカットしていきます。
カットには丸ノコを使いましたが、刃はキッチンパネル用のものに取り替えています。
ちなみに、カッターで切れないこともありませんが、思った以上に硬く、何度も刃を通している間に断面がグズグズになる可能性があるので、やっぱり丸ノコでのカットがおすすめです。
そして写真をすっかり撮り忘れていますが、カットした断面には、撫でる程度にやすりがけをしています。バリを取り、綺麗な断面に仕上げています。
両面テープと接着剤で貼っていきます
カットが終わったら実際に貼り付けていきます。
使用するのは両面テープと接着剤。
両面テープは端を避けながらも四方を囲うように貼り付け、端と内側にまんべんなく接着剤をつけていきます。
接着剤を端につけた方が良い理由としては、そもそも両面テープの役割は接着剤が完璧に乾くまでの仮留め。しっかり取り付いてほしい端は接着剤で留めたいので、貼った時に接着剤が溢れて出てこない程度にしっかりつけましょう。
接着剤の用意が済んだら壁に貼り付けていきます。
接着剤が指につかないように持ち上げて、すっと貼り付けたい壁に押し当てます。
手順は簡単そうに見えますが、キズも汚れもつけられず、両面テープを使っているため、一度貼ってしまうと微調整も効かない一発勝負の世界のため、丁寧に間違いがないように貼っていきます。
貼るわけでもない私も勝手にドキドキしながら見ていました。
自宅で試すという方は、接着剤をつける前に、貼る壁面に対して実際にパネルを合わせて感覚を掴んでおくといいかもしれません。また、可能であれば、2人がかりで作業することをおすすめします。
そしてここからは、感動した貼り付けシーンをお届けします。
このようにカットされたものが、
こうやってハマります。
ピッタリ!気持ちいい!
よくみたら穴が開いていて、この穴なんだろう?と思いましたが、
照明用の配線の出口でした。
最後まで貼り終わりました!
「見切り材」の取り付け&コーキング
パネルが貼り終わって完成。と思うところですが、ここから「見切り材」をつけていきます。見切り材とは、仕上げ材が切り替わる部分に使う化粧材のこと。
サイドのパネルの断面が見えてしまう部分に見切り材をつけていきます。
「あれ、ここどこだ!?」って感じかと思いますが…。先ほどまで紹介していた現場では写真が撮れなかったため、現場は変わりますがこちらで紹介していきたいと思います。
この現場では「塗装のキッチンパネル」のマットホワイトが使われています。
今まで紹介してきた貼り方と同じ手順を行い、貼り上がった状態と思ってください。
まずは、見切り材を付けたい箇所数ミリだけが見える様な状態にするため、その周囲をマスキングテープで保護します。
貼り終わったらマスキングテープの間に接着剤を注入。
付けすぎると溢れるので一本線を引くようにすーっと引いてください。
マスキングテープを剥がしたら、あらかじめグラインダーでカットしておいた見切り材を「塗装のキッチンパネル」に挟み込むようにして取り付け。
見切り材取り付けの工程としてはこれだけです!
ちなみに、見切り材をつけたところ以外で、壁・天井・天板など、異素材とぶつかる部分にはコーキングを打ちます。コーキングとは隙間を塞ぐ作業のことで、防水性を高める効果があります。
コーキングを打ちたい周りに見切り材のときと同じ要領でマスキングテープを貼り、チューっと打っていきます。
こちらが完成写真。
引きの写真ですと見切り材とコーキングはほとんど見えませんが、しっかり施工されています。(タイルとの間は専用の見切り材ではない、別のものが使われています。)
「塗装のキッチンパネル」が貼られたキッチン完成!
2つの現場を使って紹介してしまいましたが、「塗装のキッチンパネル」が貼られたキッチンが完成しました!
塗装壁のような仕上がりなのに、キッチンパネルの機能はあわせもつ「塗装のキッチンパネル」。空間の中のベースの白とも、シナ材との相性も良く、いい意味でキッチンじゃないみたいな空間に仕上がりました。
こんなキッチンが仕上がったのも、綺麗に貼っていただいたおかげ。
文字で書くと工程としては簡単に思える貼り付けですが、実際は5枚の「塗装のキッチンパネル」を貼るのに、その内側の石膏ボードを貼る作業の倍以上の手間ヒマがかかっています。初めての人が貼ると1日がかりかもしれません。
綺麗に貼っていただいた大工の渡邉さんには頭が上がりません。丁寧にありがとうございました!
この方につくってもらいました
株式会社Cabbage Truck / キャベジトラック 渡邉光
toolboxでもお世話になっている頼れる大工さん。
設計から施工までまとめて行ったり、建築家案件の施工などをしてます。
壁一枚から家一棟、店舗一式工事までお気軽に。