空間のアクセサリー
その日の気分で選んだ服装の仕上げに添えるアクセサリー。
目にするたびに微笑ましい気持ちにさせてくれたり、自分らしさを肯定する力をもらえたり。人それぞれにアクセサリーとの付き合い方があると思いますが、自分にとっては、コーディネートの見え方を変えてくれるだけでなく気持ちまで上げてもらえる、お守りのような存在です。
少し話が飛躍してしまいましたが、家づくりにおいてもそんなものがあるよねというお話です。スイッチやドアノブ、フックにバー……小さいけれど、自分にとって大切な役割を果たすパーツたち。
今回はその中でも、どこか愛嬌のある佇まいで、一点添えれば扉のキャラクターをつくってくれる『ポタリーつまみ』を紹介します。
艶あり、3.8センチメートル
数あるつまみの中でも存在感のある大ぶりなサイズの「ポタリーつまみ」。正面から見た時のサイズは直径約3.8cmで、少し離れた場所からでも目を引く大きさです。
高さは3cmと扉面からの出も大きいですが、軸が細いため、見た目の重たさは感じません。
また、もうひとつの特徴が、金属にはない焼き物特有のつるんと艶のある質感。木や塗装仕上げなど、扉自体はマットな仕上がりが多い中で、しっかりポイントになってくれます。
甘くなりすぎたり、モダンに寄りすぎない形状も、陶器製のつまみではなかなか見つからないもの。似合うテイストの幅を広げてくれます。
不揃いの引力
ぱっと見は気づかない程度ですが、よく眼を凝らすと、厚みやサイズが微妙に違ったり、形が不揃いだったりします。品質が管理された大量生産のものと比べると、許容する幅がとってもおおらか。
こういった、人の作為によるものではなく、その日の気候や火の入り具合など、自然を相手にする焼き物だからこそ生まれてくる個体差にグッときてしまうのは私だけではないはず。
特に、開け閉めするために精度が求められる扉はどうしても直線的で均質な印象になりがちです。だからこそ、そこに合わせるつまみは少し揺らぎがあるくらいが好ましいと思います。
扉に並べれば、その場の空気まで和ませてくれます。
クローゼットからハッピーに
このつまみのボリューム感、もうひとつ良いところは、しっかりグリップできて大きめの扉でも開け閉めしやすいこと。キッチン扉や洗面、玄関収納など、使える場所は色々ありますが、中でも特におすすめしたいのはクローゼット扉との組み合わせです。
例えば、ルーバー扉にはこの存在感がしっくりきますし、色をこだわって選んだ塗装扉に「ホワイト」や「ブラック」でコントラストをつけてみるもの良いですね。木の扉や、経年変化した既存の扉には中間色の「クリーム」や「グレー」も似合うはず。
考えてみれば、クローゼットはプライベートな場所だから、つまみを手にするのは家主だけ、知っているのも自分だけだったりします。そう、自己満足でいいんです!
今日の服装を選ぶ、そのタイミングで前向きな気持ちになれるような扉にしてみるのはいかがでしょう?