パーツと言うより設えです
ただペーパーを壁に付けるためのパーツというよりも、壁面と一体となって設えを完成させてくれる『インセットホルダー』。
ペーパーをセットすると、ピカピカのクロームでフレーミングされた姿に。壁からの飛び出しが抑えられているのも、すっきりと見た目に美しい。
わずかに壁面から膨らんだボリュームのあるフレームと、ペーパーの丸みに沿ってホールドする抑えが、ペーパーが額装されているかのように見せてくれます。
実はこれ、ペーパーを見栄えよく収めてくれるだけでなく、トイレという空間に思いを巡らすきっかけになってくれるアイテムなんです。
ペーパーの居場所も最初に考える
壁・床・天井が決まってから「さて、何にしようかな?」と選んでいく。空間の仕上げに添える飾り的要素、それが今までのペーパーホルダーのイメージでした。
その点「インセットホルダー」は、最初から壁面と一緒に計画していく必要があります。
このアイテムを引き立てるために、壁はどんな色・素材にする?照明は何つけよう?……と「インセットホルダー」を起点にトイレ空間の想像が広がっていくのが楽しいところ!
そうやって深く考えることで、自分の理想とするトイレの解像度が上がるはず。
自分にとって居心地よくしたいと考えた過程は、きっと完成後の空間にも現れてくるのではないでしょうか。
実は昭和生まれ・ホテル育ちのタフなやつ
この「インセットホルダー」は、1950年代頃から製造・販売されているもので、元々は海外住宅用として輸出されていました。
1964年東京オリンピックの際のホテル建設ラッシュをきっかけに、日本国内での採用が増え、現在でもホテルのユニットバスをメインに活躍しています。皆さんも旅先で、目にしたことがあるかもしれません。
そんなたくさんの人が使う場所、しかも浴室の過酷な環境下で耐えうるように設計されたものだから、強度もしっかりしています。壁の内部にかっちり埋め込んで設置するという取り付け方法も、安心感があります。
トイレ、冒険してみませんか?
せっかく「インセットホルダー」を使うのなら、周囲をそっけなくつくるなんてもったいない!
コンパクトだからこそ、思い切って、冒険ができるトイレ。いつもより少し大胆に、遊んでみませんか?
例えば「どこかで使ってみたい」と一目惚れしたタイルを取り入れてみたり、ビビットなカラーを背景に効かせてみたり。イメージを広げていくうちに、思ってもみなかった自分の好みに気づいたり、新しい組み合わせに出会えるかもしれません。
トイレは自分の欲望に忠実になれる小宇宙!ぜひ、見合う仲間を見つけるような感覚で、設えを楽しんでみてください。