古い空間に合う照明
私が初めて自宅のリノベーションに取りかかった時、床材でも壁材でもなく、何よりも先に購入してしまったのが、この照明でした。
用意する順番としては、照明は一番最後でも良いのですが、イメージしていた部屋の雰囲気にあまりにぴったりで、ひと目惚れしてしまったのです。
築45年の和室を、フローリングの部屋にリノベーション。木の窓枠など古き良き時代の要素を残しつつ、床は無垢フローリングで壁は白塗装、アンティークの家具に、白いモザイクタイル、真鍮のタオルハンガー……と妄想を膨らませていた時のことです。
昭和生まれのレトロモダン
クラシカルだけど、デコラティブではない。ガーリー過ぎない少し渋めの装飾が、ちょうど良いアクセントになっていて、明かりをつけていない時も絵になります。
この照明が作られ始めたのは昭和29年。日本人の文化に洋食・洋服などが登場し、デパートが賑わい出した時代。
当時主流だった手吹き硝子の照明を、当時から作り続けているメーカーのものでした。どうりで、古さを生かした空間に抜群に似合うはずです。
照明のパーツは、硝子は手吹き、ソケットの上に添えられた木製パーツはろくろ挽きと、今も昔ながらの製法で作られ続けています。
硝子のシェードの上でアクセントになっている木製のパーツは、ヨーロッパの家具の脚などに多用されていた挽物を思わせるデザイン。真鍮色のリングパーツと相まって、素朴な手拭き硝子のシェードをさりげなく飾り立てています。
手吹き硝子のシェードは手仕事のため、硝子に少し気泡が入ることもありますが、それもご愛嬌。厚みのある硝子の表情に、機械の仕事には無い味わいを感じます。
硝子ならではのやさしい明かり
その後、引っ越した現在の家のダイニングでも、この照明が活躍しています。海外のアンティークテーブルと合わせていますが、違和感なく好相性。
φ23.5cmのシェードで、ダイニング照明としては少し小ぶりなサイズですが、2人掛けのテーブルにも、4人掛けのテーブルにも、どちらも良く似合います。
シェードが硝子なので天井まで光を拡散してくれて、電球は100Wまで使えるので十分な明るさを得ることができます。
「クリア」は空間をすっきりと見せ、「乳白」は柔らかく照らしてくれます。
口金はE26、コード長さは約70cmで、シェードを含む全長は89cm。付属の木製コードリールで吊り下げる高さを調整できます。
一般的な引っ掛けシーリングに対応しており、『ライティングレールプラグ』の引掛シーリングを使えば、ライティングレールに取り付けることも可能。
ダイニング以外に、玄関や階段に取り付けても映えそうです。
光を受けてゆらめく手吹き硝子の表情を、楽しんでください。