玄関先に、良い印象だけを添える
家の外観を考える時、まずポストから雰囲気を決めるというのはまれだと思います。埋め込み型で一体にデザインする場合はさておいて、後付けできる壁掛け型は、だいたいは家づくりの終盤に選ぶことが多いのではないでしょうか。
料理の最後に、主役に彩りを加える、いわば添え物のような存在。
でも、いざ探してみると、最後に足し算するにしては、見た目も、機能も、価格も少し過剰に思える選択肢が多いんです。
ご紹介する『角型ダイヤルポスト』は、機能や装飾は最低限。だからこそ価格のバランスが取れたポストです。その場所に寄り添い、家の顔としての玄関周りをちょっとだけ印象良くまとめてくれる。
お客さんとしてその家に訪れた後、どんなポストだったかは思い出せないけれど「なんだかいい家だったな」と良い印象だけが残っているような。そんな外観づくりの一翼を担う存在です。
新旧・和洋問わず
定規で引いたような四角いシルエット。スチールを折り曲げて組み合わせた簡素なつくりです。
また、表面についているのは開閉に必要なダイヤルのみ。余計な装飾は一切ありません。
このプレーンな見た目ゆえに、似合うテイストを限定しません。必要以上に主張をしないので、扉や表札、照明など、特にこだわったアイテムを立たせたい時におすすめです。
塗装は、マットな質感。彩度を抑えた落ち着いたカラー展開で、新築はもちろん、築古戸建なんかにもよく似合います。
ポストを「厚み」で考えてみる
近頃のポストは、宅配ボックスを備えるため大型化する傾向にありますが、どんな郵便物も受け取れて便利な反面、玄関に付けた時に、周囲とのアンバランスな見た目が気になっていました。
「角型ダイヤルポスト」は、厚さ12.5cmと薄型。住宅街を歩いていてよく見かけるポストと比較すると、スリムな印象です。
周囲に威圧感を与えることなく、外観にさりげなく取り付いている。そんなボリューム感で、スペースに余裕のないコンパクトな玄関先でもきゅっとバランスよく収まります。
二世帯住宅や集合住宅など、複数並べて取り付ける場合にも重宝しそうですね。
薄型ですが、幅があるのでA4サイズの封筒も入りますし、日々の郵便物を受け取るには充分な容量だと思います。
みんなが開けるポストですから
「新聞取ってきて!」子供の頃、よく言われた記憶があります。時には「家の鍵ポストに入れといたから」なんてことも。今の時代、防犯上そんな使われ方はしないと思いますが、ポストは特定の誰かが開けるというよりも、家族みんなが開ける共有の箱として機能していたように思います。
「角型ダイヤルポスト」は開閉するのに鍵を使わないダイヤル式。帰ってきて家の中に鍵を取りに行く必要がないので、きっと自然に家族みんなが手紙当番になれるはず。
そして投函口は開けやすいように、わずかに曲げ加工が施されています。手かけのように、つまみやすい形状は、郵便屋さんへの優しさの形だったりして。
ただ郵便物を受け止め、受け渡す。実直にその役割をまっとうするための箱。そんなポストを探している方に検討してもらいたいです。