軽やかな金属
金属と聞くと、鉄やステンレス、真鍮など、どっしりとしていて重厚というイメージを思い浮かべますが、金属らしからぬ軽やかでやわらかな雰囲気を持っているのが、アルミ。
白っぽく明るい銀色は、アルミ自身の色。酸素と結合することで表面に酸化皮膜を形成するアルミは錆に強く、メッキや塗装を施されることがほとんどありません。
軽くて丈夫なため、薄く成型できることもアルミの特性のひとつ。自転車、航空機など、軽量であることが求められる分野で多用されています。
無機質な素材なのにどこか懐かしい温かさを感じるのは、アルミの鍋やアルマイト食器など、昔から日本人の暮らしに身近な存在だったからでしょうか。使い込まれたアルミの凹んだり黒ずんだりした表情にも、なんとも言えない味わいを感じます。
そんなアルミのキャラクターをそのまま形にしたような、素朴なデザインのペンダントライトです。
手仕事がつくる縞模様
アルミのシェードは「へら絞り」という昔ながらの職人技で作られています。
へら絞りとは、金属の伸びる性質を利用した加工技術のこと。
円盤状にした金属板を回転する機械に取り付け、「へら」と呼ばれる棒状の道具を押し当てて、継ぎ目のない立体物を成型していきます。陶芸で、ろくろを回して壺や器をつくる様子に似ています。
プレス加工よりも金属の厚さをコントロールすることに優れているへら絞りは、日本が誇る金属加工技術のひとつ。
古くから食器や調理器具などの加工に用いられ、通信衛星のパラボラアンテナやスペースシャトルの部品などもこのへら絞りによって加工されているそう。
へら絞りで仕上げられたシェードは、円状に細かく刻まれたラインが特徴。メッキも塗装もほどこさない素のままのアルミだからこその模様なのです。
ノスタルジックな小さな明かり
他の金属に比べて、クセが少ないこともアルミの個性。ニュートラルな存在感で、さまざまなインテリア空間に馴染みます。
アルミはアウトドア用の食器に使われることも多いので、グリーンをたくさん飾ったお部屋なんかにもよく似合います。かと思えば、ミニマムな洗練された空間にも似合うから不思議です。
ラインナップは、小さな平皿のような形の「AシェードΦ195」と円錐型の「CシェードΦ185」。小さな明かりがほしい場所にはもちろん、キッチンカウンターやダイニングテーブルの上に複数灯吊るのもおすすめ。
口金はE26で、電球は100Wまで対応。あえて照度の低い電球で、ノスタルジックな雰囲気に仕上げるという手も。アルミのシェードは光を反射するので、まぶしさが気になる場合は、光をやわらかく放つホワイト電球との組み合わせがおすすめです。
一般的な引っ掛けシーリングに取り付けでき、『ライティングレールプラグ』の引掛シーリングを使えば、ライティングレールにも取り付けられます。
コード長さは約70cm、付属のコードリールで吊り下げる高さの調整が可能。ささやかなこだわりですが、こちらのコードリールもアルミ製。円形のプレートに穴が開いただけの、空間を邪魔しないシンプルな形です。
ザ・アルミな姿、ザ・ペンダントライトな形。飾らない、素のままの素材と形を堪能してほしいペンダントライトです。