ちっちゃくたって大きな役目がある
いまも昔も家の顔と言われ、こだわってつくる方も多い玄関スペース。
とくに近年はコンパクトかつ、素材感のある仕上げの玄関が好まれているように感じます。同時に玄関周りはドアをはじめ、チャイム、ポスト、表札、そして玄関灯など、たくさんのパーツを盛り込まなければいけない場所でもあります。
今回はそのパーツ群の中でも玄関灯に着目。
いざ探してみると装飾のついたシンボリックなものや、機能重視の味気ないものが多く、限られたスペースにはまるサイズもなかなか見つかりません。できればこだわった玄関に合う、シンプルでコンパクトなパーツを選びたい。そんな思いから生まれた玄関灯が『タイニーブラケット照明』です。
チャイムや表札の上のちょっとしたスペースにちゃんと収まるサイズ。その小ささゆえ照らせるものは表札やドアチャイムくらいなんです。でも、玄関先でぽっと灯る明かりは、帰宅の終点で「お帰り。」と迎えてくれる、大きな安心感をつくってくれる存在です。
実はいろんなとこで使えます
よくよく考えれば当然なんですが、玄関以外でも使えます。いやむしろ、実際手にとってみたら思いの外小さい。
ここで使いたい、あそこでも使いたい…と、ひとり盛り上がってしまいました。
例えば…、廊下の突き当りにちょっとした壁飾りを貼って、それを照らしたいな。とか、
マンションの玄関入ったところ、シューズ棚の上あたりに花器や置物を照らす用に。とか、
ベッドサイドに2個付けて、ホテルライクな寝室の演出に使ってみたり、とか。
トイレの壁にも合うかも、和風な金魚鉢にもじつは合ったりして。じわじわ育ててる多肉ちゃんの頭上にマッチ、ソー・グッドかしら、とか。
壁一面に作った飾り棚の隙間に、2、3個ランダムに付けるのも雰囲気あるよね。とかとか…。
なんでしょう?カタチなのか?質感なのか?雰囲気か?やはりサイズ感なのか?
この『タイニーブラケット照明』が纏う、“軽さ”のようなものが僕の妄想を掻き立てたのでした。
“軽さ”の正体
謎解きはカタチから。シェードの部分は薄さ1.2ミリのアイアン素材を「へら絞り」で成形しています。熟練の職人が一つひとつ形づくるフォルムは、ソケットが収まる部分まで繋ぎ目なくスッキリ。同素材でつくった、アーム、座のプリミティブなパーツを、溶接でシームレスに繋いだ端正なつくりです。
色は馴染みの良い質感のホワイトグレーとブラックの二色。ザラザラした手触りの塗装でツヤが抑えられていて、ブラックでも重い感じにならない。取り付けた壁や空間を邪魔しません。
そして身軽なサイズ感。壁からの出は214ミリ、座のサイズは85ミリ、座の厚みに至っては4.5ミリしかありません。一般的な玄関照明より、体感でふたまわりは小さい。
従来の照明に見られる放熱穴や、組み立てに必要なボルトも無いから、スッと頭に浮かんだ理想的な照明をそのままカタチにしたような印象です。
何かひとつということではなく、カタチ、色、サイズといった要素の集合体が、“軽さ”を感じさせたんだろうなと思います。
付けられる場所の可能性は広がったと言っても、直付け照明なので電気工事が必要です。計画時に配線の取り回しをお忘れなく。本体はLED専用となり、電球は付属しません。口金はE17、toolboxの電球では『フロストLED電球 φ50』がおすすめ。無機質さをやわらげる素朴なカタチのシェードから、控えめな明かりが広がります。