普段から料理を楽しんでいる家ほど汚れやすいレンジフード。
ふと気づくと「汚れているなぁ」と思うのですが、ついついめんどうで後回しにもしがちな部分かなとも思います。
そもそも「レンジフードってどうやって洗うのが正解?」「内側の掃除のためにはどこを開けばいいの?」と、最初からつまずいてしまう人もいるのではないでしょうか。
ということで今回は、料理頻度の高いスタッフ宅にお邪魔し『フラットレンジフード』を掃除したときのことを紹介していきたいと思います。
掃除するレンジフードの確認
掃除をしていく前に、フラットレンジフードってそもそもどんな構造をしているのか見てみましょう。
こちらがフラットレンジフードの基本構造。
レンジフードの掃除と聞くと、手間が結構かかってしまうもののように感じられますが、基本的な構造を見ると、あら意外と単純な作り。
本体を拭くということは必要だったとしても、基本的に汚れやすい箇所は外側の吸い込み口の「パンチングフィルター」と、内側の「ターボファン」の2つだけです。
「それなら、頑張れそう……!」きっとそう思えてきたはずなので、実際に掃除をしていくレンジフードを見てみたいと思います。
油滴ってる!!
使い始めてからは2ヶ月ほどの家だったのですが、今日の撮影までにホームパーティーを開催していたため、このレンジフードの下で鉄板も使いながら肉を焼きまくっていたそうです。
さらには、撮影のためにあえて拭かないで放置もしてくれていたそうで、ちょっとドキドキするほど油が滴っていました。
綺麗にしがいのあるレンジフードですね。頑張っていきましょう!
表面に見えているフィルターを綺麗に
まずは、何をするにしても油が滴りすぎていたので、サッとキッチンペーパーで油を拭いました。
ちょっとした汚れであれば、拭くだけでも綺麗になるかもしれませんが、今回はしたたるほどの油量だったのでフィルターを外してしっかり洗うことに。
フィルターを留めているビス2つを、プラスドライバーを使って外していきます。
ドライバーを使うと大掛かりに感じるかもしれませんが、短いビスで付いているので少し回すだけで簡単に外れました。
カポっと外してここから洗剤を使っていきます。
手が荒れないようにゴム手袋を装着し、外したフィルターに洗剤を吹きかけていきます。
全面に洗剤を吹きかけると油汚れが浮いているのが目で見えました。
一旦キッチンペーパーで拭ってから水で流しました。
つるりと綺麗!
と、思ったのですが、「ん?」っとよく見てみると、フィルターに変なムラが!
本来フラットレンジフードには中性洗剤の使用をおすすめしているのですが、油汚れが簡単に落ちるという謳い文句に誘われ、実は今回は、アルカリ性洗剤の「換気扇レンジクリーナーストロングショット」というものを使っていました。
アルカリ性洗剤の力で、フィルターのアルミが変色してしまったようです……。中には「このくらい気にしないよ」って人もいるかもしれませんが、基本的には中性洗剤の使用がおすすめです。洗い流すときにはお湯を使いましょう!
ちなみに、別の家になりますが、中性洗剤の「ウタマロ」を使って掃除した時の様子がこちら。
1度洗っただけでは完璧に油汚れは取れなかったそうですが、2度洗いしたときにはアルカリ性洗剤を使った時と同じように、つるりと綺麗になりました。
内側に隠れているファンを綺麗に
塗装を少し剥がしてしまうという、人様の家であるまじきトラブルを起こしてしまったわけですが……一旦ソレは、おいておいて。
今回はみなさんに紹介するためということで、内側も綺麗にしていきたいと思います!
内側を掃除するためにはまず「フード」を外していきます。
「フード固定ねじ」をフィルターと同じくプラスドライバーを使ってくるくると。
こちらもビスは短いので、少し回したらすぐに外れました。
奥側がひっかかる構造になっているので、よっぽど乱暴に外さない限りはフードが落ちることはないと思いますが、ビスが外れたら慎重にフードを開けていきます。
そうすると見えてくるのが「ターボファン」と、それを留めている「スピンナー」というパーツになります。
スピンナーをよく見ると「ユルム」と文字が書いてあり、ユルムの方向にまわすことでスピンナーが外れるので、あわせてファンを軸から外します。
さてさてどれだけ汚れていることでしょうか……。
あれ、思ったより綺麗!!
フードを外したときからなんとなく気づいていましたが、使用期間2ヶ月だと内側はまだまだ綺麗でした。
フラットレンジフードの掃除は基本的に3ヶ月に1度(フィルターは1ヶ月に1度)行うことをおすすめしていますが、料理頻度によっても汚れ方は異なりますよね。
フラットレンジフードを使っているスタッフも多いので、2つの家の汚れ状態も紹介しておきます。みなさまの掃除頻度を決める参考になれば。
CASE1:3年間一度も開かなかった魔境(かと思われたが……。)
絶対に参考にしてはいけないかもしれませんが「3年間一度も開けてないんです……。」そう正直に教えてくれたスタッフ I宅。
どれだけの魔物が出てくるか戦々恐々と開けてみましたが、私個人の感覚では、思ったよりも汚れていないと思って驚きました。
料理の頻度:基本毎日 ※揚げ物はしない。
CASE2:細かいことは気にしない。もはや味と思っている「食洗機仕上げ」
半年前に洗ったのが最後という家のファンの状態。
こちらについても半年たっていますが、個人的にはまだ使うのに問題があるようには思えませんでした。意外と汚れにくいのか?レンジフード。
料理の頻度:基本毎日 ※揚げ物はしない。
ちなみに、お気づきの方もいるかもしれませんが、こちらのファンもよく見ると表面にムラのようなものが。
参考にしてはいけない事例ばかりで恐縮ですが、この家では「食洗機」を使って洗ってしまっているということでした。
食洗機に使われる洗剤は基本アルカリ性洗剤なので、それによっては変色がおこってしまうようです。食洗機をどうしても使いたい場合でも、洗剤を使わないお湯だけで洗う方が安心かもしれませんね。
同じ家のフィルターの様子。こちらも食洗機で洗っているとのことでしたが、この家では「逆にいい質感になった!」と、“食洗機仕上げ”を気に入っている様子でした。
さて、現場に戻りましてこちら。
正直綺麗だったのでファンの掃除はしていないのですが、当初の予定をお伝えしておきます。
ファンがすっぽり入る大きめのバケツを用意して、バケツの掃除が楽になるようにゴミ袋をかぶせ、ぬるま湯(約40℃)に洗剤を溶かしてその中にファンを浸し、スポンジで洗う予定でした。
ちなみに、レンジフードには大きく分類して「プロペラファン」と「シロッコファン」「ターボファン」の3種類があります。
「プロペラファン」は5、6枚の羽根で構成された扇風機のような見た目をしていて、「シロッコファン」は細かい羽根が複数枚筒状に配置されているものになります。
フラットレンジフードには「ターボファン」が採用されており、シロッコファンに類似してはいますが、シロッコファンよりも羽根の間隔が広くできているものになります。
それぞれのファンに特徴があり、どれが良い悪いというものではないのですが、掃除する観点だけで見ると、羽根が広い方がスポンジでも手が入りますし、洗う枚数も少ないので楽そうです。
最後に本体を拭き掃除
汚れがひどいだろうと思われるフィルターとファンの掃除が終わったら、最後に本体に飛んだ油を拭いていきます。
まずは洗剤をつけた雑巾で拭いたあとに、水拭きで拭いました。(こちらも、今回はアルカリ性洗剤を使ってしまったのですが、中性洗剤の使用をおすすめしています!)
そんなに汚れていなかったのでさらっと。
全部拭き終わったら、外したファンやフードを、外したときと逆の順序で戻してください。
綺麗なレンジフードになりました
油汚れとどれだけ格闘するのか。最初は不安な気持ちで撮影に臨みましたが、思ったよりも苦戦することなく、すっかり綺麗な姿になってくれて、とっても晴れやかな気持ちで掃除を終えられました!
結局は掃除をする最初の一歩がおっくうなだけで、掃除をはじめてしまえば、どんどん綺麗になっていく姿にテンションは上がっていくんですよね。
今回、記事を書きながら複数の家の汚れも見せてもらいましたが、想像していたよりも汚れていなかったのが印象的で、自分の脳内での「レンジフード 掃除」というワードに対するネガティブなイメージが強すぎたなと感じました。
私と同じように思っている方がいましたら、とりあえずフードを開けてみると「この汚れなら容易くやっつけられる!」と感じて、掃除へのモチベーションも上がるかもしれません。
綺麗なキッチン空間づくりの参考になれば幸いです。
(橘川)