「表層だけ」変えられたら
空間の中で広い面積を占める床。リフォームにおいても「壁を何色にするか」「どんなキッチンにするか」と同じくらい、変えた時の見た目のインパクトが大きいパーツです。
ベースのレベルが上がるとその上に置かれる家具や照明、ひとつひとつの持ち物まで包み込んで支えてくれるような、劇的な変化を実感できるはず。
そんなリフォームの要とも言えるフローリングですが、貼り替えるのには廃棄費用もかさむし、工事も大掛かりなものになります。そもそも表面の質感だけを変えたいがために、問題のない下地からやり直すのもなんだかちょっとナンセンス。
では、今ある既存の床の上から貼ってしまおうと考えたのが今回ご紹介する『リフォームフローリング』。
今ある床を無駄にすることなく、短い工期で質感の良い天然木に模様替え。更に床暖対応品だから、今までやり直すしか選択肢がなかった床暖房の「表層だけ変えたい」なんて願いも叶います。
薄さが肝です
このフローリングの特徴は、なんと言っても6.5mmという薄さ。なんとなくフローリングは分厚いことに価値があると思っていましたが、「上貼り用」となると薄いことが重要なんです。
薄いことの良いことはまず、重ね貼りした後に、今ある建具との干渉が少ないこと。開き戸は大体下部に隙間を空けていることが多く、既存床の上に重ねて施工しても、この薄さであれば問題なく開閉ができます。
さらに、「リフォームフローリング」が最大限に効果を発揮できるのは、「既存の床暖房を活かして表層の質感を変えたい」というケースです。
実は床暖房では釘の打てる範囲が限定されていて、それ以外の場所を釘で打ち抜いてフローリング下の床暖パネルに傷がついてしまえば即アウト。ツールボックス工事班でも「一度貼った後から釘を使うことは絶対にやらない」というほどシビアな部分でもあるんです。
そのため、「床暖房の表層だけ変えたい」と思ったら、その下の床暖房ごと新しく交換するしか策がなかったのが今までの実情でした。およそ20年は使える床暖房システム、そんな勿体無いことってないですよね。
「リフォームフローリング」は、釘を使わずにボンドだけで貼っていけるので、既存の床暖房をそのまま活用しながら、木の質感を取り入れることが可能に。
一般的な厚みのフローリングと比べて、材自体の反発する力が弱いため、熱の変化が大きい環境でも貼った後に反って剥がれてきてしまうリスクも抑えられます。また、大きく熱の伝達を妨げることがないのも薄いことのメリットです。
本物の質感と、選べる樹種
今までも、既存の床に上貼りできるフローリングはありましたが、表面に木目がプリントされた樹脂製のものがほとんど。写真では本物の木との違いが分からないほど、最近の技術はすごいと思う反面、やっぱり足元には本物の木を使いたい。
空気を含んだ木のフローリングは、足が触れた時に冷たさがダイレクトに伝わる感じが少なく、湿気が多い時期にもペタペタとまとわりつくような感触がないのがいいところ。
これは個人的な感覚かも分かりませんが、触れた時の柔らかな足触りは、長時間過ごした時の心地よさ、もっと言うと疲れにくさにも差が出てくるような気がします。
「リフォームフローリング」は表面に天然木のスライスを使っています。上貼りに向いた薄さにするため、1mmという厚みではありますが、目には見えない木の良さを実感いただけるはず。
樹種は定番の「オーク」に加えて「チェリー」「ウォルナット」の選択肢もご用意しました。
ほんのり赤みがかった「チェリー」。「オーク」や「ウォルナット」と比べて木目の主張が少ないものの、板目と柾目を混ぜているので、空間に自然な立体感が生まれます。古道具やキリムラグ、グリーンと合わせると、樹種本来の持ち味を引き出せると思います。
こっくりと深みのある雰囲気が魅力の「ウォルナット」は、濃淡や木目を均一に揃えずに、より木の自然な風合いを活かしています。重厚感が出過ぎないのも、取り入れるハードルを下げてくれます。
質感の良い上貼り用フローリングで、床暖にも使える。今まではそのニッチなニーズ故に、途端に選択肢が少なくなってしまう分野でもありました。そんな悩めるフローリング探しに「リフォームフローリング」が終止符を打ってくれることでしょう。