心の余白は階段から
階段って、ただ上って下りるだけの空間ではないと思うんです。
家族でにぎわうリビングから寝室に向かうときは、あくびをしながら自分自身のスイッチをオフにしたり、朝になったら「今日も1日がんばるぞ」と、気合を入れて駆け下りたり。
こだわりのフローリングに真っ白な壁、そこにスッと一筆書きのように伸びる手摺。思考もリセットされるミニマルな空間は、忙しい日々にほんの少しの余白をもたらしてくれる予感がします。
ちょうどいい「鉄の手摺」
理想の空間に似合う手摺が欲しい。そう思って探してみると、意外とちょうどいいものってないんです。
デコラティブだったり、鉄ならではの重厚感がありすぎたり。ようやく気に入ったものに出会っても、フルオーダーで注文に手間がかかる上に、予算的にも手が出せないなんてことも。
というわけで、形・質感・価格がちょうどよくて、誰でも簡単に注文できる『鉄の手摺』が完成しました。
サイズは500mmから3800mmまで。1cm単位でお好きな長さにオーダーできます。
空間を引き締める、美しい佇まい
目指したのは、機能美に満ちたアノニマスな存在感。
薄さ約9mmの鉄の板に丸いブラケット、余計なものをひたすら削ぎ落としミニマルに仕上げました。
すっきりとした見た目は、鉄製なのにとっても軽やか。どんなスペースにもなじみがよく、一本線のような美しいラインは空間を引き締め、凛とした佇まいが絵になります。
ブラケットが丸いので階段は斜めに、踊り場や玄関にはまっすぐになど、空間や用途にあわせて自由に角度を調節できます。
「黒皮」の表情に惚れこんで
手摺は鉄そのものに魅了され、60年以上さまざまな製品を手がけてきた、神戸の鉄職人さんと一緒につくりました。
「黒皮(くろかわ)」と呼ばれる質感は、味わいのある無骨さが魅力です。高温で熱した鉄は、空気に触れることで酸化被膜が発生。化学変化で黒く色づき、錆びにも強くなります。
一般的な鉄製品はこの上に塗装を施して、傷や色ムラなど「個性」とも呼べる持ち味を、隠してしまうことがほとんど。しかし、そこをあえてそのままに。塗装では表現することのできない、黒皮の唯一無二な表情を楽しむことができるのです。
仕上げにワックスを塗っていますが、手摺は毎日触れるもの。手の皮脂によって色の濃淡が生まれ、時には少し錆びることもあるでしょう。育ちゆく素材の特徴を、おおらかに受け止めていただけると嬉しいです。
「焼付塗装」も選べます
バリエーションとして「焼付塗装」を施したものもご用意しています。「白」と「黒」の2色から選べるので、白い空間に白い手摺を溶け込ませる。そんなアレンジも素敵です。
手摺ではありますが、グリーンをぶら下げたり、ちょっとした小物を飾ったり。空間づくりのアクセントとしても活躍します。
ちなみに階段にもうちょっとぬくもりがほしい場合は『木の手摺』もあわせてご検討ください。