ピカピカのムキムキボディ
単車のフレームのようなクロームメッキのピカピカ感。昨今流行の華奢でモダンな水栓とは一線を画す、豪快なカーブを描く屈強そうなスパウト。ゴツゴツしたバルブナット、ミチっと中身が詰まったような重量感のある台座。
力強いフォルムは、まるで筋肉ムキムキのアメコミヒーロー。その見た目通りの、タフさが売りの水栓です。
アメリカ生まれ、厨房育ち
ムキムキボディのワケは、その生まれ。『ワーカーズ水栓』を製造しているのは、アメリカのFISHER社という1936年創業の厨房用水栓メーカー。
今回ラインナップした水栓たちは1980年代には販売を開始しており、以来、アメリカの巨大フード・ビジネスの現場で働く人々を支え続けてきました。
厨房用に作られているので、耐久性が高く、機能がシンプルで壊れにくいのが特徴。取り付け前の水栓を持ってみるととてもずっしりしていて、その金属の塊感が頑丈さを物語ります。レバーハンドルは90度開閉で、少ないレバー操作で吐水の全開と止水が可能なつくり。「世界の厨房で戦えるタフさが第一」というメーカーの思想が形に現れています。
チャーミングな一面も
40年以上、ほぼデザインが変化していないというワーカーズ水栓。現場の第一線で長く使われ続けてきたその形には、流行に媚びない潔さと、時代を超えても色褪せない存在感があります。
がっしりした印象が先立ちますが、細部を見るとチャーミングなところもあります。ゴツゴツしたバルブナットにちょこんと乗ったこぶりなレバー、「HOT」と「COOL」の刻印がされたキャップのカラーとチープな素材感。バルブナットやスパウトの先端に型番やサイズが刻印されているところも、「アメリカの工業製品」というストーリーを感じさせてくれるポイントです。
「スパウト長さが選べる」が生む可能性
ラインナップは「台付け混合栓」と「台付け単水栓」、「壁付け混合栓」と「壁付け単水栓」の4タイプ。キッチンにも、洗面や手洗いにもお使いいただけます。
実はこの水栓には、さらに魅力があります。混合栓のスパウト長さが、3サイズから選べるのです。
スパウトの長さが選べるということは、さまざまな奥行きのシンクや取り付け位置に対応できるということ。例えばリノベーションで給水管の位置が変えにくい場合や、大きなシンクにしたい場合、キッチンの奥行きをコンパクトにしたい場合などに対応できます。
さまざまな使い勝手に応えることを考えてつくられた厨房用ならではの、自由なキッチンづくりにうれしい特徴です。
気楽に付き合えるキャラクター
ワーカーズ水栓はその出自もあって、『オーダーフレームキッチン』のような、厨房的キッチンづくりによく似合います。『アイアンスタンドシンク』や『ミニマルシンク』などでつくる、「流し」的な空間とも好相性。
厨房をイメージさせるスタンダードな白タイルの空間や、コンクリート壁にも馴染みそうです。
スパウト長さが選べるメリットを生かして奥行き浅めのキッチンをつくりたい場合には、『オーダーキッチン天板』との組み合わせがおすすめ。
多少荒々しく使ってもへこたれず、長く付き合えるタフさとデザインを備えた水栓。気負わない暮らしの相棒に、迎えてみませんか?