欲しいのはドアらしいドア
たとえばビンテージマンションと呼ばれる年代物の建物に付いているドア。
一枚の平らな面材に、丸いドアノブひとつ。
飾らず、握って回すと開く、工業製品として至極真っ当な存在のドアが好きです。
そんなドアにはやっぱり、ポツンと付けた何でもないドアノブが似合います。
ただ心配なことは、当たり前にたくさん選択肢があった「ふつう」のドアノブは、もう普通の存在じゃないということ。
使いやすさ、利便性の観点から昨今の主流はレバーハンドル。装飾がなくて使いやすい「ふつう」のドアノブは、どんどん数が減ってきているのが現実なんです。
必要なときに受注生産で納期の折り合いがつかなかったり、廃盤になってしまったりするモデルもあります。だからこそ使いたいときに当たり前に存在していて欲しい。それが理由で私たちは「ステンレスドアノブ」をラインナップします。
ステンレスの潔さ
手にとると感じる、ひやりと硬質なステンレスの重み。握ると金属の質感がダイレクトに伝わります。メッキも塗装仕上げもなし。ヘアライン仕上げによる鈍い光沢のみが特徴です。
握って気がつくディテールは、握り玉部分がカクっと折れてつくられる稜角は密やかな主張があります。こちらも狙いすぎてないやり方で柔らかすぎない、工業的な印象をつくっています。
ステンレス素材そのものの質感と、小ぶりで丸い存在感がラワン等の板張りのドアと高相性。そして、ただの白いメラミンでつくったドアにも似合う。米軍ハウス、フラット、アパルトマン…。欲しかった工業製品感が手に入ります。
バリエーションは家一軒分揃えられるように、空錠と、錠付きの2種類。洗面スペースやトイレにも選んでいただけます。
昭和の時代からつくられ続けている形
昭和の時代から長いあいだ製造されて続けている形なのだそう。リーズナブルながら、その操作性と耐久性には信頼が持てます。
製造しているのは昭和初期に創業したメーカー。小さなパーツの数々に対して施された金属加工技術の高さは、現代もほぼすべての製造を国内で行っているというから納得。
ドアノブに多く見られる装飾的なレトロに偏らないデザイン性も魅力です。ドアは家の中にいくつもあるアイテムなので、全体の雰囲気に合わせて選んでいきたいもの。深く考えないとその操作性から自然とレバーハンドルが選ばれていたり…。
もう一度光を当てるべく、ドアを構成する大事な要素であるドアノブにもぜひご注目ください。