「何かの部材」感
工場の隅に転がっていそうな、解体現場から出てきた部材のような、コの字型に曲げられたアルミの板。これは一体なんだろう?という好奇心を呼び起こすわからなさと、何かに使えるんじゃないか?という、想像力に働きかけてくる存在感。そうしてじっ……と考えているうちに、あっ棚にできるんじゃない?と閃いた、そんな成り立ちをイメージさせる『アルミラック』です。
あるがまま、アルミのまま
厚さ3mmのアルミ板を、ぐっとコの字型に曲げただけ。そこに生まれた宙は、不思議と何かを置きたい気持ちにさせます。
アルミは融点が低いため溶けやすく、熱が伝わりやすいこともあって、溶接がしにくい金属。一方で、柔らかくて曲げやすいという特性があり、それをストレートに活かした形が潔い。コの字の角が直角じゃなくてゆるやかなカーブを描いているのも、金属製なのにカッチリしすぎてなくて、いいんです。
仕上げはアルミ素地のままで、軽く磨きをかけただけの鈍い光沢も好ましい。置いたものやまわりの風景が不鮮明に映り込んだ様は、えも言われぬ趣があります。
加工の過程でできた小さな傷やシミがありますが、そんなところも「どこかで拾ってきた」感を引き立てるポイントに。あるがままのアルミの素材感と形が、気負わずに付き合える雰囲気をつくっています。
愛着の置きどころに
そもそも「棚です」という主張がないというか、そこにものが置かれて初めて棚としての存在感が生まれる佇まいのせいか、どこに付けてもどう使ってもOKな寛容さを感じるこちらのラック。何を置いてもいいんだけれど、そのおおらかな風貌は「なぜかよくわからないけど好き」なものを置くのにぴったりな気がしています。
例えば、旅先で出会った置き物だったり、川で拾った石、友人からの絵葉書、ポップなラベルのビール瓶だとか。コレクションというほどではないんだけど、しまっておくにはもったいない、なんとなく思い入れがあって愛でていたいものって、誰しもにあると思うんです。そんなものたちの居場所づくりにおすすめしたいラックです。
壁の「間」を埋める
棚板だけでなく背板も一体になったコの字型なので、取り付けるだけでパッとコーナーが出来上がることも、この『アルミラック』の大きな特徴。
「壁がちょっと寂しいな」「壁面を何かに活かせないかな」という時に、このラックを取り付けると、いい感じに壁面を引き締めながら、気の利いた場所をつくってくれます。
5サイズの展開で幅と高さにバリエーションがあり、置くものや壁の余白に合わせて考えられるのもうれしいところ。
壁に添えてみたくなる、何かを置いてみたくなる。そんなフィーリングから始める棚づくりはいかがでしょう。