手触りの良い手摺
階段の手摺ってどうされてます?付けていない人も多いのかもしれませんが、お子さんや高齢の方がいるお宅だと、あったほうがよいですよね。
けど、いざ探してみるとよいものって本当にないんです。丸棒に木目調のシートをラッピングしていたり、手摺の部分は木でも、棒を支える受けの部分が味気ないシルバーメッキの金物だったり。どうもピンとこない。
フローリングはこだわりの無垢でも、それに合う手摺がないんです。
この手摺は、棒の部分はもちろん、受けの部分まで全部木でつくられています。体重がかかっても反りにくいように、固い木でつくりました。もちろん、変なコーティングのない、木本来の暖かみを感じられる無垢材です
何気なく手を添えたとき、やさしく馴染んでくれる、そんな手摺ができました。
階段室のインテリアって
階段室は長い時間過ごす場所ではなく、通り過ぎるだけの場所。だから、そのインテリアをこだわるというのは、優先度が低いことです。けれども、階段って気持ちが切り替わる場所だと思うんですよね。
玄関から2階のリビングに招くお客さんが階段をワクワクしながら上ったり、リビングから寝室に移動するときには、寝るモードになっていったり。
だから、ちょっとだけ階段室もこだわってみるというのも良いと思うんです。
壁紙を思い切ってカラフルにしてみたり、絵を飾ってみたり。そのときに忘れてはいけないのが手摺。手摺だって、やっぱり手が触れる部分ですから、椅子やテーブルと同じように、質感のある木にしたいものです。
今回は床の色にあわせられるよう、4種類の樹種を用意しました。明るい色のメープルとオーク、ダークな色のウォルナット、落ち着きのある色のチークです。
階段の色と合わせることで、バラバラな感じにならず一体感が出てきます。
手摺の棒の部分だけでなく、ブラケットといわれる受けの部分も、ころっとした形で同材で合わせているので、木以外のものが邪魔をしない暖かみのある空間になると思います。
つくっているのは家具職人
『木の手摺』をつくっているのは家具職人の瀬尾洋介さん。
toolboxができた当初から協力してくれている職人さんで、以前あるプロジェクトに一緒に取り組んだ時に生まれたのがこの手摺。
触るたびに手が喜んでしまうような、なめらかな触り心地が実現しているのは瀬尾さんが1つ1つ手作業で仕上げているからこそ。
トリマーという機械で角を取り、その後はあえて電動工具を使わず、自分の手でサンドペーパーをにぎり、何枚も消費しながら熟練の感覚でその材料のベストな状態までやすっていくのです。
手摺1本にかけられている丁寧な手間を思うと、階段という移動のための空間が、少し特別なものに感じられるかもしれません。
瀬尾さんの製作の様子は下記の記事や動画でも紹介しています。
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製作の様子は動画でもご覧いただけます。