主な材料・道具
- 今回は自社で所有する工具で作業したので費用算出していません。
ステンレス天板の表情を変えられないか?
「今あるキッチンの仕上げが好きじゃない」「面材が古くなってボロボロ」といったお悩みを解決するべく、toolboxでは『キッチン扉交換』というサービスを生み出して、面材のイメチェンをやってきました。だけどこれまで手が出せなかったのが、ステンレス天板。
「モノ自体は使えるのに、天板の表情が気に入らないという理由でキッチン丸ごと交換になっちゃうのはもったいないなと思って」と話すのは、ツールボックス工事班(TBK)の一杉。キッチンの面材だけでなく、ステンレス天板もリメイクすることができたら……?と閃いて、「研磨して表情を変える」というチャレンジをしてみました。
チャレンジの対象にしたのは、「I型のシステムキッチンを2つに切って、L型にする」というリメイクをしてみた、『studyroom#1』のキッチン。やりたい間取りには合わないけれど、まだまだ使えるキッチンを活かしたい!ということで、切ってレイアウトを変えてみました。キッチン切断リフォームの詳細はこちらの記事でもレポートしていますので、ぜひご覧ください。
そんなわけで、ステンレス天板が真っ二つに切られた状態から作業をスタート。
元々の天板はエンボス加工仕上げ。研磨で細かな傷をつけまくることで、これをザラッとマットな表情にしてみたい。いかにも「工業製品」な表情に素材感を加えることはできるのか、トライしてみます。
研磨の工具を揃える
まずは道具の準備です。「システムキッチンのステンレス天板を研磨する」なんて初めてなので、まずはどんな道具が使えそうかを調べて、いろいろ揃えてみました。
インパクトドライバー用の金属製ワイヤブラシ各種に、ディスクグラインダー、そしてランダムオービットサンダ。主に素材の研磨に使われる工具たちです。
掃除をして汚れを取る
そしてステンレス天板側の準備として、掃除をします。天板に染みついた油シミは、研磨することでも取れるのですが、ステンレス天板の細かい目に入り込んでいるので、メラミンスポンジでこすってある程度キレイにしておきます。
ステンレス天板の汚れ落としの強い味方であるメラミンスポンジですが、汚れを削り落とす強さを持つので、「これで天板の表情が変わっちゃったらどうしよう(笑)」と一杉。しかしエンボス加工はちょっと擦ったくらいではびくともしませんでした。
ひたすら研磨する
目立つ汚れがそこそこ取れたところで、研磨を始めていきます。
まずは、インパクトにセットしたワイヤブラシで、粗く研磨していきます。金属を研磨するときは細かい粉が出るので、マスクを着用しましょうね!
インパクト+ワイヤブラシでは思ったほど効果を感じなかったので、より研磨力の高いディスクグラインダーで研磨していくことに。ディスクグラインダーは、木や金属、タイルや石材の切断や研磨などに使用される工具。今回はインパクトよりもパワフルな回転を期待して使ってみました。
インパクトで研磨するよりも削れている実感がありましたが、ステンレス天板が薄く、歪んだり穴が空いたりするかもしれないので、恐る恐る作業を進めました。局所的になることを避け、なるべく均一に全体を研磨していきます。
ディスクグラインダーでざっくり研磨したら、インパクトに持ち替え。ディスクグラインダーで粗く研磨したところを、インパクト+ワイヤーブラシでさらに細かく研磨していきます。
ワイヤーブラシを「粗いブラシ」→「細かいブラシ」と変えながら作業を進めます。
続いてはランダムオービットサンダの登場。こちらも木や金属の研磨に使う工具で、回転運動+偏心運動で研磨ムラが発生しにくいという特徴があります。
ランダムオービットサンダで研磨をする際も、取り付けるサンドペーパーの番手を、「粗いもの」→「細かいもの」というふうに変えながら研磨を重ねていきました。ここまで研磨してきた面をランダムオービットサンダで整えていくイメージ。
「全然削れてる気がしない……」と、傷がつきにくいと謡うエンボス加工の強さに心が折れそうになる一杉。手についた金属の粉塵を見ては研磨できていると信じて、作業を続けます。
作業をひたすら繰り返し、全面をムラなく研磨していきます。
「こういう作業は職人にお願いできないからなぁ。“どれぐらい”ってのがないもんね。はあ、ここにテレビ欲しい(笑)」(一杉)
今回のステンレス天板研磨は、“正解”のない作業。自分の感覚だけを頼りに突き進むしかありません。
時々天板を拭いて、変わり具合をチェックします。
「どうこれ、変わってる?ずっと見てるから変化がわかんなくなってきた(笑)」(一杉)
変わって……る気がします!頑張って!
.完成!
そうして作業を重ねること数時間。その仕上がりは……? 研磨する前と比べてみましょう!
おっ!ずいぶん変わったと思いません!? エンボス仕上げの凸凹が抑えられて、光沢がマットで上品な感じになっています。
最後は研磨で出た細かな金属粉をよーく拭き取ってください。
その後、L型にリメイクしたキッチン本体と組み合わせた姿がこちら。マットな表情に変化したステンレス天板が、継ぎ足した天板の左官仕上げの質感と馴染んでます。エンボス加工のままだったら、ちょっとステンレス天板の存在が浮いていたかも。
研磨後の天板は新品状態に近づいたためか、水染みが目立ちやすくなりましたが、使ううちに馴染んで目立ちにくくなっていくと思われます。
かねてからやってみたかったチャレンジにトライできて、一杉もご満悦。「大変だったけど、研究を重ねてまたやってみたい」と探究心は尽きません。「ステンレス天板リメイク」の技法を確かなものにするべく、これからも研究と修行を重ねていきます!
ツールボックス工事班|TBK
toolboxの設計施工チーム。
住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。
ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。
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※毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。