い草って、いいですよね、やっぱり。
こどもの頃、畳替えって嬉しかったですよね。新しい青い畳の、清々しい見た目と香り。わたしも、兄たちと無駄にゴロゴロしたものです。
toolboxのオフィスに商品見本が届いた時も、梱包を解いた我々は先ず、その優しくも清涼感あふれる香りを、くんくん嗅がずにはいられませんでした。ああ、ニッポン人に生まれてよかった!
い草って、すごいんです、実は。
近年では住宅事情の変化により、わたしたちは無機質な建材や家具に囲まれて暮らしがちです。塩ビクロス、表面コーティングされた床材や家具、鉄、セメント……。
劣化しない無機質なものは、呼吸もしないのです。そんななかに“呼吸する素材”である「い草」の畳を1枚敷くだけで、さまざまな効果がもたらされるそうです。
アロマ・調湿・保温・消臭・防臭・抗菌・防音・吸音とマルチな効能があるそうですが、中でも驚いたのは、タバコや暖房器具などから放出される空気中の二酸化窒素を自然浄化し、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着しほとんど再放出しない、という点。天然の空気清浄機のような役割を果たしてくれます。
ママたちが、こどものために創りました。
こどもたちと一緒に暮らしていると、「こんなものがあったらいいな」「もっとこうだったらいいのに」と思う機会が多々あります。「だったら自分たちで作ってしまえ!」ということで、建築・グラフィックデザイン・イラスト・看護・保育などの異業種のママたちが集まり、い草専門の研究者や専門メーカー、実際に使うこどもたちの意見も参考にしながら開発しました。母心がぎゅっと詰まった畳です。
フローリングの洋間にも、合う。
伝統的な素材と製法はそのままに、正方形×明るいアースカラーやストライプの縁布(畳縁)のデザインにし、フローリングの部屋にも自然に馴染むように工夫しました。
畳縁の布地は、ジーンズに合うコットンシャツのような色と柄。シャープで洗練された和紙の置き畳に比べると、ほっこりかわいらしいビジュアルです。
天然素材だから、赤ちゃんにも安心
気になるのは、こどもたちの素肌が直接触れる畳の安全性。そこで、素材選びや製造会社にもこだわりました。
この置き畳に使われているのは、九州の八代平野・筑後平野で有機肥料・減農薬にこだわって栽培された上質な「い草」です。日本では6月下旬~7月初旬の一番育ちきったフワフワの時期に収穫するため、 収穫時期の早い他国産に比べて太く弾力があり、丈夫で長持ちします。
畳をつくるのは、創業百年余の、地元九州の加工メーカー。い草1本1本を手作業でチェックし、選りすぐられた良いものだけを使用しています。また、 織りは生産性よりも仕上がりにこだわり、通常よりもゆっくりと織機をまわします。1畳当たりの「い草」の本数も、通常3000本のところ、約5000本使用しているので、クッション性も上々。
縁布は、100%天然コットンまたは植物由来のポリエステル糸を使用し、染めから織まで全て国内製造です。
こどもの成長や人数に合わせて、自由に増減。もちろん、おとなだって。
赤ちゃんが寝返りをうち始めると、ベッドやソファから落ちるのが心配ですよね。そんなときには、床に畳の一角をつくり、安眠場所を確保してあげてください。1枚でも良いし、2枚並べてママも一緒に寝そべるのもいいですね。
成長したら、プレイマットとして使うのもおすすめです。リビングの一角を遊び場としてゾーニングして、物心ついたお子さんには「遊ぶのは畳の中ね」「おもちゃは畳の外には置いちゃだめ」といったルールを取り交わすのも良いかと。
使う場所は、ご家庭に限らず、幼稚園や習い事の教室にも適しています。視覚・嗅覚・触覚で落ち着きと居心地の良さを感じることのできる畳は、どうやら集中力を高める効果もある模様。
もちろん、こどもだけでなく、おとなにだっておすすめです。『麻の蚊帳』と組み合わせれば、完璧な和空間がそこに。夏はひんやり、冬はぬくもりがあるので、四季を問わない憩いのスペースになります。
ちびっこたちに、い草の心地よさを
開発者のひとりで、グラフィックデザイナーであるTさんのお子さんは、開発当時、長男7歳・長女4歳。ふたりとも、畳が身近になかったので、最初は「動物のにおいみたーい」と、あまり好評ではなかったそうです。い草=いいにおいという日本人DNA、あやうし。でも、いったん使い始めれば、い草の冷たい肌触りが気に入って、下の子の背中のあせもの調子もよくなったそうです。
現代のちびっこたちに、い草の気持ちの良さを自然に感じてもらえると嬉しいです。
(担当:noguchi)