天井のアンビエント
フラットに、地続きに広がる天井面。例えば木貼り、左官に質感のある塗装やクロスなど、その仕上げにもこだわって。そういう天井をみると、なんだか色々付けたくないなって思うんです。
そこで悩むのが天井の照明。埋め込まれたり、壁に逃したりする方法もありますが、天井にあるとその周辺がよりよく見える照明、見つけました。
天井と一体のようにすっと伸びるそのフォルム。灯していない時でもわずかに影が落ち、そこに目を向けるきっかけをつくってくれる。
天井に意識を向けた時に最適な照明の選択肢『シーリングスポット』です。
ただの筒、されど筒
この形状の照明、決して珍しいものではなく、店舗やホテル、マンションのエントランスなんかでよく目にします。ただ多くは、広範囲を照らすために径が太くて、家の中に入ってくると厳つい印象でした。
今回セレクトした「シーリングスポット」は、細さと長さのバランスがよく、どこか品の良さが感じられます。潔いほどつくりがシンプルなただの筒。そんなフォルムが惹かれた理由でした。
サイズは直径65mm×高さ131mm。スープジャーというよりタンブラーというとイメージしやすいでしょうか。一灯でもきちんと様になり、複数灯並べても喧嘩しない、絶妙なサイズ感です。
また、もう一つ特筆すべきが、下から覗いた時の見え方。灯具の小口は厚さ3mmと軽やか。また、小口から電球までの距離をとって、光源が目に入らない仕様に。光が筒から落ちてくる、そんな灯りの演出が叶います。
色ごとに質感も異なります
周囲の素材と調和しやすいよう、塗装の色味だけでなく質感にまで配慮されているのも、この照明の優れた点。
「ブラック」はザラザラした手触り。自然光を受けて表面の粒子が浮かび上がり、あかりを灯していない時も表情豊か。
「ホワイト」は、純白というよりほんの少しグレーがかった色味。「ブラック」よりもつるんとした感触ですが、嫌な艶はなくマットな見た目です。
そしてちょっと変わり種?「アルミ」はアルミ素地そのままの仕上げ。磨きもかけていないため、細かな傷や成形の跡が残るざっくりとした質感です。天井に合わせてみると、鈍い光沢で、周りの色味がぼんやり映り込む様子が楽しめます。
天井仕上げとのバランスで選ぶも良し、把手や棚受けなどの小物と色味を合わせるも良し。好みの組み合わせを探してみてください。
ラワン・白塗装・『ウッドシーリング』オークの天井と合わせてみました。
この灯り、使いどころ
「シーリングスポット」は、開発スタッフが自宅の対面キッチンカウンターに使う照明に悩んだ経験からセレクトされたもの。ペンダントを並べて吊るすのは、目の前に光源がくるのが気になるし、ダクトレールが目立ってしまうのも避けたい。かといってダウンライトでは味気ない。
キッチンを主役として見せたい時、照明選びに悩んだら検討していただきたい存在です。
幅のあるカウンターには、作業スペースに光が届くよう、複数灯並べて使うのがおすすめ。等間隔に並べたり、2灯のユニットでリズムをつけたりと、並べ方で遊んでみるのも良いですね。
セパレート型の背面キャビネット、あるいは壁付け型のレイアウトでも似合うと思います。天井と同系色にして、ダイニングで使うペンダントライトを引き立てるような使い方も良いかもしれません。
カウンター上や壁沿いでは問題ないですが、特に廊下やリビングなど、真下が動線になる場所では、圧迫感を感じないよう天井高さ2400mm以上確保することをおすすめします。
長らく見過ごされていた天井に、ようやく、目を向ける時がやってきた!美しい天井の広がりを予感させてくれる照明です。