主な材料・道具
自宅の壁に棚を付けたいけど、自分で棚をつけるのは難しそうだなと思っている方。結構いるのではないでしょうか。
DIY初心者の私も棚をつけるのは、棚板を平行にするために注意しなければいけないことが多くて大変そうだなと思っていました。
でも、いつかはチャレンジしたいと思っていたので、新しくダブルレールが追加された「ウォールディスプレイパーツ」を使用して可動棚をつくってみることに。
妄想を膨らませて簡単な図を書くところから、棚板用の合板を購入して塗装するまでを前編で紹介。棚をつけて完成するところまでを後編として、今回ご紹介します。
完成したものがとても気に入ったので、最後にはスタイリングまで行いました!
ちなみに今回は自宅ではなく、会社で作業を行い、会社のスタジオに取り付けています。
妄想を膨らますことから始めよう
壁に棚を付けるとなったら、まずはどこに取り付けるのか、どんなものを置きたいのか妄想します。
私は自宅で働く時間が長いので、自宅の作業机の上に収納をつけるイメージで妄想を膨らませていきました。
右側にパソコン、左側にモニターを設置するからそれに合わせてランダムに収納が欲しい。
モニターの上の段には、植物やお気に入りの小物など、仕事中にふと目に入った時に心安らぐものを飾りたい。
右側の一番下の段は座ったまま手が届く位置にして、仕事中にパッと使う、ペンや定規など、実用的なものを置きたいな。その上にはお気に入りの本や仕事用の本をずらっと並べたい。この二つは棚の奥行きを浅くしよう。
一番上の段は資料や分厚めの雑誌、たまに使用するものをボックスに入れて収納しておきたい。
机の上の収納だし、圧迫感も出ないように高さは1200mm程度にしよう。
こんな風に妄想を膨らませていって、棚の数や棚板のサイズ、ブラケットのサイズを決めていきます。
今回使うのは『ウォールディスプレイパーツ』。壁面に好きなものを飾るための可動棚パーツです。
レールにブラケットのフックを引っ掛けるための穴が25mmピッチで複数空いているので、用途に合わせて棚の高さをさくっと変更することができます。
取り付けは合板もしくは木製の下地に対してしっかりとビス留めする必要があるものなので、妄想と合わせて下地の確認はしておくことをおすすめします。
ラワンの積層合板を購入し、『BRIWAX』のダークオークで塗装しました。
棚板を購入して塗装するまでの工程は、以下の記事で詳しく紹介しています。
取り付けるのは控えめな鈍い光沢感に、少しムラがあるグレーの渋い色味が特徴のパーツたち。
ウォールディスプレイパーツ
シングルレール L1200 ×2
ダブルレール L1200 ×1
ブラケット250(L)×3
ブラケット250(R)×3
ブラケット150(L)×2
ブラケット150(R)×2
レールはどこに取り付ける?
いよいよここから「ウォールディスプレイパーツ」を壁に取り付けていきます。
可動棚を取り付ける際のポイントは「レールを等間隔に垂直に設置すること」と「レールの設置高さを揃えること」。レールの高さを揃えることで棚板が水平になります。
まず最初に、1200mmの机の上のどのあたりに設置するのか、高さを決めていきます。
パソコンやモニターを置くことを考慮し、机から少し上の位置にレールを設置したいので、木材を持ってきて、その上にレールをのせます。
木材を使うことで机からのベストな高さを導き出し、測らずとも3つのレールが同じ高さに設置できるようにしようという作戦です。
しかし、そもそも机本体が傾いていたり、置いた木材の厚みが異なっていることもあります。より丁寧に設置したい方はレーザー墨出し器を利用して、床から水平を出してそこにレールの下の部分を合わせることをおすすめします。
今回は、机の高さは同じだと判断してこの方式で進めていくことにします。取り付けていく段階で、しっかり確認して調整するので、まずはさくさく進めていきます。
実際に椅子に座って、どの高さに棚があったらいいのか、体感して高さを決めていきます。
会社の工房にあった木材を3つ重ねたらちょうどよさそう。自分の感覚を信じて決断しました。
軸となるレールを壁に取り付ける!
「ウォールディスプレイパーツ」は、取り付けには厚さ12mm以上の合板あるいは木製の下地が必要で、下地に対してしっかりとビス留めすることが欠かせません。
今回は、全面ビスを打ち込めるように厚めの合板で下地を組んでいる会社のスタジオに取り付けるので、自分の好きな位置に設置できます。
しかし、実際の住宅ではそうはいかない場合の方が多いと思うので、下地センサーなどを利用して、下地がある場所を確認して、そこに取り付けるようお願いします。
下地については以下の記事で詳しく紹介しています。
取り付ける場所を決めたら、先ほどの木材の上に置いた状態で、一番上だけをビスで固定。
ここで重要なのは、これからレールが垂直になるように調整するために、上か下どちらか一箇所を固定すること。
固定できたら登場するのが、『基本の道具工具 水平器』。
レールの上だけを固定したので、水平器をパーツの横に据えて、床と垂直になるように調整します。
気泡が線と線の真ん中にくるように。
調整したら、レールを動かさないようにして、素早くインパクトで固定!
まず、軸となるものが出来上がりました。
次に設置するレールの位置を決めるため、長さを測って印をつけます。
レールの間隔は600mmになるように計画していたので、差し金を使って1個目のレールから右端揃えで600mmになるように印をつけました。
印に合わせて、事前に設置していた角材の上にピッタリレールを載せて固定。一本目と同じ高さで設置することが重要ですので慎重に作業を進めていきます。
一番上を固定したら、先ほどと同じように水平器をつかって床と垂直になるよう調整。
この時、列が等間隔になっているか、レール間の距離を3箇所ほどコンベックスで確認します。等間隔になっていることが確認できたら、レールをビスでしっかりと固定します。
二つのレールを取り付けられたら、ブラケットをつけて棚板を置いて、水平になっているか確認します。この水平器を置く瞬間、なんだかすごくハラハラします。
確認してみると、気泡が真ん中にきてました。無事床と棚板が水平になるよう取り付けられたようです!よかったー!
以降は、今までと同じ工程で3本目まで取り付けたら、棚板をおいて水平になっているか確認します。
ちなみに、横からみるとこんな感じ。計画した通り、ブラケットが棚板の3分の2以上をしめています。
苦戦した棚板にブラケットをとりつける作業
完成が見えてきてテンションが上がってきたところで、塗装した棚板にブラケットを固定していきます。
棚板がブラケットに対して左右100mmずつでるように計画していたので、レールから棚板が100mm出る位置になるよう調整して、左右均等になるか確認。
左右どっちもみてみると1、2ミリのずれはありましたが、まあ許容範囲でしょう!左右均等になるよう位置の長さを測ります。
差し金の90度のところと壁を利用して、先ほど測った長さで裏面に印をつけます。
90度の部分を利用して、ブラケットの位置を印つけ。
印に合わせて棚板をブラケットの上にのせてみます。
ビスの位置を測って印をつけるのはなかなか手間がかかって大変だと思ったので、板をブラケットにのせた状態で下からビスで跡をつけておきます。これが下穴の役目も果たします。
下穴に合わせて、ビスで固定!
ブラケットの位置がずれないように、まっすぐビスを取り付けていきます。
ブラケットが取り付けおわったらレールに棚を取り付けます。
緊張の一瞬です。が、ここで問題が……。
ブラケットがレールにはまりません!後少しなのですが、この少しがハマらないのです……。
きっと固定する時にブラケットの角度が少しずれてしまったのだと思います。そのため、一旦外してやり直します。
測って取り付けてみても若干のずれが出てしまったということなので、今回はブラケットに棚板を配置した状態で下から取り付けてみることにします。
上からしっかり棚板を抑えて、インパクトで固定。今度は無事に取り付けができました!
大きく穴の位置がずれていた訳ではないので、失敗した軌跡は見えることなく綺麗に仕上がりました。
最後に、一番上の棚が隣合わせになる部分について取り掛かっていきます。
肝心なところの写真を撮り忘れてしまったのですが、隣合わせになる部分はピッタリ合わせず、隣あった板の間に1mmほど間隔が空くように調整します。
棚は気温の変化によって収縮するもの。ぴったりに揃えすぎてしまうと、レイアウトを変更したくなった時に、板がぶつかって設置できないなんてことも考えられるので、隙間を空ける必要があるのです。
取り付けたものを断面としてみると、こんなにギリギリ。
端ギリギリを狙うと割れてしまう危険性が高まるので、下穴をあけて、ゆっくり丁寧に作業を行うことがポイントです。
このブラケットを棚板に取り付ける一連の作業が、一番大変で神経を使った気がしました。乗り越えられてよかったです。
完成!
ブラケットが全て付け終わったら、妄想の絵を思い出しながら全体のバランスをみて棚板を設置。そして、完成!
工程をならべてみました!
スタイリングしてみたら、良さがより際立った
完成した棚に、仕事のスペースとして使用する時を思い描いてスタイリングしてみました。
めっちゃいい!と一緒に作業したスタッフと2人で感動。ものを置いたことで、このウォールディスプレイパーツと棚板の組み合わせ、配置の良さが際立った気がします。
このまま家に持ち帰りたくて仕方なくなりました……。
一番下の段は作業をしながら、すっと手を伸ばして取りたいペンや、視線に入ってきて欲しいカレンダーを配置。奥行きも上のものより浅めにしたので、圧迫感もなく、更に目線も彩られてふとした瞬間に幸せを感じます。
少し斜めから見るとグレーのパーツと棚板の色がすごくマッチしているのがよくわかります。大満足の出来栄えです!
よくある可動棚ではなかなか感じることは難しい、重厚感が出た気がします。
おまけで、レイアウト変更を試してみた
今回は見た目的に一番上の棚以外は左右どちらも100mmずつ出っ張るように棚板を用意しましたが、ダブレールをより有効的に使うには、どちらか一方は出っ張らないようにするとレイアウト変更がしやすいです。
どちらにも対応できるように、今回は短い幅の棚板も用意していたので、そちらを利用して、どんなレイアウトができるのか、試してみました。
隣合わせにすることも、左右の位置をずらすこともできるので、色んなレイアウトを楽しむことができます。
色々試す中でちょっとだけ段差をつけると本を立てかけるブックエンドの役割を果たしてくれることも発見!
一回位置を決めたら、位置を変える機会はそんなにないかもしれませんが、気分によってすぐにレイアウトを変更できる可動棚の良さを改めて実感しました。
この記事が少しでも皆様の参考になると嬉しく思います。
今回使用した棚板を購入したり塗装した過程は以下の記事で紹介してますので、是非ご覧ください!