南北に窓があり、角部屋でもあるマンションの一室。そのバルコニーから日差しが降り注ぐ開放的なLDKの一角に、シンプルなキッチンがあります。

躯体現しの天井と全体を通して黒で統一されたクールな印象を持つ、LDK。
太陽の日差しをダイレクトに感じる一番南側にくつろぐスペースを配置し、その隣にキッチンダイニングが配置します。

壁付けでコンパクトに計画されたキッチンは、ステンレス天板一枚で調理の機能を十分に果たします。キッチン背面の壁に余白を設けることで、自分のお気に入りの小物を飾って楽しめると同時に、天板下にも空間が生まれ、全体的にゆとりを感じさせる空間になっています。

マットな質感のタイルやフラットレンジフード、キッチンペーパーホルダーなど、キッチンの印象を決定づける要素は黒で統一され、落ち着いた印象に。そこに明るく素材感のある木製の棚板やステンレスの天板がプラスされることで、空間が引き立ちます。

また、躯体梁に合わせて収納スペースを配置し、必要な調理用具を無駄なく収めることで、空間をすっきりとさせています。

天井と構造壁の躯体現しが無機質でラフな印象を与えながら、リメイクした4枚で構成された古い縦格子の引き戸や造作したレトロ格子の両開き扉といった、和と洋のエッセンスが絶妙に調和した空間に。

寝室から。間仕切りとなる縦格子建具の隙間からリビングを見通します。

こちらは玄関土間スペースです。
リビングから張り伸ばされたフローリングはまるで、縁側のような存在に。そしてリビングから土間を挟んで位置する水回りに素足でも渡れるように飛び木を埋め込んで遊び心もプラスして。靴をたくさんお持ちのお施主さんのために、大容量の下足棚を設置しました。

最後に、お施主さんの個性が一番表現された洗面空間も。
ブルーと差し色のイエローを使ったポップな色使いが印象的で、インダストリアル、ポップ、和、洋など、さまざまな要素が合わさっています。

人が集まるLDKの空間に映し出された躯体現しのラフな仕上げや、作り込みすぎないキッチンのラフさ。自然体な印象を与えつつ、住む人の好みやセンスをさりげなく感じさせてくれます。気取らず肩肘張らない雰囲気が、心地よさと親しみやすさを感じさせてくれる素敵な事例でした。

ハコリノベ

『“ONE HOUSE FUN HOME”
 自分の想いを詰め込んだ、他のどこにもないその家で、日々の暮らしを楽しんで欲しい。』
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テキスト:小尾

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