突板ってなに?
馴染みのない言葉ですよね。「つきいた」と読みます。
美しい風合いを持つ銘木をシート状にスライスしたもので、こちらの突板合板で使われているシートの厚みは0.6mmほど。これを厚突(あつづき)と呼びます。ちなみに日本の家具や化粧材で使われているのは、厚み0.2〜0.3mmほどの薄突(うすづき)がほとんど。
「なんだ、0.3mmしか違わないじゃん。」と思ってしまいがちなこの数字。ですが、この0.3mmほどの厚みの差が「木」本来の質感の良さをぐっと引出してくれるんです。
しかしこのままでは使えないので、この突板を合板に圧着し、板にしてから使われます。こうして古くから壁や天井、建具、家具などの仕上げ材として親しまれてきました。
今ではメラミン化粧板といった樹脂でできた人工物が広く使われるようになり、印刷の技術もかなり高いレベルにまで達してきていますが、やはり人工物は人工物。木の温もりや質感までは表現できません。
そこで、この突板合板の出番です!
無垢材と突板
「無垢材を家具として取り入れたいけど、高価すぎて手が届かない……」
本物にこだわるならやっぱり無垢の一枚板!とは思うものの、やはり木をそのまま切り出しているものとなると価格はそれ相応に。さらに美しい木目を堪能したいとなると、銘木中の銘木を選びたくなりますよね。いったん見積りを取ってみて仰天、なんてことに。
しかしそんな超高級な銘木でも、シート状にスライスし合板に貼り付けてしまうだけで、こんなにも手の届きやすい価格にまでコストカットが図れるんです。
無垢の一枚板でなくとも、十分に本物の木を感じることのできる天板が作れるんです。これを革命と言わずして何と言うのでしょう。
お手頃価格で販売できるワケ
木を薄くスライスしたものとは言っても、天然木なので無垢は無垢。当然、厚くスライスされればされるほど金額は上がっていきます。しかしそれは、世界一木目にうるさい日本の厳しい国内規格を通った突板のことで、こちらの突板合板で使われているのはいわゆる「B級品」。丸太の中に大きな節(穴)やキズが生じていて、規格を通ることができなかったもの。
でもちょこっと穴が開いているからというだけで不良品扱いされちゃ勿体ない!という想いで制作を始めました。お蔵入りとなってしまうはずだった材を仕入れて加工しているから、それがこのお手頃価格のワケなんです。
そのため、こちらの突板合板にはちらほらと小さな穴(ローズウッド板目は指先ほどの穴もありますが)や節、割れなどが生じている部分が多々見られます。それも木の表情の一つであって、立派な個性。だって、天然木なんだから。
突板は並べて使うもの、木目は並べて見せるもの
突板は丸太を縦方向にスライスしています。細い木・太い木と様々な木が存在しますが、こちらで取り扱っている突板の巾は板目のものでだいたい20〜30cmほど。柾目だと10〜15cmほど。それを複数枚並べて、合板に貼り付けていきます。
これこそが、突板ならではの木目の見せ方!
たくさん並べば並ぶほど、木目模様の移り変わりが見れて楽しいかも。
オプションでサイズカットオーダーもできるので、切り落とした端材を棚板にしたり、と使い道は自分次第!また、無塗装で仕上げているので、お好みの塗装も楽しめますよ。お勧めは『ワトコオイル』などのオイル塗料。表面はクリア、木口は選ぶ樹種にあった色付きの塗装をすると馴染んでいい感じ!