海外のあの扉
ヨーロッパやアメリカでは定番の立体感のある扉。
長く住み継がれた家における扉の存在は、床材やお気に入り家具の背景として、あるいは何度も塗り直されてきたであろう塗装壁を引き立てる入口として、とても大切なもの。
家具に関しては世界中の名作チェアが国内でも手に入りますが、こういう重厚なパネルドアがあたり前にホテルや各家についている様子を見ると、海外に来たなぁという気持ちになります。
複数ブロックに凹凸が分かれた、分厚そうな木の扉たち。日本では「框ドア」と呼ばれることが多いですが、向こうでは、凹凸の四角に分かれたパネルの数に合わせて、ツーパネル、フォーパネルなんて、呼ばれています。
この先に続く空間への期待を高める入口として。絵になる背景として。定番のフラッシュドアとは異なる奥行き感。欲しい世界観をつくり出してくれる色味ごと提案したいとラインナップした『クラシックパネルドア』です。
欲しい世界観はこの色で!こだわりの調色バリエーション
欧米の家は、くすんだ色味を空間に取り入れるのが本当にお上手。例えば壁の白っぽい色一つとっても、ただの白じゃないんです。ほんのちょっとアイボリーっぽかったり、グレーがかっていたり。古い建物を何度も塗り直して住み継いでいく文化の中で、積み重なった風合いだったり、時を刻んだフローリングや家具などとの調和から、自然とそうなっていったんだと思います。
そして、こういう古い家に似合う扉たちは、ちょっとくすんだ彩度低めの色味がベースになっているものが多いんです。
あの雰囲気をそのままつくり出したい、そんな思いで、定番のパネルドアを自分たちが使いたいと思う色展開で取り揃えました。定番のグレー、ホワイト、ブラック以外の色味は、こういう雰囲気の床材、家具にはこの色味が合いそうというイメージを膨らませながら、塗装工場で試作を重ね、色を決めていきました。
例えば、飴色の床材に、レザーのソファーやインダストリアルな照明などを合わせたようなイメージには、「モスグレー」がおすすめ。グレーベースにほんのりグリーンがかった青味の入った色合いは、工業製品にもよく使われている色。インダストリアルな金属のラック、黒皮のパーツなどにも好相性です。
逆にもう少し明るいオークなどの床材、柔らかい木家具の雰囲気がお好きな方には、「スモークアッシュ」はいかがでしょう。「同じワイチェアでも、これは黒フレームが合いそうだね」などなど、開発担当の各色に対するこだわりをお伝えすべく、その世界観をPinterestで色別に再現してみました。合わせてご覧ください。(Pinterest のボードを見る)
ケーシングでさらなる奥行き感を
今回、この扉をさらに引き立ててくれるアイテムとしてセットでの導入をおすすめしたいのが「ケーシング」。ちょっと聞きなれない言葉だと思いますが、ケーシングとは「額縁」つまり、建具の枠につける立体的な化粧枠のこと。
海外のあの重厚感あるドアたちって、よく見るとこのケーシングがついていることが多いんです。壁に対して、全体の奥行き感が増して見えます。
このケーシングに加え、扉と同色の枠、建具の印象を左右する金物と掘り込み加工もオプションから選択可能です
扉の基盤は、パイン材でつくられています。塗装されているので、中身が見えるわけではありませんが、扉を開ける際に、中空パネルのフラッシュ扉とは違う、ぎっしり詰まっている手応えを感じます。とはいえ、鉄の扉のように開けるのに力が必要とかではありませんので、そこはご安心を。
実は、個人的には、あまり王道クラシカルな雰囲気を自宅に取り入れるイメージはなかったのですが、とあるレストランの解体して凹凸の跡が残るような壁に、パネルドアが一枚どっしりついているのを見た時に、あ、この感じはいいかもと思いました。
新築はもちろん、リノベーションの現場でも、取り入れ方によって、手軽に海外のエッセンスを取り入れられ、欲しい世界観をつくりだしてくれる。壁にアートを飾るような感覚で、取り入れて欲しい扉です。