遮音が求められたら
マンションタイプのリノベーションで付いて回る遮音の問題。下階の方への音の問題から、使用するフローリングに遮音性能を規約で求めているマンションが多くあります。そう、遮音等級L-40とかL-45とかっていうあれです。
遮音が求められた場合、大きく分けて2つの対応方法があります。
1.遮音性能を有する下地(遮音マットや遮音置床)を使う
2.遮音性能を有するフローリングを使う
(※上記いずれも、ある状況下での試験結果に基づく)
1 の場合、仕上げとなるフローリングの下地レベルで遮音を満たすため、仕上げのフローリング材は無垢でもなんでも選択が自由となりますが、下地から全てやり直す必要があるので手間やコストが多くかかることや、床の高さが高くなってしまうことがネックです。
2 の場合、フローリング自体が遮音性能を有するため、フローリングを貼るという手間だけで済むこともあって一般的な施工法となっています。
しかし、「遮音フローリング」を敷くことを選択した場合の最大のネックは、“床材のバリエーションが圧倒的に少ない”ことでした。
なぜかなかった木の表情
こちらの遮音フローリング、表面に天然木のスライスを使用していて、なんと言ってもその木の表情がいいんです。
これまでも天然木を貼っているものはたくさんありましたが、その表情はシートを貼ったようになぜかあっさりと、ペタッとプラスチックのように見えてしまうものが多く、せっかくの天然木が生きていないものばかりでした。
一方、このフローリングは幅広オークの節や色ムラのあるグレードを敢えて使用しているため、貼り上がりに深みのある、木の表情を演出することができます。
最後の砦的存在
ただひとつ残念なのは、それでもやはり遮音フローリングですので、あの嫌なフカフカした歩行感だけは消せません。
フローリング自体にクッション性を持たせて遮音を満たすという遮音フローリングならではの構造上、フカフカの歩行感とそれに伴う床鳴りのリスクだけはどうしても他の遮音フローリングと同じようにつきまといます。
ただ、数多ある遮音フローリングのツルツルピカピカ薄っぺら感がどうしても受け入れられない方には朗報です。
機能を満たしつつも、少し荒めのほっこりした木の表情をもつこのフローリングは、遮音フローリング探しの最後の砦になること間違いありません。