進化した檜の湯舟
普通の家ではほとんど見かける事のなくなった檜の湯舟。実は密かに進化を遂げていました。
伝統の職人技に最新の接着技術が加わっていろいろな形がつくれるようになっています。丸みを帯びたおにぎりのような三角形や角張った直方体もつくれます。幾何学的なヘキサゴンやオクタゴン、身体に沿う絶妙な曲線だってつくれるんです。
あこがれの温泉旅館ですらほとんど見かけることの無い、伝統的で独創的な檜の浴槽、自分の家にあったらと想像して下さい。滑らかな肌触りの浴槽で一日の疲れを癒す。なんて優雅なんでしょう!
樹齢200年のありがたみ
湯舟に使われる木は檜。その樹齢は200年を超えます。神社にあるご神木のような木です。
日本に黒船が来た時にはすでに生を受け、龍馬が暗殺された時も、日本が戦争に明け暮れた時も、敗戦からものすごい勢いで復興した時も、そして高層ビルが立ち並ぶようになった現代まで、確実に密実に年輪を刻み続けた木なのです。
ゆったりと湯につかり、木の香りに包まれて目を閉じると悠久の時をタイムトラベルできそうです。
お風呂の思い出
かく言うわたし(1972年生まれ)の祖父の家にもかつては釜のついた檜の風呂がありました。じいちゃんと脚を丸めながらわいわいとお湯に浸かったものです。いまでは何をしゃべったのかは覚えていないけれど、あのときの木の感触や湯煙越しのじいちゃんのはげ頭、風呂の窓から見えた特急あずさは鮮明に記憶に残っています。
そんなお風呂の思い出はプライスレス。たまの旅館もいいですが、毎日旅館のようなお風呂で檜の香りを堪能する贅沢もありかもしれません。
(担当:miyabe)