本物の木でコンパクトキッチンを
家具のようにあたたかみがあるのが魅力の木のキッチンですが、長らく設計をしてきた僕にはひとつ不満がありました。
賃貸住宅やオフィス用のコンパクトなキッチンでは、木目調のシートを貼ったものはあっても、本物の木を使っているものはないということです。
あまり広くない賃貸住宅の空間で、キッチンはコンパクトにせざるを得ないかもしれないけれど、部屋の印象を左右する大事な要素でもあります。
だからこそ、チープではない、質感のある良いものを使いたい!
なければ、自分たちでつくってしまおうということで、完成したのがこの『木製ミニマルキッチン』です。
『ミニマルキッチン』『ホワイトミニマルキッチン』に続く、toolboxオリジナルのミニマルキッチンシリーズ第3段。
万能なラワン・シナ・バーチの可能性
面材に使用しているのは「ラワン」「シナ」「バーチ」の合板です。
ラワンはラフな雰囲気ながら、使い方によってどこか上品で懐かしさも感じる素材。色の個体差が大きいのですが、試行錯誤して見つけた塗装により、色味を馴染ませることに成功しました。
シナは建築家の手掛ける住宅で内装材に使われることも多い素材で、白っぽく主張しすぎない素材感が特長。白い壁にオークのフローリングといった、すっきりと清潔感のあるインテリアにぴったり。
バーチは北欧家具で使用されることが多い材で、木目は主張しすぎず、やさしく上品な印象。シナとラワンのちょうど中間くらいの存在感で、どの現場にも馴染みやすい素材です。
『オーダーフラッシュドア』のシナやラワンの扉と合わせて使うのもおすすめです。
使い勝手にも、しっかりこだわりを
木の面材ということで、汚れやシミなどが気になるかと思いますが、ご安心ください。仕上げには、表面を保護する水性ウレタン塗装を採用。本来はフローリング用に開発されたもので、磨耗性・対薬品性に優れています。
ツヤが少なくマットな仕上りなので、無塗装のシナ本来の雰囲気に近いのが特長です。
天板はステンレス。横から見た時の天板部分の厚みはわずか1cmで、シャープに見えるように仕上げました。仕上げは、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げ。よく見かけるヘアライン仕上げと比べると光沢が少なくマットな印象です。
シンクはキッチンのサイズ別に大きさが異なりますが、小さいサイズのキッチンでも、鍋が洗える深さと大きさを確保しています。
壁付けで浮いたような形は、空間が広くみえる効果も。下の開いたスペースは、ゴミ箱やワゴンを置くなど、使う人の暮らしに合わせてカスタマイズできます。
木のベース部分のシンクと加熱機器の間は引き出しになっていて、カトラリーなどを収納することができます。(W1200の一番小さなタイプには引き出しは付きません。)
豊富なサイズ展開とオプション
賃貸住宅やオフィス向きの幅1200mm、幅1500mmのコンパクトサイズから、幅1800mm、幅2100mmという一般住宅でも使えるサイズを展開。
奥行きは、幅サイズに応じて、500mm、550mm、600mmのバリエーションがあり、合計9種類のサイズ展開です。
キッチン下部に置く、配管隠しを兼ねた収納キャビネットもオプションでご用意。扉と両側面は、本体と同じ素材。キャビネットの扉は両開きで、棚が2段付いています。また、水栓、加熱機器、換気扇、排水金物もセットでご注文が可能。加熱機器は、1口コンロから4口コンロまでを揃えています。
造作家具としても使いやすい素材。キッチンと合わせて周辺の棚やカウンターなども同じ素材でつくってコーディネートしていただくことで、キッチンまわりのデザインの幅が広がると思います。
3バリエーションが出揃ったミニマルキッチンシリーズ。お好みの空間テイストに合わせて、お選びください。