「框」と書いて「かまち」と読みます
めずらしいものでも無く、よく目にするぐるっと四方を枠で囲ったドア。名を「框(かまち)ドア」と呼びます。お恥ずかしながら、私は内装を仕事にして初めて知りました。
聞き慣れない言葉の意味をちょっと調べてみると、木+匡す(ただす)=框(かまち)という漢字の起源に辿り着きました。なるほど、なるほど。あらためて見るとスッスッと縁取る真っ直ぐな木枠に、ガラスや木のパネルがカチッと納まるその姿は「まさに読んで字の如し!」と腑に落ちました。
今回はそんな構造がそのままドアらしいドアをつくる実直な佇まいと、“お硬そう”な言葉を纏った框ドアについて。サイズオーダーをはじめ幅広い要望を受けとめられる、柔軟な一面とともにご紹介します。
最大から最小まで、ピッタリと
内装建材について考えると、ついつい素材やディティールといった見た目の話になってしまうけれど、実は大事なサイズ感。洋服でもサイズ選びで雰囲気がだいぶ変わりますよね。
たとえばマンションの改装で梁下ぴったりの大きなガラスドアが欲しいとか、階段下の収納にドワーフが住むような小さな扉が欲しいと思った場合。既製サイズでシンデレラフィットするのは稀で、現場に合わせて造作建具を頼むのが一般的でしたがこれがなかなかやっかい。一本一本作図も必要ですし既製品と比べてコストもかかってしまいます。流通しているサイズに計画を合わせるなど、諦めなければならない場面もありました。
そのような現実もあり、開発にあたってはできるだけご要望に柔軟にお応えできるよう、とにかく製作可能なサイズにこだわりました。サイト上でミリ単位でサイズがオーダーできて、選べる最大・最小サイズに幅があって、大きなガラスドアもちゃんと配送できる。
一見普通のドアに見えて、今までできなかった細かい要望を可能にしてくれる。理想の空間づくりで頼れる框ドアなんです。
木製であること、ガラスもあること
オーダー框ドアは高さ2400ミリまで製作できるから、天井まで目一杯のドアも製作可能。それだけで空間の印象も変わりますし、扉というより壁がパカッと開く。極端に言うとドアありきで実現する雰囲気もあります。
大きなドアは面積が大きいから空間への影響力も大きい。だからこそ木製で質感のあるものにしたいと思い、素材はヘムロックを選んでいます。木肌を活かして塗装するも良し、素地のまま使い始めて後から塗装を考えるのも良いと思います。
また、視界や光を通して圧迫感を出さないように使いたい。そんな要望にお応えできるよう、ガラスドアの選択肢もあります。よくある框のガラスドアは横桟が入っていて上下に分割されているものが多いのですが、せっかくなら視界を遮るものを無くしたいと、横桟を無くした大きなガラスの一枚板をはめたドアを用意しました。
ドアに纏わるもろもろ選べます
ドアとひとことに言っても、実際は様々なパーツで成り立っています。
レバーハンドルやドアノブは必須ですし、取り付けにヒンジ、それらを組み込むための彫り込み、現場によっては枠が欲しい場合もある。『オーダー框ドア』はこれらの選択肢をすべてご用意しています。
またガラスの種類は、向こう側が見えすぎないチェッカーガラスが選べたり、ちょっとクラシックな雰囲気を出したい時のためにモール(飾り)を追加できたり、クリアオイル塗装も用意、好みにカスタムできるプラスアルファの選択肢もあります。
オーダーというハードルを超えて、ドアとしてスタンダードな存在になりたい。そういう思いから生まれたドアです。