天板にもこだわる生活
食材や器にこだわったり、丁寧に珈琲を淹れたり。家での食事や、くつろぎを大切にする人が増えているように感じます。とてもいいことだなと思います。
でも……天板がおざなりってことはないでしょうか。
朝昼晩、テーブルに着くたびに必ず大きく目に映る天板。いい背景の上に置かれると、料理や食器もぐっと引き立ち魅力を増します。天板にこだわると、より生活が豊かになるのでは。
素材は、アメリカ西海岸から
今回ご紹介するのは、アメリカ西海岸の建物を解体した古材を使った天板です。
材種はダグラスファー(米松)西海岸の多くの建物はオレゴン州ワシントン州に多く生息するこの材種で建てられてきました。
唯一無二の柄が最大の魅力
ほぼ1種類の材料を使っているのに板の表情が異なるのは、同じ建物でも使われてた場所が違うから。
壁裏はモルタルが付いて白っぽく、床下は茶色、屋根壁裏に使われていたものはタールが滲み出て黒くなっています。
パターンは、ボーダーとヘリンボーンの2種。様々な色や質感の板が組み合わされることによって唯一無二の模様が広がります。
古材ならではの虫食いあと、割れ、釘穴も味わいとリズムを添えてくれます。
技術は、我らがニッポン
古材の天板って、ざっくりした作りの無骨なものが多い印象。でもこの天板はちょっと違います。
角の始末の美しさ。ヘリンボーン柄も45度の角度でずっと続いていて、頂点がぴったり綺麗に合っている。古材の家具ってラフな作りというイメージが勝手にあったから、丁寧で精度が高い仕事に驚きました。
天板を制作しているのは、日本の木工職人さん。きちんとした機械設備があって、その機械を扱える腕があってこその、“ぴったり”。DIYでは真似できない、職人の技が光っています。
材の欠点をカバーするフラッシュ工法
今回採用したのは、製材した古材を合板に圧着するフラッシュ工法。裏面は下地の合板になっています。「なあんだ、無垢じゃないんだ」と思う人もいるかもしれません。実はアメリカでフラッシュ工法の古材天板が増えているそうなんです。この工法を古材に使うメリットはいろいろあって。
まず、一枚の合板を下地に使うので、破損の心配が少ないこと。古材はどうしても割れなどがあり(これが古材の良さでもありますが)、それが原因で破損につながることがあります。
だから古材で天板を作るときは部材取りが難しい。良いところを使えばコストも上がります。
それらのネガティブ要素が、この工法であれば解消できるのです。
そして、木材特有の伸縮などによる不具合も最小限に防げます。約6mmと、厚めにスライスした古材を表面に貼り、木口も古材をぐるりと巻いているので、見た目は損なうことなく欠点をカバーしています。
自宅やオフィスに、扱いやすく取り入れやすい
天板の表面は、古材面をしっかり残しつつ、サンダーで仕上げています。塗装はツヤを抑えたウレタン塗装。これにより耐久性が高くお手入れが楽になります。
3サイズ展開で、住宅やオフィス空間で使いやすいサイズからゆったりなものまで揃えました。……ちょっと語りが長かったですかね。それほどに魅力が詰まった逸品です。
そんな天板と、一緒に暮らしてみませんか。
(担当:noguchi)