「控えめ」という選択肢
空間設計で照明器具選びをするとき、大きく分けて2種類の選び方があります。
ひとつは、照明器具自体がかっこよくて、照明器具を空間の象徴やアクセントにしたいとき。もうひとつは、照明器具というよりは、光そのものだけが欲しいときです。
プレーンな空間の場合は、照明器具の主張すらも邪魔なことがあります。じゃあ、シンプルなものであればいいのかというと、そうでもなくて、これがなかなか難しい。
磁器製や樹脂製のレセップはよく見かけますが、壁の質感によっては、釉薬の艶が微妙に合わなかったり、素材感がちょっとチープでイマイチだったりと、あかりだけが欲しい空間に合う、これだ!と思える照明器具は、なかなか見当たりませんでした。
そんな中やっと見つけたのが、この『モデストレセップ』。空間もあかりも邪魔をせず、むしろ引き立ててくれる。「控えめ」という表現がしっくりくる直付け照明です。
プロが欲しかった照明
この商品の企画開発は、照明設計を仕事としている方が、照明器具メーカーにアイデアを持ち込んでスタートしました。動機は、空間の照明計画をしていて、使いやすいシンプルなレセップがなかったからです。
電球と建築をつなげる円錐台状のボディは、壁や天井に映し出されるあかりを極力邪魔しない形。小さめの電球でもしっくりくる、細めのプロポーションです。取り付けビスなども表に見えないので、壁や天井もすっきりします。
仕上げは艶のないマットな質感。ボディ自体があかりを受けて、反射することもありません。
「ホワイト」は磁器の素焼きのまま。型で成形をする過程で生まれたそのままの表情が特徴です。よく見ると少しだけデコボコした質感をしています。
「ブラック」と「グレー」はひとつひとつ手作業で、刷毛(はけ)塗りをした焼き付け塗装。こちらは塗装特有の刷毛ムラがあります。マットな質感と自然なデコボコやムラが、壁や天井によくなじむんです。
壁や天井の仕上げ材には、壁紙や塗装、ときには塗り壁など様々な素材がありますが、ツヤのある壁はあまり多くなく、比較的マットで凹凸のある質感のものが多いと思います。このレセップなら、どんな壁・天井とも相性がよく、あかりを引き立ててくれるのです。
照明計画の現場からのリアルな意見が反映された、まさにプロが欲しかった照明です。
さまざまなシーンで使えます
僕がこのレセップを気に入っているのは、謙虚さはもちろんですが、一番の理由はとても汎用性が高いところです。
天井、壁どちらも使えますし、単体でも複数使いでも絵になります。焼き物ならではの上品な質感は、様々な部屋に溶け込むことでしょう。
サイズはMとLの2種類。「Mサイズ」の外寸はφ55×高さ55mm、「Lサイズ」はφ70×高さ70mm、どちらも手のひらに収まるほどの大きさです。
電球の口金サイズは一般的なE26。合わせる電球はMサイズにはφ50・70くらいのボール球が似合います。 Lサイズにはφ70・95くらいのボール球やエジソン球がバランスよくお使いいただけます。電球はこちらから合わせてどうぞ。
100Wの電球まで使うことができるので、複数灯使いで広い空間に使ったり、60W電球でトイレや洗面などの小さめの空間に合わせたり、あらゆるシーンにおすすめです。