光の模様替え
ダクトレール、ライティングレールなどと呼ばれる配線に取り付けられるスポットライト。以前は店舗などで使われる印象が強いものだったのですが、今では住宅でも当たり前の存在で、賃貸でも多く取り入れられています。
かくいう私もライティングレールのある賃貸物件に住んでいるのですが、時折スポットライトで光の模様替えを楽しんでいます。その時々で、部屋にあるものと自分の気分に合わせてスポットライトの位置や向きを変えていくと、自ずと気づきます。照明が与える影響の大きさに!
影になっていた部屋の端に光を当てた時、いつもの部屋なのに「あれ、こんなに広かったっけ」と思うくらいに奥行きを感じました。何気なく壁に貼ったポストカードや写真に光を向けてみた時には、「昼間はそんなに目に入らないのに、照明をつけるとこんなにも自然に目線が引っ張られるのか」と驚き、ダイニングテーブルにいつもより多く光を当ててみたら「ささっとつくった料理でもいい感じに写真が撮れるなあ」とニヤリ。
手が加えにくい賃貸ではあるのですが、「まだ壁が余っているからアートが欲しいな」「ペンダントライトもつけてみようかな」みたいな部屋づくりに対する欲が生まれてくる。ライティングレールとスポットライトがあるおかげで、インテリアを楽しめていると思うんです。
スポットライトの大海原
スポットライトと一口に言ってもさまざまなメーカーからたくさんの種類が販売されています。ライティングレールも設備として思われがちですが、賃貸でも工事不要で取り付けられるライティングレールがあるので、思いの外ハードルが低いもの。
じゃあ取り入れようじゃないかと意気込んだのも束の間。そこに広がるのはスポットライトの大海原です。
実は、サイズや形状、明るさ、色温度、配光角度、機能など、電球や他の照明器具よりも選択肢が多い割に、見た目はどれも似通っていて、決めるのが難しいアイテム。カタログや大手ショッピングサイトと睨めっこして、明るさや配光角度など細かいところはクリアしたのに、届いてみたら「思っていたのと違った……」と、悲しい失敗も多い。「色温度を間違った」「サイズを間違った」というのは、他のtoolboxスタッフに聞いてみてもあるあるのようで。
ならば、私たちで使いやすいものを選び抜こうと、数多あるスポットライトの中から、明るさや色温度、サイズ感などを比較検討。配光角度ごとに住居のスケール感で使いやすいものをセレクトしました。
光の角度だけ、決めてください
他の照明との相性を考えて、明るさは50〜60W相当、色温度は電球色と住宅で使いやすいものに絞っています。狭角・中角・広角・拡散と4タイプの配光角度を取り揃えたので、つくりたい空間に合わせて選んでください。
配光角度は、光が広がる角度のこと。どれくらいの広さを照らしたいかによって変わってきます。
壁やテーブル天板などの一部をスポットで照らしたい場合は中角もしくは狭角タイプを。狙ったところを照らし、照らしていないところは影になるので、スポットライトらしい陰影を体感できます。
テーブルやお気に入りのコーナーを狙いたい場合は中角を、アートだけ、オブジェだけ、とより狭い範囲だけを照らしたい場合は狭角がおすすめです。
一般的に狭角は、住宅では使いにくいとされているのですが、世間一般にいう狭角よりも少し広めの角度を選んでいます。狙いつつも周辺にやわらかく光が広がるので、陰影が強すぎず住空間で取り入れやすい塩梅。
陰影を控えめにしたい場合は、照らしたい方向を広めに照らす広角タイプ。拡散は、光が分散するので狙った照らし方より、全体を照らすのに向いています。
中角と広角はそれぞれ2種類の形状を用意しているので、そこはお好みで。
“照らしたいもの”を探して
配光角度やら、明るさやら、多灯分散やら、頭で考えれば考えるほど照明は難しい。でも、難しく考えずに、どんな家具配置にしようか、壁に何を飾りたいかなと、部屋づくりの妄想を広げながら選んでみてください。
ライティングレールのいいところは、位置や個数を変えられるところ!スポットライトは向きも変えられます。スポットライトだけでなく、ペンダントライトやソケットを足してもOK。植物やモビールなどを吊るせるフックやコンセントなども取り付け可能なので、『ライティングレールプラグ』も併せてみてみてください。
必要な分をまず揃えてみて、自由気ままに光の模様替えをしながら、今の自分がしっくりくるところを探っていくのも楽しいですよ。
スポットライト選びの時間は最小限に、その分アートやインテリアなど心踊るものたちに出会う余白が生まれますように!